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初心者おすすめ呪文ダメージを与える〈アイス・ナイフ〉XGtE 〈アース・トレマー〉XGtE 〈ウィッチ・ボルト〉 〈カタパルト〉XGtE 〈クロマティック・オーブ〉 〈ケイオス・ボルト〉XGtE 〈サンダーウェイヴ〉 〈ターシャズ・コースティック・ブリュー〉TCoE 〈バーニング・ハンズ〉 〈マジック・ミサイル〉 〈レイ・オヴ・シックネス〉 ダメージを防ぐ〈アブソーブ・エレメンツ〉XGtE 〈シールド〉 自分や味方を支援する(バフ)〈エクスペディシャス・リトリート〉 〈ジャンプ〉 〈フォールス・ライフ〉 〈メイジ・アーマー〉 敵を妨害する(デバフ)〈カラー・スプレー〉 〈グリース〉TCoE 〈スリープ〉 その他〈コンプリヘンド・ランゲージズ〉 〈サイレント・イメージ〉 〈チャーム・パースン〉 〈ディスガイズ・セルフ〉 〈ディテクト・マジック〉 〈フェザー・フォール〉 〈フォッグ・クラウド〉 初心者おすすめ呪文 〈マジック・ミサイル〉は極めて安定性の高い攻撃手段である。 〈シールド〉は、ACの低くなりがちなウィザードにとって、信頼できる防御手段となる。 〈スリープ〉は敵の集団を一気に無力化できる。HPの低い雑魚の集団なら、この呪文一発で勝負が決まってしまうこともある。 〈ディテクト・マジック〉は、怪しい罠や珍しいアイテムを素早く見つけるのに役立つ。 ダメージを与える 〈アイス・ナイフ〉XGtE クリーチャー1体に1d10の〔刺突〕ダメージを与える呪文。攻撃が当たっても外れても、その後氷が砕けて周囲に飛び散り、2d6の〔冷気〕ダメージを与える。 このレベル帯で範囲攻撃は貴重で、ダメージの確実性も高い。ただし、範囲が狭いので〈アシッド・スプラッシュ〉で同じ用が足りることもある。 竜の血脈のソーサラーなら、6レベル特徴「対応元素」で〔冷気〕ダメージを底上げできる。 相性の良い呪文修正能力“呪文威力強化”:セージ・アドバイスのp6、"Socerer"の項目、4個目のQ Aによると、〔刺突〕ダメージと〔冷気〕ダメージの両方をダメージ振り直しの対象にできると思われるため相性が良い。 “呪文射程延長”:60フィートという射程距離は野外の戦闘では意外と足りないことがある。(※公式デザイナーのTwitterでの回答によると、この呪文に“呪文二重化”は使用できない。) “呪文追尾”(TCoE):高レベル発動しても、〔冷気〕ダメージは上がらない。〔刺突〕ダメージを確実に与えるためには、命中率を上げる必要がある。 〈アース・トレマー〉XGtE 周囲に地震を起こし1d6の〔殴打〕ダメージを与え、伏せ状態にする呪文。 伏せ状態は移動速度を半分使えば立ち上がれるので、あまり強いデバフではない。 待機アクションを使って、目標が移動速度を消費したタイミングで発動すれば、攻撃を妨害した上に伏せ状態のままターンを終了させることができる。(※PCはそんなに正確に敵の移動速度を把握しているだろうか?という疑問はある。どこまでのメタ読みを許可するかはDM次第。) また、効果範囲内の地面が固く締まっていない土や石の地面なら移動困難地形にすることができる。敵からの逃走時に敵の足止め用として使うと、自身の近くまで来た敵であれば転倒させられるし、移動困難地形によって後ろから追ってくる敵の移動も妨害できるので有用かもしれない。 相性の良い呪文修正能力“呪文敵味方識別”:近くにいる味方を巻き込まずに敵だけを伏せさせられる。伏せ状態の敵への近接攻撃は有利を得るため、待機アクションも使用して味方の次のターンが転ばせた敵より早く来るようなタイミングで撃つといいかもしれない。 “呪文高速化”:敵の近くで使用したい呪文だが、HPやACの低いソーサラーは発動後は速やかに敵から離れたい。この特徴で空いたアクションで早足や離脱アクションを行うことで安全にその場から離れられるだろう。 “呪文射程延長”:自身から範囲が伸びる攻撃呪文なのになぜか射程が“自身”ではないため、この特徴で射程が伸ばせる(将来エラッタが入るかも知れない)。 〈ウィッチ・ボルト〉 【精神集中】 クリーチャー1体に1d10の〔電撃〕ダメージを与え、持続時間中、アクションを費やして同じ目標に〔電撃〕ダメージを与え続ける。 1ラウンドで平均6.5ポイントのダメージしか出せないので、十分な量のダメージを出すのに時間がかかりすぎる。(参考:〈マジック・ミサイル〉なら10.5ポイント、〈クロマティック・オーブ〉や〈カタパルト〉なら13ポイント。) 維持できるほど強い呪文ではあるが、射程外に逃げたり完全遮蔽に隠れるだけで呪文が終了するので、維持が難しい。 荒ぶる魔法のソーサラーなら1レベルから「混沌潮流」で命中率を上げられるため、低レベル長期戦が想定されるなら活用できるかもしれない。 相性の良い呪文修正能力“呪文射程延長”:君と目標の距離が射程より離れると終了してしまうのがこの呪文の弱点の一つ。この特徴ならそれを補える。 “呪文二重化”:1回の呪文発動で2体の目標を同時に攻撃できる。両方にヒットした場合、その後のターンには1回のアクションで2体に同時にダメージを与えられる。ただし目標を射程距離内に保つのが余計に難しくなる。 “呪文高速化”:呪文発動をボーナス・アクションに変えてしまえば、同一ターンのアクションで再びダメージを与えられる。 〈カタパルト〉XGtE 5ポンド以内の物体を勢いよく発射し、当たれば3d8の〔殴打〕ダメージを与える呪文。 〈クロマティック・オーブ〉と同じ威力で、判定とダメージの種別が違う。物体は何かにぶつかるまでは飛び続けるので、敵が【敏捷力】セーヴに成功した場合は(おそらく)そのまま後ろに飛んでいく。つまり、敵が直線上にたくさん並んでいるほど当たりやすい。 射程60フィートは飛ばす物体を選ぶ際の射程であり、物体自体は元あった場所から90フィートまで飛んでいく。つまり石がそこらじゅうに散らばっている戦場なら実質的な射程は150フィートあると考えて良い。物体の存在する位置次第では敵と自分の間にある遮蔽を無視した攻撃も可能。ただし重量1~5ポンド(454g~2270g)の範囲の物体しか目標に選べないため、石ならば野球ボールくらいの大きさは必要。 物体を移動させる手段としても使えるが、何かに衝突した場合その物体もダメージを受けてしまうため壊すとまずい物には使いにくい。 この呪文で、毒の入った瓶や「錬金術師の火」を飛ばせるかどうかはDM次第。 相性の良い呪文修正能力“呪文敵味方識別”:呪文の効果を見る限り、狙いたい敵と自分のあいだに味方がいた場合そちらに当たってしまう可能性がある。この特徴があればそんな事態を回避できる。 “呪文威力強化”:単体呪文であるためダメージ上昇の効率は良くないが、少しでもダメージを上げたいなら。 “呪文セーヴ妨害”:魔力点3点のコストは重いが、セーヴに成功されてしまうと何の効果もないため選択肢には入るか。(※セージ・アドバイスによると物体を目標に選べる呪文は“呪文二重化”の対象にできない。p6の"Sorcerer"の項目、8個目のQ Aを参照) 〈クロマティック・オーブ〉 クリーチャー1体に〔火〕〔冷気〕〔電撃〕〔雷鳴〕〔酸〕〔毒〕のうち任意の3d8ダメージを与える呪文。 敵の抵抗を避けたり、脆弱性を狙って攻撃できる。普通に使っても強いが、特技「元素の達人」などで威力の底上げを図ることもできる。また、竜の血脈のソーサラーは6レベル特徴「対応元素」でダメージを底上げできる。 外すと何の効果もない呪文なので1レベルから「混沌潮流」で攻撃ロールに有利を得られる荒ぶる魔法のソーサラーも相性が良い。 相性の良い呪文修正能力“呪文二重化”:1回の呪文発動で2体の敵を同時に攻撃できる。1レベルスロット0.5個分に相当する1点の魔力点消費で1レベル呪文をもう1発撃てるのはコスパが良いし、何より瞬間火力が上がるのが強い。 “呪文高速化”:ボーナス・アクションで呪文を発動できる。空いたアクションを、遮蔽の陰から出入りしてこの呪文を撃つ際の早足アクションや、敵に隣接された際の離脱アクションに使える。 “呪文威力強化”:単体呪文であるためダメージ上昇の効率は良くないが、少しでもダメージを上げたいなら。 〈ケイオス・ボルト〉XGtE クリーチャー1体に、2d8+1d6ダメージを与える呪文。 2d8でロールした2つの値の中から、ダメージ種別を決定する。 2d8で同じ値をロールした場合、30フィート以内の別の目標に再度攻撃できる。 基本的には対単体への攻撃呪文であり、ダメージは〈クロマティック・オーブ〉には一歩及ばない、といったところ。 敵に与えるダメージ種別が8つの中からランダムに2つ選ばれるため、特定属性に抵抗や完全耐性を持ったクリーチャーとの戦いでは、その種別を避けて攻撃することが可能。 この呪文の長所は、ヒットした際のダメージダイスの出目次第で、リソースの消費もアクションもなしで2発目の攻撃が最初の目標の30フィート以内にいる別の敵に飛んでいくこと。この2発目の攻撃もヒットした場合、総ダメージ量は1レベル呪文の中で最大級になる。さらに2回目以降の攻撃もダメージダイスの出目が条件を満たせば、3発目、4発目と攻撃が発生しうる。同じ敵に2回攻撃が向かうことはないが、運しだいで恐ろしい総ダメージをたたき出すこともありえる呪文である。 2発目の攻撃が発生する確率は1/8でありそこそこ期待できる。ランダム要素やギャンブルが好きな方なら好みに合うかもしれない。 相性の良い呪文修正能力“呪文威力強化”:2つのダメージダイスの出目が一致したときに2発目の攻撃が発生するため、ダメージダイスの振り直し効果は非常に相性が良い。低いほうの出目を振り直してダメージ自体も上昇させよう。ダメージ種別の決定ダイスを振り直すことで敵の抵抗や完全耐性を回避するのにも使える。(※公式デザイナーのTwitterでの回答によると、この呪文に“呪文二重化”は使用できないと思われる。) 〈サンダーウェイヴ〉 立方体形に電撃を放ち、範囲内のクリーチャーに2d8〔雷鳴〕ダメージを与える呪文。追加効果として目標を10フィート押しやる。 〈バーニング・ハンズ〉と並ぶ範囲火力。雑魚敵が前衛に群がるというシチュエーションは(特に低レベル帯では)よくあるので、この呪文が腐ることはないだろう。使うと雷鳴が周囲に響き渡るので、隠密行動中には向かないことに注意。逆に言えば、音を利用して敵をおびき出したり、遠くの味方に戦闘が始まったことを伝えるという使い方も考えられる。 押しやり効果については、〈クラウド・オヴ・ダガーズ〉や〈ムーンビーム〉などのエリア・コントロ―ル呪文の中に押し込むのが一般的か。 相性の良い呪文修正能力“呪文威力強化”:範囲攻撃呪文のダメージ・ロールは1回のロール結果を巻き込んだすべての敵に適用するため、この特徴でダメージを上昇させれば巻き込んだ敵の数が2体、3体と増えるたび上昇するダメージ量も2倍、3倍と増加していく “呪文高速化”:ボーナスアクションで呪文を発動できる。この呪文は敵に隣接しないと多くの敵を巻き込めないシチュエーションが多いため、空いたアクションを"離脱"アクションに使えればかなり使いやすくなる。とはいえ消費する魔力点を考えるとコスト的には2レベル呪文の〈シャター〉と同等になってしまい、そちらのほうが使いやすくダメージも高い。3レべル成長時の修得呪文で〈シャター〉を選ばないなら選択肢に入るだろう。 〈ターシャズ・コースティック・ブリュー〉TCoE 直線状に酸を噴出する。範囲内のクリーチャーは【敏捷力】セーヴを行い、失敗すると酸に覆われる。この酸は呪文が終了するか、アクションを使用して酸を取り除くまで持続する。 酸に覆われているクリーチャーは自分のターン開始毎に2d4〔酸〕ダメージを受ける。 1レベルでは貴重な範囲攻撃。 毎ターンダメージが入るのも強み。酸を取り除くにはアクションが必要なので敵の攻撃の手も緩むだろう。 相手が呪文に精神集中している場合は、 何度もダメージが発生することにメリットが生まれる。 【敏捷力】セーヴを要求するため、拘束状態にしておくと当たりやすい。朦朧状態にすれば確実に当たる。 相性の良い呪文修正能力:特になし 〈バーニング・ハンズ〉 円錐形の範囲に3d6〔火〕ダメージを与える呪文。 〈サンダーウェイヴ〉と並ぶ範囲火力。円錐が15フィートしかないので複数体巻き込むのが非常に難しいし、敵にかなり近づく必要がある。とはいえダメージはかなり良いのでリスクを取る価値はある。 また、竜の血脈のソーサラーは6レベル特徴「対応元素」でダメージを底上げできる。範囲攻撃呪文のダメージが推定3点も上がるのは嬉しい。 相性の良い呪文修正能力“呪文威力強化”:範囲攻撃呪文のダメージ・ロールは1回のロール結果を巻き込んだすべての敵に適用するため、この特徴でダメージを上昇させれば巻き込んだ敵の数が2体、3体と増えるたび上昇するダメージ量も2倍、3倍と増加していく “呪文高速化”:ボーナス・アクションで呪文を発動できる。この呪文は敵に隣接しないと多くの敵を巻き込めないシチュエーションが多いため、空いたアクションを離脱アクションに使えればかなり使いやすくなる。とはいえ消費する魔力点を考えるとコスト的には2レベル呪文の〈シャター〉と同等になってしまい、そちらのほうが使いやすくダメージも高い。3レべル成長時の修得呪文で〈シャター〉を選ばないなら選択肢に入るだろう。 〈マジック・ミサイル〉 1d4+1〔力場〕ダメージを与える矢を3発放つ呪文。必中。 「当たらなければどうしようもない」でお馴染み、D Dの戦闘において、絶大なる安心感と不動の地位を保つ呪文。基本的にはHPの少ない相手を確実に仕留める時に使う。 〈シールド〉を使うと、この呪文のダメージを無効化されてしまう。一応、〈カウンタースペル〉で打ち消したり、〈サイレンス〉などであらかじめ詠唱を封じることで対策は可能だが、こちらが支払うコストも重い。 相性の良い呪文修正能力“呪文威力強化”:セージ・アドバイスのp6によると3本の矢のダメージダイスのうちどれでも振り直しの対象にできるため相性が良い。(※ "Socerer"の項目、4個目のQ Aを参照) 〈レイ・オヴ・シックネス〉 クリーチャー1体に2d8の〔毒〕ダメージを与え、1ラウンドだけ"毒"状態にする呪文。 火力が低く、ダメージ種別も強くない。"毒"状態にする判定が【耐久力】セーヴなのも欠点。 相性の良い呪文修正能力“呪文二重化”:低コストで総ダメージ量が2倍に増え、2体に同時にデバフがかかる可能性があると考えると悪くはない。 “呪文セーヴ妨害”:毒状態にする効果が目当てならこれか。ただ毒状態は1ラウンドで解除されてしまうため若干もったいない。 ダメージを防ぐ 〈アブソーブ・エレメンツ〉XGtE リアクションで、火、冷気、電撃、雷鳴、酸ダメージを半減し、次の近接攻撃のダメージに加える呪文。 範囲攻撃に対する対策として役立つ。 特に1レベルキャラクターは範囲攻撃一撃で死ぬので対策は必至。前半の効果だけも十分役立つが、後半の武器攻撃の威力が上がる効果は、パラディンなどとマルチクラスした場合に活きるだろう。 相性の良い呪文修正能力“呪文発動秘匿”:この呪文は動作要素を必要としながら物質要素を必要としないため、セージ・アドバイスのp16(※"Components"の項目、3個目のQ A)に厳密に従うなら少なくとも片手が空いていないと発動できない。片手を空けておけるソーサラーには基本的に関係ないが、パラディンなどとマルチクラスして両手に武器と盾を装備するようになると問題が出てくる。この問題を解決する方法としては特技「戦場の術者」を修得するのが早道だが、この呪文修正能力を使うことでもいちおう解決できる。 〈シールド〉 リアクションで発動し、1ラウンドの間、ACを+5する呪文。また、〈マジック・ミサイル〉を防ぐ効果もある。 太古の昔、マジック・ユーザーはシューティング・ゲームと形容されたらしい。なぜなら1発でも攻撃を受けると死ぬからである。 今のD Dはさすがにそこまで尖ったゲームバランスではないが、呪文使いが死にやすいことには変わりない。特に1レベルは敵の〈マジック・ミサイル〉で死ぬので対策必至。 〈メイジ・アーマー〉や〈フォールス・ライフ〉と併せて準備しておくことでより安全性が増す。 ちなみに、〈シールド〉の効果が切れるまで待機して、切れたタイミングで攻撃するという対策法がある。ただし攻撃回数が1回かつ、1レベルスロットが貴重な、低レベル帯でのみ有効。 相性の良い呪文修正能力“呪文発動秘匿”:この呪文は動作要素を必要としながら物質要素を必要としないため、セージ・アドバイスのp16(※"Components"の項目、3個目のQ A)に厳密に従うなら少なくとも片手が空いていないと発動できない。片手を空けておけるソーサラーには基本的に関係ないが、パラディンなどとマルチクラスして両手に武器と盾を装備するようになると問題が出てくる。この問題を解決する方法としては特技「戦場の術者」を修得するのが早道だが、この呪文修正能力を使うことでもいちおう解決できる。 自分や味方を支援する(バフ) 〈エクスペディシャス・リトリート〉 【精神集中】 この呪文を発動した時および持続時間中のボーナス・アクションにおいて、早足を行うことができる。 ソーサラーに機動力が必要になる場面はあまりないが、1レベル呪文の価値が軽くなった高レベル帯において、ボーナス・アクションが余る時には採用の余地がある。ただしボーナス・アクションで呪文を発動したターンには呪文は初級呪文しか発動できないため注意。 ソーサラーの場合、「呪文高速化」で呪文発動をボーナス・アクションにしてしまい、空いたアクションを早足に使うという手もあり、この方法なら初級呪文以外の呪文であっても発動しつつ早足アクションを行うことができる。「呪文高速化」を修得したソーサラーにはこの呪文は需要が薄くなるかもしれない。 相性の良い呪文修正能力:特になし 〈ジャンプ〉 味方1体の跳躍力を3倍にする。 廉価版の〈スパイダー・クライム〉や〈フライ〉としての活用が可能で、高所に陣取れば、敵によっては遠隔攻撃で一方的に攻撃できる。 長所としては1レベル呪文でコストが安い点、精神集中が不要な点、足場がない空中にも(通り過ぎるだけなら)移動できる点、などが挙げられる。 セージ・アドバイスののp19("jump spell"に関するQ A)によると、移動と早足アクションを組み合わせることで1回の跳躍で自身の最大移動速度を越えて跳躍ができるため、【筋力】値が16のPCが助走して早足アクションをとった場合、48フィートもの幅跳びが可能になる。これは戦闘マップとして登場するほとんどの落とし穴や谷間を飛び越えるのに十分な距離である。 さらに助走ありの高跳びをした場合、18フィート(手が届く高さで言うなら25フィート前後)もの高さまで到達することができ、“登攀移動”なしで低めの建物の屋根の上に移動したり、高跳びしてからつかみを行うことで低空を飛ぶ敵や低めの天井に張り付いている敵を自分もろとも地上に落下させることも可能である。3次元戦闘を行うことの多い卓ならば有用性はあるだろう。 相性の良い呪文修正能力“呪文射程延長”:持続時間が1分と短いのに接触した相手にしかかけられないのがこの呪文の不便な点。この特徴で戦闘中に離れた味方を支援できるようにしたい。 “呪文二重化”:2体の前衛PCに同時にかければパーティの前衛の半数以上は足並みをそろえて移動できているだろう。2回連続して使うよりコスパもいい。 “呪文高速化”:自分にかけた上で早足や離脱がしたい緊急時には役に立つかもしれない。 〈フォールス・ライフ〉 一時的HP1d4+4を得る呪文。 低レベルで特に役立つ。 〈メイジ・アーマー〉と組み合わせると強力。ただし両方発動していても死ぬときは死ぬ。 相性の良い呪文修正能力:特になし 〈メイジ・アーマー〉 ACを「13+敏捷力」にする呪文。 盾にも鎧にも習熟していないソーサラーがACを上げる唯一の手段。必須級。また、着たまま寝ることができる。 ただし竜の血脈のソーサラーの場合は、1レベル特徴「竜の防御力」の効果がこの呪文と同等であり累積しないため、覚える必要はまったくない。 相性の良い呪文修正能力“呪文持続時間延長”:しいて言えばこれ。旅をするシナリオで1日に8時間以上を移動に費やす“強行軍”を行う場合など、8時間かけても1日の冒険が終わらないことがあれば役に立つ。 敵を妨害する(デバフ) 〈カラー・スプレー〉 円錐形に閃光を放ち、HPが低い順に盲目状態にする呪文。 範囲が狭いのと、HPの低い相手にしか使えないのが盲目の効果とミスマッチ。 通常は〈スリープ〉の方が潰しが効くが、ドラウなどスリープの効かない相手と戦う場合などは代案として選択肢に入る。アンダーダークに行くときは採用を検討しよう。 なお、エラッタにより、効果時間が「この呪文が終了するまで」ではなく「次の君のターンの終了時まで」となった。 相性の良い呪文修正能力:特になし 〈グリース〉TCoE 油を召喚し、範囲内のクリーチャーを伏せ状態にする呪文。 伏せ状態になっても移動速度を半分使えば立ち上がれるので、それほど強力なデバフではない。 待機アクションを使って、目標が移動速度を消費したタイミングで発動すれば、攻撃を妨害した上に伏せ状態のままターンを終了させることができる。(※PCはそんなに正確に敵の移動速度を把握しているだろうか?という疑問はある。どこまでのメタ読みを許可するかはDM次第。) 相性の良い呪文修正能力:特になし 〈スリープ〉 範囲内のクリーチャーを、HPの低い順に眠らせる呪文。眠った相手はだれかにアクションで起こされない限りは1分間眠り続ける。 非常に強力な呪文。「複数を」「確実に」行動不能にすることができる数少ない呪文。セーヴィング・スローを要求する呪文と異なり、相手のHPが低ければ確実に命中するため、非常に信頼性が高い。もっぱら、HPの少ない相手を確実に仕留める際に使う。 相性の良い呪文修正能力“呪文発動秘匿”:都市での冒険で、HPの低い門番などのNPCを穏便に無力化したい場合に有効。発動に物質要素を必要とするが、この呪文の物質要素は「細かい砂」や「バラの花びら」なので、ロールプレイ次第で呪文発動を他人に気づかせないことは可能だろう。 その他 〈コンプリヘンド・ランゲージズ〉 未知の言語を聞き取ったり読み取ることができる。 アジトの中で交わされるゴブリン語や地下共通語の会議の内容や、古代の壁画の文字を読むことができる。 相性の良い呪文修正能力“呪文発動秘匿”:「敵の近くの物陰に忍び寄って敵の会話を聞いてみると、それはゴブリン語だった」などという時、この呪文を発動すると呪文の発声で気づかれるリスクがある、という卓なら有用だろう。 “呪文持続時間延長”:1時間の効果時間を2時間にできる。冒険中にもう一度この呪文の効果が欲しくなる可能性があり、そのとき効果時間が切れてしまっている可能性があるなら選択肢に入るか。 〈サイレント・イメージ〉 【精神集中】 15フィート以内の幻影を作り出し、自由に動かす。 〈マイナー・イリュージョン〉との相違点はなんと言っても動かせること。(動かすのにアクションが必要なので戦闘中は役に立たない) 恐ろしいトロルや凶暴なドラゴンの幻影を作って、不要な戦闘を避けることも可能。 音が出せない欠点は〈マイナー・イリュージョン〉〈プレスティディジテイション〉〈ソーマタージ―〉などで補完可能。 相性の良い呪文修正能力“呪文発動秘匿”:幻を作り出して他者を欺く以上、それが呪文によるものだと気づかれるリスクは少しでも減らしたい。このあたりは「呪文の発動が他者の目にどのように映るか」というその卓のDMの裁定次第でもある。 “呪文高速化”:この呪文で作り出した幻に音をつけたい場合、別途アクションで〈マイナー・イリュージョン〉などの呪文を唱える必要があり、幻が出現した次のターンから音を出したのでは不自然に見えてしまう、という場面があるかもしれない。この特徴を用いれば同一ターン内で映像と音を同時に出現させられる。 〈チャーム・パースン〉 1体の人型生物を"魅了"する呪文。 〈フレンズ〉との違いは主に持続時間。1時間あれば大抵の情報を引き出した上で立ち去るだけの余裕があるはず。 ただし欠点は、1レベルでは1体のクリーチャーしか魅了できないこと。さっきまで「このお宝は渡さない!」と強固な態度をとっていたマフィアのボスが、君がぶつぶつ呪文を唱えた瞬間コロッと意見を変えたら、魅了したのがバレバレである。高レベルで発動すれば複数を対象にすることができるが、全員がセーヴに失敗してくれる確率は低い。 ソーサラーの場合は、“呪文発動秘匿”(後述)を使うのが最も確実だが、2人きりで話す場を設けたり、1人でいるところを不意を打って魅了するなどの工夫をするのもよいだろう。 ちなみに、相手がセーヴに成功したか伝えるかどうかはDM次第。 相性の良い呪文修正能力“呪文発動秘匿”:目標に呪文をかけるところを目標の仲間に目撃された場合、怪しまれ最悪戦闘になってしまう可能性もある。この特徴を用いれば周囲からは呪文を発動したことが全く分からなくなるため、都市での冒険においてとてつもなく有用。セーヴに成功されてしまった場合に目標とした人物自身に呪文をかけたと気づかれないためにも有用かもしれない。 “呪文セーヴ妨害”:セーヴを通すのが何より大事な呪文なので当然選択肢に入る。戦闘中に敵に使う場合も成功率を上げられる。 “呪文持続時間延長”:1時間の効果時間を2時間にできる。魅了したNPCに敵のアジトの中を案内してもらうなどする場合は有効かもしれない。 “呪文二重化”:「目標の仲間が近くにいて邪魔ならそいつも一緒に魅了してしまえばいい」という考え方もある。3レベルスロットでこの呪文を発動しても同じことができるが、その場合は「目標はお互いに30フィート以内にいなければならない」という制限がつくし、コスパでもこちらが勝る。 〈ディスガイズ・セルフ〉 1時間、別人に変装する呪文。術者にしか効果はない。 どこまでの応用性を認めるかはDM次第だが、他人になりすまして家に入る時、悪党をだましてアジトの入り口から遠ざける時などに使えるはずである。変装道具に習熟している人がいるなら役割が被るので仲間に譲ろう。 また、声は変えることができないので注意。 相性の良い呪文修正能力“呪文発動秘匿”:どちらにしろ姿が変わるところを他人に見られるわけにはいかないが、呪文を唱える声を聞かれるリスクが減らせるのは大きいかもしれない。 “呪文持続時間延長”:1時間の効果時間を2時間にできる。変装しての潜入任務は長時間に及ぶこともあるだろう。そんな時に呪文の効果時間が切れるリスクを減らし、呪文スロットを節約できる。 〈ディテクト・マジック〉 【精神集中】 周囲の魔法の気配を感知する。 これは怪しいものを見つけた時使うだけでなく、怪しいものを見つけるためにも使うことができる。 常に唱えておきたいところだが、10分しか持続しないので高確率で探索中に切れてしまう。 特技「儀式発動者」があればソーサラーでも儀式で発動することが可能で、時間さえあれば常にこの呪文をかけておくことができるが、その暇があるかはシナリオ次第。 なお、エラッタにより、不可視のものを探知できなくなった。 相性の良い呪文修正能力“呪文持続時間延長”:効果時間を20分にできる。探索にどのくらいの時間がかかるかはDM次第だが、二部屋ぶんの探索くらいは効果を持たせられるかもしれない。 〈フェザー・フォール〉 リアクションで、落下している人や物をゆっくり着地させる。 落下イベント対策。パーティのうちの誰かはこれを持っておくべきである。 積極的に使うなら、崖から飛び降りて敵から逃亡する際に使うなどが考えられる。 相性の良い呪文修正能力“呪文射程延長”:射程とともに、「発動時間」の項目にある「60フィート以内のクリーチャー1体が落下したとき」という一文の中の距離も延長できる裁定の卓ならこの特徴が使用できる。基本的には必要ないだろうが、高層都市での冒険でモンスターに襲われたNPCを助けたい場合などに使えるかもしれない。 〈フォッグ・クラウド〉 【精神集中】 範囲内に濃霧を発生させ、”重度の隠蔽”を作り出す。 自分をこの霧で隠し、霧から出て攻撃→再び霧に隠れるという行動を繰り返すことで一方的な攻撃が可能になる。 また、機会攻撃を受けずに大勢の仲間を敵の間合いから離脱させる手段として使うこともできる。(機会攻撃の条件に“君から見えるクリーチャー”というものがあるため)あるいは、どうしても勝てない相手が出てきたときの逃走用の目くらましや、パーティ全員が霧の中に隠れて籠城作戦を行う時なども使える。 相性の良い呪文修正能力“呪文発動秘匿”:都市での冒険において、霧を発生させて目くらましをしている間に何かを盗むなどといったときに、怪しまれないために使えるかもしれない。
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初心者おすすめ呪文ダメージを与える〈エラプティング・アース〉XGtE 〈コール・ライトニング〉 〈タイダル・ウェイヴ〉XGtE HPを回復する/状態を終了する〈ディスペル・マジック〉 〈リヴィヴィファイ〉TCoE 自分や味方を支援する(バフ)〈エレメンタル・ウェポン〉 〈オーラ・オヴ・ヴァイタリティ〉TCoE 〈フレイム・アローズ〉XGtE 〈プロテクション・フロム・エナジー〉 敵を妨害する(デバフ)〈ウィンド・ウォール〉 〈ウォール・オヴ・ウォーター〉XGtE 〈スリート・ストーム〉 〈プラント・グロウス〉 クリーチャーを召喚する/生み出す〈カンジャー・アニマルズ〉 〈サモン・フェイ〉TCoE その他〈ウォーター・ウォーク〉 〈ウォーター・ブリージング〉 〈スピーク・ウィズ・プランツ〉 〈デイライト〉 〈フェイン・デス〉 〈メルド・イントゥ・ストーン〉 初心者おすすめ呪文 〈ディスペル・マジック〉は、3レベル呪文が使えるようになったら常備しておきたい呪文の中でも上位に食い込む。詳細は当ページの該当項目を参照。 ダメージを与える 〈エラプティング・アース〉XGtE 範囲内に土砂が吹き出し、3d12の〔殴打〕ダメージを与える。 さらに、範囲内は移動困難地形になる。 与えるダメージは同レベル帯では最も高く、さらに、効果範囲内が移動困難地形になる。 逃走したい場合や、敵が近接攻撃を主体とする場合、敵の進軍を妨害するために使うことができる。 〈コール・ライトニング〉 【精神集中】 持続時間中毎ラウンド術者のターンにおいてアクションを用いて雷を落とす。 外が嵐であれば、呪文のダメージが1d10増加する。 この呪文は術者の指定した一点から周囲5フィート以内にいるクリーチャーにダメージを与える。乱戦状態の前線に撃ちこむにはちょうどいい範囲である。力術ウィザードのように、味方を攻撃範囲から外すことができないドルイドにとっては、非常に使い勝手が良い。また、雷を落とす点は毎回同じ場所でも違う場所でも良い。 また、説明文中では「地面に落とさなければならない」と書いていないので、空中のクリーチャーも目標に取ることが可能である点も長所である。(しかしながら、このように使用するなら、DMに確認を取ること)。 雷が落ちるのは雲の真下なので、半径60フィート(グリッドに直すと直径24マス)以内の嵐雲の下にいない敵に対しては攻撃できない。とはいえ、よほどマップが広くない限りは問題になることはない。 〈タイダル・ウェイヴ〉XGtE 津波を作り出す呪文。 範囲内のクリーチャーは4d8の〔殴打〕ダメージを受け、伏せ状態になる。 ダメージの平均値は18ポイントと低いが、追加効果で相手を"伏せ"させることができるため、パーティに近接攻撃職が多いなど、伏せさせることの利益が大きければ採用する価値はある。 ダメージを与える呪文であるが、高レベル版は存在しない。したがって、だんだん火力不足になる。 また、この呪文は波の範囲から30フィート以内の覆われていない火をすべて消す。攻城戦などで火災が発生した時に一気に鎮火できるだろう。持続時間は"瞬間"のため、水はすぐ消え去り、水損被害を考えなくてもよい。 HPを回復する/状態を終了する 〈ディスペル・マジック〉 目標に作用している3レベル以下の呪文をすべて終了させる。 4レベル以上の呪文に対しては、呪文発動能力に対する能力値判定を行う。(難易度は10+呪文レベル) 戦闘や探索を問わず、幅広い局面で使われる呪文。 戦闘で使う:ウィザードやクレリックなどの呪文使いが敵に回るだけでなく、モンスターの中には生得呪文発動能力の特徴を有する個体もいる。これらのクリーチャーが呪文で自身の戦闘能力を強化したり、冒険者たちを直接傷つけるのではなく、何らかの妨害を仕掛けてくることはよくあるため、それらを打ち破るためにこの呪文が使われることになる。さて、ここで注意しなければならないことが幾つかある。第一に、相手がウィザードやソーサラー、ウォーロックであれば〈カウンタースペル〉でこちらの〈ディスペル・マジック〉を妨害してくることは予想しておく方がよい。〈カウンタースペル〉の射程は60フィートに対し、〈ディスペル・マジック〉は120フィートなので、射程外から撃ち込むことで完全に封殺できる。その他の〈カウンタースペル〉対策については当該項目を参照のこと。 第二に、解呪する対象の呪文が、この呪文のレベルを上回っていた場合、能力値判定を要求される。たとえば、5レベル呪文を対象とした際、5レベルで発動したならば確実に解呪できるが、3レベルや4レベルで発動すると、解呪できるかは能力判定となる。この場合、3レベルで発動しても4レベルで発動しても、成功確率が変わるわけではないことに注意すべし。とはいえ、バードの声援や〈ガイダンス〉、インスピレーションを用いて成功確率を上げることは可能である。強力な呪文で防御している相手には、それらのリソースを惜しみなくつぎ込んで解呪してやろう。味方の助力を得て強力な魔法の守りを打ち破るのは、一つの見せ場にもなるだろう。 戦闘以外で使う:ダンジョン内の魔法の罠を取り除いたり、魔法の装置を壊して黒幕の計画をくじくのに使える。しかし、シナリオの都合上、DMが解呪可能かどうか、あるいは難易度がいくつかを明かしてくれないこともあろうかと思う。呪文を打ち消すためにこちらも呪文スロットを消費するので、無駄打ちにならないよう確実に決めていきたいところである。占術呪文を使ったり、【知力】〈魔法学〉判定に成功すれば、DMが、解呪可能か、可能ならば難易度はいくつなのか、教えてくれるかもしれない。いろいろ提案してみよう。 また、この呪文にはいろいろな制約があるため、セージ・アドバイスを参考にしつつ、ディスペル・マジックに関するあれこれを記載したので、参考にされたし。 〈リヴィヴィファイ〉TCoE 死後1分以内の死体を蘇生する呪文。 キャラクターロストに対する確実な保険となるため、必ず準備しておきたい。物質要素として300gpのダイヤモンドを要求することに注意。 ちなみに、「失われた体の部位を修復することはできない」ので、巨大なモンスターに飲み込まれて消化されたり、触手のたくさんあるモンスターに脳みそを食べられたり、目玉のたくさんあるモンスターに体を分解されたときは再生することができない。 自分や味方を支援する(バフ) 〈エレメンタル・ウェポン〉 魔法でない武器を+1の魔法の武器にし、さらに[酸][電撃][火][雷鳴][冷気]の内1種を選択して追加ダメージを与える。 シンプルかつ便利な呪文。命中やダメージが増えるのが嬉しいだけでなく、非魔法の武器による攻撃に抵抗や完全耐性を持つ敵への対策となる。 しかし、多くのキャンペーンでは、冒険が進めば魔法の武器を手に入れる機会はあるだろう。 もちろん確実に手に入るとは言えないし、仮に手に入ったとしても、敵に捕らえられて武器を取り上げられることもある。そういう場合には役に立つだろう。 逆に、普通の非魔法武器で攻撃が通る状況なら、精神集中の必要なこの呪文を唱えるよりほかの呪文を唱えてサポートした方がよい場面の方が多い。DMやシナリオによって魔法の武器の取得状況は変わってくると思うので、状況に応じて取得、準備しよう。 〈オーラ・オヴ・ヴァイタリティ〉TCoE 【精神集中】 持続時間中、半径30フィート内のクリーチャー1体を、ボーナス・アクションで2d6回復できる。 精神集中で1分間持続するので最大10回も回復が可能。とはいえ回復量は2d6と控えめなので、気絶したクリーチャーを起こす手段として考えるとよい。 戦闘終了後に安全を確保した状態で、10回発動すれば確実。 〈フレイム・アローズ〉XGtE 【精神集中】 12本の矢に魔力を付与し、追加で1d6の火ダメージを与える。 発動時に「アローまたはボルトが入っている矢筒」に触れるとあるので、矢筒やボルトケースに対してかける呪文なのだろう。したがって、複数人で矢筒を回しながら射撃すれば、12本の矢を余すところなく使いきれる。追加攻撃の特徴を持つキャラクターに使わせればさらに早く使い切れるだろう。 なお、目標に命中したとき着火するとは書いていないが、DMの判断次第で着火することにしてもよいだろう。 〈プロテクション・フロム・エナジー〉 【精神集中】 〔酸〕〔電撃〕〔火〕〔雷鳴〕〔冷気〕ダメージへの抵抗を付与する。 クロマティック・ドラゴンや一部のエレメンタルと戦う時にこの呪文があれば、被害を低減することができる。 呪文の持続時間が1時間なので、事前にこの呪文をかけてからカチコミに行くとよいだろう。 ただし精神集中を必要とする呪文であるので、ドラゴンのブレスのような範囲攻撃に術者が巻き込まれた際は精神集中を維持するための【耐久力】セーヴをロールすることになる。 敵を妨害する(デバフ) 〈ウィンド・ウォール〉 【精神集中】 強風の吹く風の壁を作り出し、範囲内のクリーチャーに3d8の〔殴打〕ダメージを与える。 風の壁は、ガス、小型の飛行生物、遠隔攻撃を通さない。 攻撃呪文として使うこともできるが、平均ダメージは13ポイントとあまり高くない。 この呪文の真骨頂は「この強風は霧や煙及びその他の気体を一瞬で吹き飛ばす」所と「普通の矢弾は自動的にミスする」所にある。敵軍に呪文使いがいない場合、遠隔武器攻撃を完全に防ぎ、こちらは一方的に呪文で攻撃できる。ただし、攻城兵器やジャイアントの岩投げに対しては効果がないので要注意である。 ガスを吹き散らす効果については、〈フォッグ・クラウド〉〈スティンキング・クラウド〉〈クラウドキル〉〈インセンディエリ・クラウド〉などを無効化できる。 〈ウォール・オヴ・ウォーター〉XGtE 【精神集中】 射程内に水の壁を作る呪文。以下の4つの効果を持つ。 ①:壁の効果範囲内は移動困難地形になる。 ②:この壁を通過する遠距離武器攻撃は不利を受ける。 ③:火の効果が壁を通過する場合、ダメージは半分になる。 ④:冷気の効果が壁を通過する場合、その部分を凍らせる。 撃つ方も撃たれる方も攻撃ロールに不利を受けるため、こちらが遠隔武器攻撃主体のときは使えない。呪文で一方的に攻撃しよう。 なお、「〔火〕ダメージが半分になる」効果は抵抗を付与するものではない。既に抵抗を持つクリーチャーであれば、受けるダメージは1/4になる。強力な〔火〕ダメージを与えてくるクリーチャーと一戦交える時は、用意しておきたい。 〈スリート・ストーム〉 【精神集中】 効果範囲内にみぞれ交じりの雨が降り注ぎ、移動困難地形と重度の隠蔽を作り出す。 クリーチャーが効果範囲内入ったりターンを開始したならば【敏捷力】セーヴを行い、失敗すると"伏せ"状態になる。 精神集中を維持しているクリーチャーは、【耐久力】セーヴを行い、失敗すると精神集中が途切れてしまう。 クリーチャー自身のターンで効果範囲内に入るのが初めてか、その効果範囲内でターンを開始した時にセーヴが発生するため、敵クリーチャーの立っている場所にこの呪文を発動したとしても、そのクリーチャーのターンが来るまではセーヴは発生しない。 なお、効果範囲に入ることは、自発的である必要はない。したがって、〈サンダーウェイヴ〉のような呪文でクリーチャーをそのエリアに押しやることは可能。ただし、ダメ―ジを受けるのは、ターンで最初にその範囲に入ったときだけであることに注意。出し入れしても、複数回ダメージを受けることはない。詳しくは、セージ・アドバイスのp19を参照のこと。 伏せ状態の最大のメリットは近接攻撃を当てやすくなることだが、この呪文の場合、せっかく敵を伏せ状態にしても、近接攻撃を行うために範囲内に入っていくと、伏せ状態になるリスクがあるうえ、"重度の隠蔽"であるため周りが見えない。したがって、通常の状況では、伏せ状態にすることの利益がほとんどない。 空中にいるクリーチャーに対しても効果があるため、飛行中のクリーチャーは落とす手段としては使える。この呪文のセーヴは【敏捷力】であるため、【筋力】は高いが【敏捷力】はさほど高くないというクリーチャー(ドラゴンなど)は狙いどころ。 また、精神集中を切らす効果もあるため、敵方に呪文使いがいるなら選択肢に入る。「見えている相手でなければ目標にできない」呪文は多いため、"重度の隠蔽"を作る効果も妨害として役立つかもしれない。 〈プラント・グロウス〉 半径100フィートの範囲に草を茂らせ、移動速度を大きく損なう地形(1フィート移動するごとに4フィート分の移動が必要になる)とする呪文。 きわめて広い範囲で敵の移動を封じることができる。しかし、周囲に植物がないと使えない。もし森や草原以外で使うなら、あらかじめ種子を大量に持ち歩いて、呪文の発動の前にばら撒き、敵を待ち構える必要がある。 範囲内では「1フィート移動するごとに4フィート分の移動が必要になる」が、「移動困難地形(1フィート移動するごとに2フィート分の移動が必要になる)」を作るわけではない。したがって、この呪文の範囲と移動困難地形が重なった場合、効果が重複する。その際、効果を掛け算して、4×2=8フィート消費すると解釈するのか、効果を足し算して、1+3+1=5フィート消費すると解釈するのかは明記されていない。君の卓のDMの判断に従うこと。 この呪文はもう一つの効果があり、8時間かけて発動させると、範囲内の農作物を豊作にすることができる。君の卓で、冒険の合間に領地経営をするなら使うかもしれない。 クリーチャーを召喚する/生み出す 〈カンジャー・アニマルズ〉 【精神集中】 野獣を召喚する。召喚する野獣の脅威度によって、召喚できる数が変動する。 脅威度2以下×1 脅威度1以下×2 脅威度1/2以下×4 脅威度1/4以下×8 クリーチャーを召喚する呪文の1つ。召喚される野獣はそれほど強くないが、壁や捨て駒として使うには十分。基本的には、弱いクリーチャーをたくさん確保したいときに使う。 なお、野獣の種類をプレイヤーが選択できるかは明記されていない。君がDMなら、プレイヤーが唱えた場所によって召喚される野獣を決定しても面白いだろう。たとえば森で唱えたならばブラウン・ベアが現れる、洞窟で唱えたならジャイアント・スパイダーが現れるなど。DMによっては、現れる野獣の種類をプレイヤーが選択してもよいと言うかもしれない。その際は、以下のおすすめを参照のこと: ポーラー・ベア×1:最もダメージの期待値が高い。 ジャイアント・コンフリクター・スネーク×1:相手を"拘束"状態にすることができる。また、超大型サイズであるため、グリッド戦闘では3マスまでの通路を塞ぐことができる。 ジャイアント・イーグル×2:飛行能力があるため、空中の敵を攻撃できる。DMが許可すれば、プレイヤーが騎乗して空中戦に参加したり、空の旅を楽しむこともできる。 ジャイアント・スパイダー×2:蜘蛛糸の能力で敵を"拘束"することができるほか、壁や天井を歩くことができる。DMが許可すれば、プレイヤーが騎乗して共に移動することも可能。 ダイヤ・ウルフ×2:「連携戦闘」により、有利で攻撃が可能。攻撃時に相手を伏せ状態にする能力もある。また「鋭敏聴覚 嗅覚」の能力は、戦闘後、逃げる敵を追うときなどにも役立つ。 ウォー・ホース×4:移動手段がないときに使う。 ウルフ×8:とにかく手数が欲しいときに召喚しよう。連携戦闘、伏せ状態にする効果があるため、攻撃の命中率は高い。敵の魔術師の精神集中を解除したいときなどに使おう。また、「鋭敏聴覚 嗅覚」の能力による〈知覚〉判定を8体全員で使えば成功確率を大幅に上げられる。 ジャイアント・バジャー×8:穴掘り能力がある。トンネルを開通したいときに。 ライディング・ホース×8:ウォー・ホース4頭では足りないときに。 〈サモン・フェイ〉TCoE 【精神集中】 1体のフェイを召喚する。 フェイは君のターンの直後に行動する。 手数の点では〈カンジャー・アニマルズ〉の方が強い。 フェイは30フィート以内に瞬間移動できる。高所や矢狭間の向こう側にいる敵に攻撃したり、狭い隙間を通り抜けて偵察したい場合などには有用。 その他 〈ウォーター・ウォーク〉 10体までのクリーチャーが、水上を歩けるようになる呪文。 海や川を横切るだけでなく、例えば、急流をこの呪文をかけた馬二頭で筏を牽引して遡行することも可能である。 性能面も破格であり、儀式発動ができ、持続時間が1時間もあり、最大10体までのクリーチャーを目標にすることができる。 ちなみに、液体に沈んでいるクリーチャーにかけた場合、そのクリーチャーは浮かび上がってくるが、これは水中に潜れなくなるということでもある。したがって、水中に撤退していった敵を追いかけるには、まずこの呪文を終了させなければならない。そのためには、(1)持続時間が終了するか、(2)〈ディスペル・マジック〉で解呪するかしかない。よって、この呪文をパーティ全体にかける時は注意されたし。 〈ウォーター・ブリージング〉 10体までの味方に、水中での呼吸能力を与える呪文。 持続時間も24時間と破格であり、儀式発動も可能。 水中は言うに及ばず、水上を移動する時も保険としてかけておきたい。しかし、この呪文は水中での呼吸能力を提供するだけで、水中移動速度は提供しないので要注意。 〈スピーク・ウィズ・プランツ〉 植物との会話が可能になる呪文。 植物と会話し、自律行動能力を与える呪文。「植物たち」とあるので、範囲全体に効果がある。 スピークと言いつつできることは割と多様で、質問をすることはもちろん移動困難地形の解除/生成が可能。 環境によっては遮蔽の生成や簡易的な足場の生成、下生えで物を隠したりといったこともできるかもしれない。また、ブラウンモールドやキノコなどの有害な胞子の噴霧を一時的に止めさせることができるかもしれない。 周囲に植物がなければ効果がないので、主にウィルダネスアドベンチャー向けの呪文。 〈ロケート・アニマルズ・オア・プランツ〉と組み合わせれば、話し相手である植物を探すことができる。ただし2レべルと3レベルのスロットを1つずつ使うのでコストパフォーマンスは悪い。 〈デイライト〉 120フィートを照らす光源を作り出す呪文。 物体を光らせて持ち運ぶこともでき、その場合、物体を覆うことで光を隠すことができる。 精神集中無しで1時間持続し、〈ライト〉の3倍の照明範囲を持つ光を生み出せる。 洞窟や夜闇などを隅々まで照らし出せるので"薄暗い"ことによるデメリットを受けなくなる。 開けた場所では目立つので、光源の外から狙われる危険はあるだろう。 費用対効果は良くないが、現代兵器における照明弾のように、視界を確保するだけでなく信号弾として用いることもできる。 またこの呪文は、3レベル以下の魔法の暗闇を作り出す呪文と効果範囲が一部でも重なったら、即座にその呪文を解呪できる。特に、〈ダークネス〉呪文が発動できなくなる点が有用。 日本語訳では「陽光」だが、ルール上はこの光は日光ではない。(日光である場合は、呪文の説明文中に「日光」と明記されている)したがって、この呪文でドラウやコボルドの目を眩ませたり、ヴァンパイアにダメージを与えることはできない。ただしDMが特別な裁定を行う可能性はある。 〈フェイン・デス〉 死を偽装する呪文。 「状態を確認するような呪文に対しても、死んでいるように見える」ので、ペテンに用いることができそうである。例えば死体になるしか脱出できないような場所から抜け出したり、というような(非常に限られた)シチュエーションにはもってこいの呪文。 また、目標が毒や病気に置かされていたばあい、この呪文によって進行を止めることができる。ただし止まると言っても1時間が限度なので、その間に何らかの対策は必須である。 ただし注意しなければならないのは、呪文を途中で終了させるには、この呪文をかけた術者が直接触れねばならないということだ。今すぐにでも呪文の効果を終了させて自律行動させねばならぬという時に、この呪文をかけた術者が隣にいないと好き放題にされてしまう。 なお、時間さえあれば呪文スロットを消費せずに“儀式発動”が可能。 〈メルド・イントゥ・ストーン〉 8時間、石の中に潜伏する呪文。 あらかじめ敵のアジトに忍び込んでおけば、待ち伏せや盗み聞きのための潜伏手段として利用できる。ただし外の様子を聞き取るための〈知覚〉判定に不利が課される上、信仰系の術者はニガテな【知力】で行わなければならないので要注意。 基本的には儀式で発動することが多いが、逃走時に追っ手を撒くために使う場合は1アクションで急いで使うこともあるだろう。石の中にいることは非魔法的な手段で感知することはできないので安全地帯となる。また、石の中にいても自分を対象とした呪文を使うことは可能であるため、石の中で治療のための呪文を発動することもできる。小休憩や大休憩を取ることも可能かもしれない(DM次第)。 自分自身にしか発動できないので、パーティ全員を隠すことはできない。呪文の発動前や終了直後に単独である可能性が高い呪文であると言える。1人のときに敵と出くわしたり、待ち伏せされた敵に狙われたりしないようにしっかり対策しておきたい。
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初心者おすすめ呪文ダメージを与える〈アイス・ストーム〉 〈ウォール・オヴ・ファイアー〉 〈ブライト〉 自分や味方を支援する(バフ)〈ガーディアン・オヴ・ネイチャー〉XGtE 〈ストーンスキン〉 〈ファイアー・シールド〉TCoE 〈フリーダム・オヴ・ムーヴメント〉 敵を妨害する(デバフ)〈エレメンタル・ベイン〉XGtE 〈グラスピング・ヴァイン〉 〈コンフュージョン〉 〈チャーム・モンスター〉XGtE 〈ドミネイト・ビースト〉 クリーチャーを召喚する/生み出す〈カンジャー・ウッドランド・ビーイングズ〉 〈カンジャー・マイナー・エレメンタルズ〉 〈サモン・エレメンタル〉TCoE 〈ジャイアント・インセクト〉 その他〈ウォータリー・スフィア―〉XGtE 〈コントロール・ウォーター〉 〈ストーン・シェイプ〉 〈ディヴィネーション〉TCoE 〈ハリューサナトリ・テレイン〉 〈ポリモーフ〉 〈ロケート・クリーチャー〉 初心者おすすめ呪文 〈ウォール・オヴ・ファイア〉は多くの敵に大ダメージを与えられる。 〈ポリモーフ〉はセーヴに失敗すれば敵を確実に無力化することができる。 〈カンジャー・ウッドランド・ビーイング〉や〈カンジャー・マイナー・エレメンタル〉は簡単に手数を増やすことができる。選択肢が多くややこしいので、初心者のうちは召喚するクリーチャーの種類はDMに任せてもよいだろう。 ダメージを与える 〈アイス・ストーム〉 円柱の範囲内に、2d8の[殴打]ダメージと4d6の[冷気]ダメージを与える呪文。 また、呪文を発動した術者の次のターン終了時まで、効果範囲内が移動困難地形になる。 ダメージはあまり高くないが、ドルイドは範囲攻撃が少ないため、選択肢の一つとして採用することがある。また、ダメージ種別が2種類あるため、両方に抵抗や完全耐性を持っていない限りダメージを与えることができる。 射程距離が300フィートと長く、遠くの敵を攻撃することができる。〈カウンタースペル〉(射程60フィート)を気にせず発動できるのは長所。 効果範囲も半径20フィート、高さ40フィートの円筒形と大きい。面制圧だけでなく立体制圧が可能で、地上の敵と空中の敵の両者を目標とすることができる。効果範囲が「角を回り込まない」事は忘れずに。 くわえて、術者の次のターン終了時まで、効果範囲内が移動困難地形になる。敵が近づきにくくなるので、相手にもよるがアウトレンジで一方的に攻撃できる可能性がある。 総合すると、このことから、屋内などの狭隘な地形よりは屋外などの開けた場所での戦闘に向いていると思われる。 〈ウォール・オヴ・ファイアー〉 【精神集中】 巨大な火の壁を作り出す呪文。 壁に入ったクリーチャーは5d8の〔火〕ダメージを受ける。壁の片側10フィート以内、または壁の内側でターンを終了したクリーチャーも同じダメージを受ける。 きわめて優秀なエリア・コントロール。敵軍を簡単に分断することができるため、敵の攻め手を鈍らせたり、敵から逃走するのに使える。 与えられる平均的なダメージは22ポイントと大きいので、単なるダメージ・ソースと割り切ってしまってもよい。 壁の形状は「長さ60フィート、高さ20フィート、厚さ1フィートの直線状」か、「直径20フィート、高さ20フィート、厚さ1フィートの円形」かのどちらかを選ぶことができる。 「直線状」の場合は、広い部屋を横切るように召喚するのが一般的だが、たとえば幅10フィート以内の長い通路に対して並行に召喚して、通路を炎で埋めてしまうこともできる。 「円形」の場合は、敵が一か所に固まっている場合に使える。敵を円形に取り囲んでしまえば、自身のターンで壁を突き抜けない限りは、ターン終了時に同じダメージを受けるため、敵にとっては、一か八か通過する以外に選択肢がない。確実にダメージを与えられるはずだ。 〈ブライト〉 1体のクリーチャーに8d8[死霊]ダメージを与える呪文。 この呪文によって与えられるダメージは平均36ポイントと高いが、目標が1体のみかつ射程も短く、あまりコストパフォーマンスは良くない。 目標が植物クリーチャーならば、セーヴが不利になるうえに最大ダメージとなるが、植物クリーチャーはあまり数が多くないので遭遇する確率は低い。 【耐久力】セーヴである点に注目し、ウィザードやソーサラーなどの耐久力の低いキャラクターに対する攻撃手段として使うというのも考えられる。ただし、呪文使いに対して呪文で攻撃する際には、必ず〈カウンタースペル〉されることを警戒すべし。 自分や味方を支援する(バフ) 〈ガーディアン・オヴ・ネイチャー〉XGtE 【精神集中】 1分間「原始の獣」か「樹木の精」のどちらかに変身する呪文。 ①原始の獣移動速度+10フィート。 120フィートの暗視を得る。 【筋力】に基づく攻撃ロールに有利を得る。 近接武器攻撃は、ヒット時に追加の1d6〔力場〕ダメージを与える。 ②樹木の精10ポイントの一時的HPを獲得する。 【耐久力】セーヴに有利を得る。 【敏捷力】【判断力】に基づく攻撃ロールに有利を得る。 術者の15フィート以内の地面は敵にとって移動困難地形になる。 「原始の獣」は、「自然の化身」と少しだけ相性が良い。たとえば、7レベルの月の円環のドルイドがポーラー・ベアに変身することで、平均13ダメージを与える噛みつき攻撃と、平均15ダメージを与える爪攻撃を、両方とも有利で行うことができる。しかし、この呪文と「自然の化身」を使うとボーナス・アクションとアクションを両方使ってしまうので、1ラウンド目から攻撃を行えない。その上、ダメージを受けて精神集中が切れると、野獣形態では再度呪文を唱えることができない。このように、エンジンが掛かるのが遅いくせにガス欠は早いという、使いこなすのが難しい性質を持つ。なお、18レベルになれば野獣形態のまま呪文が唱えられるのでこれらの問題が若干解決するが、それほど高レベルの戦闘においては野獣クリーチャーではパワー不足になる、という別の問題が生ずる。 「樹木の精」は【判断力】に基づく攻撃ロールに有利を得る。たしかにドルイドの呪文発動能力は【判断力】だが、攻撃ロールを行う呪文が少ないため、利益が少ない。【敏捷力】の攻撃ロールに有利を得られる点に注目し、特技「クロスボウの達人」「射撃の名手」「エルフの正確さ」などを覚えて、弓キャラとして活用するのが良いだろう。しかし、ドルイドは追加攻撃を得られるサブクラスが存在しないため、せっかく有利を得ても、攻撃回数が少なくなりがちなのが欠点。味方に〈ヘイスト〉を掛けてもらうなどのサポートが欲しいところだ。 〈ストーンスキン〉 【精神集中】 持続時間中、非魔法的な〔殴打〕〔斬撃〕〔刺突〕ダメージに対する抵抗を得る。 この呪文を用いるにあたり、次の点に注意する必要がある。 ① 物質要素は100gpの価値のあるダイアモンドの粉末であり、これは呪文によって消費される。:ウォーターディープやバルダーズ・ゲートのような都会ならばいざ知らず、名も無き地方の共同体でこれを入手するのはほとんど不可能と言える。よって、この呪文を使う予定があるならば、事前に複数回分入手しておくことをお勧めする。もっとも、資金に余裕のあるパーティでなければ難しいかもしれないが。 ② 魔法的な[殴打]、[斬撃]、[刺突]ダメージには効果がない。:魔法の武器を持っている相手や、「○○の武器攻撃は魔法的である」と書かれているクリーチャーの攻撃に対しては効果がない。レベルが上がれば上がるほど、こういった手合いは増えてくるので使えるかどうかの判断が難しくなる。この呪文に限った話ではないが、結局は事前にクリーチャーの能力を調べておくことが重要である。例えばデーモンのマリリスの攻撃は魔法的だが、ゴリストロはそうではない。手下を捕まえて締め上げたり、占術呪文を使ったりしてマメに情報を集めよう。 ③ 精神集中を要する。:術者がダメージを受けて精神集中の維持に失敗してしまうと、呪文は終了してしまう。 ウィザード呪文〈ロープ・トリック〉や、〈グローブ・オヴ・インヴァルナラビリティ〉など、術者を守るための工夫が必要になるだろう。 〈ファイアー・シールド〉TCoE 「暖かい盾」または「冷たい盾」のどちらかの効果を得る呪文。暖かい盾は〔冷気〕ダメージ、冷たい盾は〔火〕対する抵抗を得る。 5フィート以内で近接攻撃によるヒットを受けるたび、攻撃者は2d6のダメージを受ける。暖かい盾の場合は〔火〕ダメージ、冷たい盾の場合は〔冷気〕ダメージを受ける。 持続時間が10分と長い上に精神集中を必要としないので、これから戦う相手が分かっているなら、戦闘前にかけておくことも可能。たとえば、レッド・ドラゴンと戦う時には“冷たい盾”、ホワイト・ドラゴンと戦う時には“暖かい盾”を選択する、という具合である。 5フィート以内で近接攻撃を受け、なおかつその攻撃が命中したならば、攻撃者に2d8の〔火〕或いは〔冷気〕ダメージを与える。しかしながら防御面に不安があるウィザードが、ダメージを与える目的でこの呪文を使うのはあまりお勧めできない。あくまでダメージを受けた時の保険と割り切るべきだろう。 〈フリーダム・オヴ・ムーヴメント〉 3つの有益な効果を与える呪文。 ①移動速度を低下させる効果を受けない。 ②麻痺や拘束状態にならない。 ③非魔法の拘束から脱出できる。 ①の効果について:移動困難地形を無視できるのはメリットだが、それだけのために4レベルスロットを消費するのはもったいない。こちらが積極的に移動困難地形を生み出す魔法等を利用することで引き撃ちや離脱を有利に進める等の場面が考えられるが、対象が1体のみというのがネックであり、使い方を考える必要がある。 ②の効果について:麻痺や拘束は致命的な状態であり、かつ〈ウェブ〉や〈ホールド・パースン〉等低レベル域のマジックユーザーが使う呪文でも発生する状態異常である。ただし麻痺状態の場合には自分は無力状態なので、他人に使うタイミングが多いだろう。 ③の効果について:非魔法の拘束とは、枷、縄、手錠、つかんでいるクリーチャーなどである。つかんでくるクリーチャーは「つかんでから次のターンで毒を注入する」とか「つかんでから次のターン脳みそを食べる」とか、大技の前につかんでくることが多いので、後出しでこの呪文を使っても間に合うのである。いっぽう、枷や縄から抜けられる効果については、この呪文の構成要素が音声、動作、物質の3要素全てを要するため、君が猿ぐつわを嵌められていたり、両腕を縛られていたり、焦点具や構成要素ポーチを奪われていると使えない。自分が助かるというより、味方を助けるために使うことになるだろう。 以上をまとめると、無駄になるのを覚悟で保険として運用するか、敵の作戦や能力、地形などが予めわかっているときに使うイメージである。 敵を妨害する(デバフ) 〈エレメンタル・ベイン〉XGtE 【精神集中】 クリーチャー1体は〔酸〕〔電撃〕〔火〕〔雷鳴〕〔冷気〕のうち1種類に弱くなる。 目標はその種別に対する抵抗がなくなり、ターン中はじめてその種別のダメージを受けるとき、追加で2d6ダメージを受ける。 〔火〕に抵抗を持つデーモン、デヴィル、ユーゴロスには有効な手段である……と言いたいところだが、これらは往々にして魔法抵抗の特徴を有しており、【耐久力】も高め、さらに完全耐性を持っている場合はこの呪文では対応できないため、有効とは言い難い。 有効であると思われるのは【耐久力】が低く、かつ〔火〕や〔冷気〕に抵抗を持つ、アンデッドや非実体系のクリーチャーなどである。 なお、「ターン中はじめて」という文言が「目標の各ターン」という意味なのか、それとも「すべてのクリーチャーの各ターン」という意味なのかはDMの判断による。「目標の各ターン」と解釈する場合:ダメージを与えられるタイミングがかなり限られる。例えば、敵クリーチャーが〔火〕についてこの呪文の作用を受けた後、その後の味方のターンで〔火〕ダメージを与える攻撃を行っても追加ダメージは発生しない(抵抗は無視されるが)。敵クリーチャーがターンを開始した直後に、待機していた攻撃をトリガーした場合などにのみ追加ダメージが適用されることになる。 「すべてのクリーチャーの各ターン」と解釈する場合:こちらの解釈では、パーティ全員のダメージ種別を統一することで、各クリーチャーのターンにおいて追加のダメージを与えることができることになる。例えば4人パーティなら1ラウンドに最大で8d6ダメージを与えることができる。ウィザードやソーサラーなどの秘術系は与えられるダメージ種別の自由度が高いので、秘術系のクラスが多いパーティならば選択肢に入る。種別は〔火〕で揃えるのがもっとも簡単か。 〈グラスピング・ヴァイン〉 【精神集中】 蔓を召喚して30フィート以内のクリーチャー1体を引き寄せる。 この引き寄せは、発動時および持続時間中のボーナス・アクションにおいて行える。 4レベル呪文の割に、効果は「クリーチャーを20フィート引き寄せる」だけなので、かなり頼りない。 高台の上、川の対岸、崖の向こう側などから、敵が遠隔攻撃してくる場合、この蔓を使って崖下や水中に引きずり落とすことができる。 また、公式デザイナーのTwitterでの回答(ジェレミー・クロフォード/マイク・ミアルス)は、(厳密なルール運用ではないことを認めつつ)クリーチャーが意図的にセーヴィング・スローに失敗することを許容している。その場合、敵クリーチャーにつかまれて死にかけている味方を引き寄せてから、アクションで回復するのに使うこともできるし、20フィートまでの高低差を昇降できるエレベーターとして使うこともできるだろう。 いずれにしても、かなり限定的な状況でのみ役に立つ呪文なので、準備する際は慎重に。 〈コンフュージョン〉 【精神集中】 範囲内のクリーチャーを混乱状態にする。 混乱状態になると、ターン開始時に1d10をロールし、その結果に従ってランダムな行動をとる。 複数の敵を無力化できるという点でとても強力な効果。 敵の厄介な特殊能力を封じたり、【判断力】の低いパワータイプのクリーチャーを同士討ちさせる際に役立つ。 なお、ドルイド呪文には、他にも複数を無力化できる呪文がいくつかあるので、戦況によって撃ちわけよう。 〈エンタングル〉(1レベル):範囲内のクリーチャーを拘束状態にする。拘束は混乱より制圧力が弱いが、解除するのにアクションが必要な点が強み。また、1レベル呪文なので気軽に唱えることができる。 〈スパイク・グロウス〉(2レベル):範囲内にトゲを生やす。状態異常を与えるわけではないが移動を制限する。近接攻撃手段しか持たない相手ならば〈コンフュージョン〉を使うまでもなくこちらで用が足りる。 〈ホールド・パースン〉(2レベル):目標を麻痺状態にする。状況次第だが、麻痺は混乱よりも強力。高レベルスロットで発動した場合、目標がお互いに30フィート以内にいれば、複数を目標にすることもできる。ただし人型生物にしか効果がない。 〈チャーム・モンスター〉XGtE クリーチャー1体を魅了する呪文。 戦闘中なら、そのセーヴは有利になる。 戦闘中に使うとセーヴに有利を得られてしまうので、戦闘外での交渉や取引に使うことになるだろう。ダンジョン内を偵察させたり手引きさせたり情報を吐かせたり、使い方は非常に多彩。 ただし、1体しか目標にできないところが欠点である。例えば、手下をたくさん引き連れたボスに対して、君たちが怪しげな呪文を唱えたとたん、ボスがコロッと意見を変えたとしよう。手下からすればボスが魅了されたのが丸わかりである。 ボスが1人でいるところに秘密裡に交渉を持ちかけるか、ボスにだけ聞こえるように呪文を耳打ちするとか、ロールプレイ上の工夫が必要になってくるところだ。 なお、術者が目標を見る必要があるが、目標が術者を見ている必要はないので、隠密や不可視化によってこっそり忍び寄ってこの呪文をかけ、成功すれば姿を現して交渉、失敗したら逃走するというのも戦法としてはありだろう。 〈ドミネイト・ビースト〉 【精神集中】 野獣1体の精神を支配できる。(その野獣が君と戦闘中なら、セーヴは有利になる。) 君はアクションを使わずに簡単な命令を下すことができ、アクションを使えば詳細な命令を下すことができる。 支配することは最も強力なデバフである。また、野獣の【判断力】は大抵低いため、呪文は成功しやすい。 しかし、この呪文を覚える7レベル帯で野獣クリーチャーが登場することは少ない。 したがって、偶然敵として出てくるのを期待するのではなく、こちらから積極的に探しに行くか、冒険の前に捕まえておこう。 この呪文は4レベルで唱えると1分しか持続しないが、6レベルならば1時間、7レベルならば8時間持続するため、必要に応じてずっと従えておくことができる。 野獣クリーチャーは、物質界ではウィンター・ウルフ、エレファント、ライノセラスあたりが限界かもしれない。フェイワイルドやビーストランズなら、ジャイアント・エイプ、マンモス、ティラノサウルスとも出会えるだろう。 目的の野獣を探す際は、〈ロケート・アニマルズ・オア・プランツ〉〈コミューン・ウィズ・ネイチャー〉を使うのもよい。 野獣がダメージを受けると呪文が終了する可能性があるので、一緒に戦うというよりは、敵軍に突撃させてあとは放っておくのがよいだろう。 クリーチャーを召喚する/生み出す 〈カンジャー・ウッドランド・ビーイングズ〉 【精神集中】 フェイを召喚する。以下の選択肢の中から脅威度と数を選択する。 脅威度2以下×1体 脅威度1以下×2体 脅威度1/2以下×4体 脅威度1/4以下×8体 クリーチャーを召喚する呪文の1つ。召喚されるフェイはそれほど強くないが、壁や捨て駒として使うには十分。基本的には、弱いクリーチャーをたくさん確保したいときに使う。 なお、フェイの種類をPLが選択できるかは明記されていない。君がDMなら、PCが呪文を唱えた場所によって召喚されるフェイを決定しても面白いだろう。たとえば森で唱えたならスプライトが現れる、水辺で唱えたならシー・ハグが現れるなど。DMが「フェイの種類をPLが選択してもよい」と言った場合や、君がDMで、どのフェイを召喚するか悩んだ場合は、以下を参照のこと(特におすすめのものには★を付記した)}: シー・ハグ×1(MMp232):周囲30フィートのクリーチャーを恐怖状態にする能力、アクションを使って恐怖状態のクリーチャー1体のHPを0にする能力を持つ。運が良ければ敵を一撃必殺で殺すことができる。ただし、恐怖状態の効果も即死効果もセーヴ難易度は11であり、成功するのはそれほど難しくない。この技を決めるには手数を稼ぐことが重要であり、クレリック呪文〈サンクチュアリ〉、ファイターやパラディンの「護衛」、バトル・マスターの「ゴーディング・アタック」など、このハグを守るための手段を考えた方がよいだろう。 ドライアド×2(MMp178):生得呪文として〈エンタングル〉〈グッドベリー〉〈パス・ウィズアウト・トレイス〉などが使える。これらはドルイド自身が使える呪文ではあるが、ドライアド2体に唱えてもらうことで手数が増えるのは利点。また、〈グッドベリー〉についてはドライアド1体につき3回唱えることができるので、合計60個のベリーを作り出すことができる。 ダークリング×4(VGtMp159):死ぬと爆発して周囲のクリーチャーを盲目状態にする。たとえターンが回って来る前に死んだとしても最低限の仕事をしてくれる可能性があるという優秀なクリーチャー。 ピクシー×8(MMp239):生得呪文として〈エンタングル〉〈コンフュージョン〉〈スリープ〉〈ディスペル・マジック〉〈ディテクト・ソウツ〉〈フライ〉〈ポリモーフ〉などの数々の有用な呪文が使える。とくに〈ポリモーフ〉が強力で、1ラウンドに8連続でこの呪文を食らってすべて避けられるクリーチャーはほとんどいないだろう。伝説的クリーチャーの「伝説的抵抗力」を消費させるのにも役立つ。あるいは、味方をジャイアント・エイプなどの強力な野獣クリーチャーに変化させるものよいだろう。また、〈スリープ〉〈ディテクト・ソウツ〉〈フライ〉は本来ドルイドが覚えない呪文であるが、ピクシーを介することで疑似的に唱えることが可能になる。惜しむらくは、彼らのHPが平均1ポイントしかないことであり、死ぬと精神集中呪文の効果は終了してしまう。戦闘中に使うならば、呪文をかけた後〈ロープ・トリック〉や〈グローブ・オヴ・インヴァルナラビリティ〉の中に隠れてもらうなど、彼らを守ってやる手段を考えた方がよいだろう。 ボーグル×8(VGtMp186):自分のいる場所に、相手を伏せ状態にする「つるつる油」か、拘束状態にする「ねばねば油」を召喚することができる。相手の能力値などにもよるが、一般的には「ねばねば油」の方が強力。基本的にはピクシーの方が強力だが、ボーグルの場合は死後も油が残るのが長所。また、30フィート以内を瞬間移動する「次元の裂け目」の能力を持つが、扉や戸口などがないと使えないので、戦闘中に使いこなすのは難しい。内側から鍵のかかった部屋に侵入したり、高すぎて登れない場所に先行してもらう際などに使うとよい。 〈カンジャー・マイナー・エレメンタルズ〉 【精神集中】 エレメンタルを召喚する。以下の選択肢の中から脅威度と数を選択する。 脅威度2以下×1体 脅威度1以下×2体 脅威度1/2以下×4体 脅威度1/4以下×8体 クリーチャーを召喚する呪文の1つ。召喚されるエレメンタルはそれほど強くないが、壁や捨て駒として使うには十分。基本的には、弱いクリーチャーをたくさん確保したいときに使う。 なお、エレメンタルの種類をPLが選択できるかは明記されていない。君がDMなら、PCが呪文を唱えた場所によって召喚するエレメンタルを決定しても面白いだろう。たとえば火山で唱えたならマグマ・メフィットが現れる、沼地で唱えたならマッド・メフィットが現れるなど。DMが「エレメンタルの種類をPLが選択してもよい」と言った場合や、君がDMで、どのエレメンタルを召喚するか悩んだ場合は、以下を参照のこと: アイス・メフィット×4:生得呪文として〈フォッグ・クラウド〉を発動できる。強敵から逃げたい場合や、敵の大軍をかく乱するとき役立つだろう。また、死ぬと爆発してダメージを与えるので、捨て駒としても優秀。 ダスト・メフィット×4:生得呪文として〈スリープ〉を発動できる。HPの低い相手への攻め手の一つとして使えるだろう。また、死ぬと爆発して周囲のクリーチャーを盲目状態にする。たとえターンが回って来る前に死んだとしても最低限の仕事をしてくれる可能性があるという、非常に優秀なクリーチャー。 マグマ・メフィット×4:生得呪文として〈ヒート・メタル〉を発動できる。金属鎧を着ている相手への攻撃手段として使えるだろう。アイス・メフィットと同じく、死ぬと爆発してダメージを与える。 マッド・メフィット×8:相手を拘束状態にするブレスを吐くことができる。また、死んだ場合も爆発して相手を拘束状態にする。セーヴ難易度は11と低いが、8体のブレスと爆発をすべて避けるのは非常に難しいだろう。絶対拘束状態にするという鋼の意思を感じる。ドルイドの場合、〈エンタングル〉よりも確実性の高い拘束手段として重宝するはずだ。 〈サモン・エレメンタル〉TCoE 【精神集中】 1体の「エレメンタルの霊」を召喚する。 霊は、君のターンの直後に行動する。 召喚したエレメンタルは「不定形」の能力を持ち狭い隙間を通り抜けられる。 単に手数が欲しいならば〈カンジャー・アニマルズ〉か〈カンジャー・ウッドランド・ビーイングズ〉を勧める。 ファイアーなら〔火〕と〔毒〕、ウォーターなら〔酸〕というように、特定のダメージ種別や状態に耐性を持つので、敵がどんな攻撃をしてくるか事前に分かっているなら、 メタとして役立つ。 〈ジャイアント・インセクト〉 【精神集中】 虫を巨大化する呪文。以下の中から選択する ジャイアント・センチピード10体 ジャイアント・ワスプ5体 ジャイアント・スパイダー3体 ジャイアント・スコーピオン1体 状況にもよるが、最もおすすめなのはジャイアント・スパイダー。「蜘蛛糸」の能力で敵を"拘束"状態にすることができる。拘束状態にしたいだけなら、〈カンジャー・マイナー・エレメンタル〉や〈カンジャー・ウッドランド・ビーイングズ〉でも似たようなことができるが、それらの呪文が、DMによっては召喚するクリーチャーの種類を選べないのに対し、〈ジャイアント・インセクト〉の場合は、どの虫を巨大化するか選べる点が強み。 センチピード、ワスプ、スパイダーについては飛行や登攀移動ができるので、高低差のある地形の戦いに有利。 元となる虫は忘れずに用意しておこう。 その他 〈ウォータリー・スフィア―〉XGtE 【精神集中】 半径5フィートの水の球体を召喚する。 中型なら4体、大型なら1体のクリーチャーを閉じ込めて、アクションで30フィートまで移動させることができる。 30フィートもの距離を、任意の方向に移動させることができる呪文は他に類を見ないが、呪文の発動と、相手の移動で2アクションを費やすため、時間がかかりすぎる。 敵を拘束したいなら〈エンタングル〉がある。移動はできないが効果範囲が広く、しかも1レベル呪文である。敵を移動させたいなら〈サンダーウェイヴ〉〈ガスト・オヴ・ウィンド〉〈グラスピング・ヴァイン〉などがある。これらは移動距離が短く方向も制限があるが、即効性がある。 従って、この呪文が使われることはまれだが、活用したいなら、例えばこんな時に使ってみよう:〈エンタングル〉が当たらない、飛行・浮遊クリーチャーを捕らえる。 4人パーティで、全員を浮遊させる。(罠を避けたり、川を渡ったりする) 火の攻撃を行う相手と戦う時、自身のターンで飛び込んで、〔火〕ダメージを軽減する。 また、もし君がDMで、この呪文が弱すぎると感じるなら、水の球に捕われている間、目標は音声要素を含む呪文を唱えることができないことにしてもよいだろう。「水中にいると呪文が唱えられない」とは明記されていないが、リアリティのある設定ではあるだろう。 〈コントロール・ウォーター〉 【精神集中】 水を操る。 「渦巻」「増水」「水を割る」「流れを変える」の4つのオプションがあり、アクションで切り替えることができる。 どの効果も周囲に水がないと使えないので、水上、あるいは水中に行く場合に準備することになる。 ①渦巻:50フィート四方かつ水深25フィートの範囲に渦巻を作り出す効果。ダメージは2d8と低めだが、敵をピン留めすることができる。渦から離れるためにはアクションを使って〈運動〉判定を行う必要があるため、少なくとも1ターンは攻撃の手を止めることができるし、もし相手が判定に失敗し続けるなら、遠隔攻撃で一方的に攻撃することも可能である。 ②増水:周囲の水を20フィート上昇させるか、20フィートの津波を作り出す効果。浅瀬で戦っているとき、〈ウォーター・ウォーク〉を味方にかけておけば、敵軍だけを水没させることができる。また、船上で戦っているなら、津波を起こして、船を25%の確率で転覆させることができる。 ③水を割る:ただ川や海を渡りたいだけなら、クレリック呪文の〈ウォーター・ウォーク〉で用が足りるが、パーティにクレリックがいないならこの呪文を使うこともあるだろう。また、水中にいることで何らかの地の利を得ている敵からその利点を奪ったり、水中に逃げた敵を追いかけるのに使うこともできる。もちろん、迫害されたユダヤ人をエジプトから連れ出すのにも使える。 ④流れを変える:ロールプレイ向きの効果。川を逆流させて船を上流に流したり、船の進みを早めたり、逆に敵の乗っている船を意図しない方向に流すのに使える。冒険者がよく行う少人数同士の戦闘で役立つことはあまりないだろうが、大規模な海戦などで使えるだろう。文字通り、戦場の流れを変えることができる。 〈ストーン・シェイプ〉 石を変形させる呪文。 ダンジョンの構造を無視して新しい通路を開通することができる。 ただし、ダンジョンによっては「〈ストーン・シェイプ〉や〈パスウォール〉無効」のものもある。(頭をひねって考えたダンジョンのギミックを無視されてはたまらないというシナリオライターの抵抗である) 戦闘で使うことはめったにないが、DMが許可するなら、落石やがけ崩れを引き起こして攻撃に用いることができるかもしれない。 〈ディヴィネーション〉TCoE 7日以内の出来事について信仰する神に伺いを立てる呪文。 〈オーギュリィ〉が24時間以内かつ吉凶でしか答えがわからないのに対して、この呪文は7日間のことを占える上に、ある程度具体的なアドバイスを受けることができる。 TRPGにおいては、PLが(悪気なく)DMの想定外の行動をすることがよくあるので、DMにとっても大変ありがたい呪文である。君がDMなら、例えばこんな助言を与えてあげよう。PCたちが次にどこに行くべきかわからないとき、目的地を示す。 謎解きが解けなくて困っているとき、ヒントを与える。 黒幕の正体について誤った推理をしているとき、訂正する。 〈ハリューサナトリ・テレイン〉 150フィート立方の範囲に、沼地、森、山など、地形の幻影を作り出す呪文。 もっぱら大規模な戦闘で役立つ。こちらにやってくる敵の部隊を道に迷わせたり、味方の部隊を密林の中に隠すことができる。 また、洞窟に籠城している時、本物の入り口を隠して偽物の入り口を作ったり、通路を幻の岩壁で覆い隠すことができる。 少人数同士の戦闘ならもっと小規模な幻術で事足りると思うので、いつでも使える呪文というわけではない。状況を見て準備しよう。 〈ポリモーフ〉 【精神集中】 クリーチャー1体を、持続時間中野獣に変えてしまう。 野獣形態のHPが0になるか、術者の精神集中が解けると、元に戻る。 主に「敵を無力化する」用途と、「味方を強化する」用途の2種類があるが、前者の目的で使われることが多い。 敵を無力化する:モンスター・マニュアルで最弱のクリーチャーはクラブ(カニ)やフロッグ(カエル)など。基本的にはこれらのクリーチャーに変化させてしまうのがよいだろう。DMの判断次第では、ナメクジやダンゴムシなど、もっと非力な生き物に変身させることも許されるかもしれない。ただし、HPが0になれば元の姿に戻るので、殺すことはできない。呪文が成功したら、さっさと逃走するか、ほかの敵の相手をしよう。〈フライ〉や鳥のファミリアを使って上空に持ち上げて落下させたり、瓶詰めにして海に投げ捨ててしまってもよい。 味方を強化する:おすすめ野獣は以下のとおり。ジャイアント・バジャー(脅威度1/4):穴掘り移動が可能。洞窟の中で閉じ込められた時や、下が土で出来た建物に侵入するときなどに。 ジャイアント・イーグル(脅威度1):飛行することができる。大型クリーチャーなので、中型サイズの味方を掴んで飛ぶことも可能。パーティの誰も〈フライ〉を持っていないときなどに有用。 ジャイアント・エイプ(脅威度7):近接戦闘の能力、登攀移動速度などを持つ。また、HPが157ポイントもあるので、緊急的に大量のHPを確保したいときにも使える。また、【耐久力】修正値が+4もあるので精神集中が解けにくく、君自身が変身して戦うのにも向く。なお、使うには変身させる相手が7レベル以上である必要がある。 ティラノサウルス・レックス(脅威度8):ポリモーフで変身できる野獣の中で最強のクリーチャー。また、【耐久力】修正値が+4もあるので精神集中が解けにくく、君自身が変身して戦うのにも向く。なお、使うには変身させる相手が8レベル以上である必要がある。 また、明記はされていないものの、君がDMなら「術者が見たことがある野獣クリーチャーしか選ぶことができない」ことにしてもよいだろう。(見たこともない動物に変身させることができるというのは、いかにも不自然である)また、精神的なステータス(【知力】【判断力】【魅力】)も含めて変化するため、【知力】の低い野獣に変身した場合、DMが「変身している間は戦略的に行動することができない」と判断する可能性がある。 〈ロケート・クリーチャー〉 【精神集中】 術者が知っているクリーチャーが、どこにいるのか探す。 もっぱら逃げる敵を追いかけるために使うが、範囲が1,000フィートしかないので、敵の方が足が速い場合は逃げられてしまう。 また、流水があると呪文が阻まれてしまうので、船に乗って逃げられると終わりである。 人数分の馬を買っておく(または召喚する)、すぐに乗れる船を手配しておく(または〈ウォーター・ウォーク〉を唱える)、「カーペット・オヴ・フライング」に乗るなど、確実な追跡手段を用意しておこう。
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おすすめ呪文ダメージを与える〈アニメイト・オブジェクツ〉 〈イモレーション〉XGtE 〈エナヴェイション〉XGtE 〈クラウドキル〉 〈コーン・オヴ・コールド〉 〈シナプティック・スタティック〉XGtE 〈スチール・ウィンド・ストライク〉XGtE 〈ドーン〉 〈ネガティヴ・エナジー・フラッド〉XGtE 自分や味方を支援する(バフ)〈スキル・エンパワーメント〉XGtE 〈ファー・ステップ〉XGtE 敵を妨害する(デバフ)〈ウォール・オヴ・ストーン〉 〈ウォール・オヴ・フォース〉 〈ウォール・オヴ・ライト〉XGtE 〈ギアス〉 〈コントロール・ウィンズ〉XGtE 〈ドミネイト・パースン〉 〈トランスミュート・ロック〉XGtE 〈ホールド・モンスター〉 クリーチャーを召喚する/生み出す〈インファーナル・コーリング〉XGtE 〈カンジャー・エレメンタル〉 〈サモン・ドラコニック・スピリット〉FToD 〈ダンス・マカブル〉XGtE 〈ビグビーズ・ハンド〉 その他〈クリエイション〉 〈コンタクト・アザー・プレイン〉 〈スクライング〉 〈シーミング〉 〈テレキネシス〉 〈テレポーテーション・サークル〉 〈ドリーム〉 〈パスウォール〉 〈プレイナー・バインディング〉 〈ミスリード〉 〈モディファイ・メモリー〉 〈レアリーズ・テレパシック・ボンド〉 〈レジェンド・ローア〉 おすすめ呪文 〈アニメイト・オブジェクツ〉はぶつける物体さえあれば大きなダメージを与えられる。 〈ホールド・モンスター〉はどんなクリーチャーにも効くデバフ呪文。 〈テレポーテーション・サークル〉は、知っている魔法円へ瞬間移動できる。アドベンチャーから「移動時間」という概念を消し去る強力な呪文だ。 ダメージを与える 〈アニメイト・オブジェクツ〉 【精神集中】 1分間、10個までの物体を操る。 超小型と小型は1個、中型は2個、大型は4個、超大型は8個としてカウントする。巨大なものは操れない。物体のサイズによって、HP、AC、攻撃ボーナス、ダメージは異なる。 様々な使い方があるが、持続時間が1分しかないため、あまり複雑なことをやる余裕がない。敵にぶつけてダメージを与えるために使われることが多い。 どの物体が役立つかは状況によるが、多くの場合「小型10個」が強い。ぐるりと敵を囲んでしまえば、中型までのクリーチャーの移動を制限することができるし、すべて攻撃させれれば1d8+2(平均6.5)ダメージを10回与えられる。(※全弾命中した場合の話。現実的には30ポイント前後のダメージを想定するとよい) 大型や超大型の物体を操る場合は、遮蔽を提供したり、大型以上のクリーチャーの移動を妨害するバリケードとして使うとよい。 また、DMが許可するなら、「錬金術師の火」「一般的な毒」「酸」「聖水」などを10個用意して一気にぶつければ、大ダメージを与えられる。たとえば「酸」なら1d4+4+2d6(平均13.5)ダメージを与える攻撃を10回行える。 〈イモレーション〉XGtE 【精神集中】 1体のクリーチャーに8d6の〔火〕ダメージを与える。 そのクリーチャーは体が燃え始め、ターン終了ごとのセーヴに成功しない限り4d6の〔火〕ダメージを受け続ける。 この火は非魔法的な手段では消せない。火のダメージで死亡した場合、灰になって消滅する。 最初のダメージの平均値は28ポイント。その後平均14ポイント与え続ける。ダメージはそこそこだが、対象が1体のみなので5レベル呪文としてはコストパフォーマンスが悪い。 拘束状態なら【敏捷力】セーヴに不利、麻痺、朦朧状態なら必ず失敗するため、相性が良い。モンクの「朦朧撃」などと合わせるとよいだろう。 「この火は非魔法的な手段では消せない」とあるが、ではどんな魔法なら消せるのかは明記されていない。参考までに、「火を消す」と明記されている呪文を以下に列挙してみた(が、これらの呪文で本当に〈イモレーション〉の火を消せるのかどうかはわからない。)火を操ったり、風や水を発生させる呪文は他にもあるので、DM判断でそれらを用いて消せることにしてもよい。〈クリエイト・オア・デストロイ・ウォーター〉 〈パイロテクニクス〉 〈スリート・ストーム〉 〈タイダル・ウェイヴ〉 この呪文で殺したクリーチャーは灰になる。一度倒した敵がアンデッド化して復活するのを防げるが、わざわざこの呪文で灰にしなくても、死体をバラバラにするとか原型をとどめないほど損壊させればよいという意見もある。 〈エナヴェイション〉XGtE 【精神集中】 1体のクリーチャーに4d8の〔死霊〕ダメージを与える。 持続時間中、アクションを使って同じダメージを与え続けることができる。 〈ウィッチ・ボルト〉と同じ問題を抱えている。1ラウンドで平均18ポイントのダメージしか出せないので、十分な量のダメージを出すのに時間がかかりすぎる。 維持できるほど強い呪文ではあるが、射程外に逃げたり完全遮蔽に隠れるだけで呪文が終了するので、維持が難しい。 〈クラウドキル〉 【精神集中】 毒の雲を作り出し、範囲内に入ったりターンを開始したクリーチャーに5d8の〔毒〕ダメージを与える。 毒雲は"重度の隠蔽"を作り出し、毎ターン10フィートずつ君から遠ざかる。 ダメージの平均値は22.5ポイントとそこそこ。数ターンにわたって何度もダメージを与えてこそ輝く呪文だが、毒雲は毎ターン勝手に流れていくため、敵にとっては範囲外に出ることは容易い。こちらとしては、何とか敵を雲の中に閉じ込める工夫をしたいところ。 ① 閉所で発動し、出口を塞ぐ:もっとも一般的な作戦。敵をガス室に閉じ込め、じわじわと死に至らしめよう。ただし、出口がたくさんある部屋ではそこから逃げられるし、窓や裂け目がある場合もガスがそこから逃げてしまう。出口を押さえつけて開かなくする、扉や窓に〈アーケイン・ロック〉を掛けるなどの事前準備が必要。 ② 呪文の壁で閉じ込める:味方に〈ウォール・オヴ・フォース〉、〈ウォール・オヴ・アイス〉、〈フォースケイジ〉などを待機してもらい、君がこの呪文を唱えると同時に発動させよう。 ③ 毎ターン範囲内に引きずりこむ:〈ビグビーズ・ハンド〉を使って敵を毎ターン範囲内に引きずりこんでやろう。また、ほとんどのデヴィルは〔毒〕ダメージに完全耐性を持つため、、〈プレイナー・バインディング〉や〈インファーナル・コーリング〉で従えて、敵を範囲内に引きずり込むように命令しよう。ただし、上記の呪文はすべて精神集中を要するためウィザードが2人必要になる。もし、クロックワークやシールド・ガーディアンなどの人造クリーチャーが手に入ったならば、それらは〔毒〕に完全耐性を持つため、同じことができる。 〈コーン・オヴ・コールド〉 円錐形に冷気を放ち、8d8の〔冷気〕ダメージを与える呪文。 この呪文によって殺されたクリーチャーは氷の彫像になる。 ダメージの平均値は36ポイントで、5レベルの範囲攻撃の中では最も高いが、〈ファイアーボール〉や〈ライトニング・ボルト〉を5レベルで発動した際の平均ダメージ(35ポイント)とほぼ変わらない。 範囲は60フィート円錐形なので、球形の〈ファイアーボール〉と比べると、多数を巻き込むのが難しい。長い直線状の戦場なら有用だろう。 ダメージ種別は〔冷気〕。〔火〕や〔電撃〕と違って周囲の物体を破壊する心配がない。物体を破壊せず命だけを奪う範囲攻撃は、他に〈シックニング・レイディアンス〉や〈クラウドキル〉があるが、どちらも持続系の呪文なので、ターンあたりのダメージは小さい。一発の威力では〈コーン・オヴ・コールド〉が勝る。 この呪文によって殺された相手は氷の彫像になって、1/2遮蔽を提供してくれる。これは相手の遠隔攻撃をかわすのに有用だが、味方に遠隔攻撃を行うキャラクターがいるならかえって邪魔になることもある。 この呪文を覚えたPCが、交渉が決裂した時などに「話し合いは終わりだ。もの言わぬ氷の彫像と化すがよい!」などと言い放つとカッコいい。「うるせえ、死ね!」と言うよりは、多少趣がある。 〈シナプティック・スタティック〉XGtE 範囲内のクリーチャーに8d6の〔精神〕ダメージを与える呪文。 その後1分間攻撃ロール、能力判定、精神集中を維持するための【耐久力】セーヴにd6のペナルティを与える。 ダメージは3レベルの〈ファイアーボール〉と同じだが、追加効果がある。 1d6のペナルティはセーヴィング・スローにはかからない点には注意。 〈スチール・ウィンド・ストライク〉XGtE 射程内の5体までの目標に近接呪文攻撃を行い、ヒットしたなら6d10の〔力場〕ダメージを与える。 攻撃後、目標のうちの1体の隣に瞬間移動する。 ダメージは低めだが、5体まで選択して攻撃できるのが強み。乱戦状態で敵味方が入り混じっていると範囲攻撃は撃ちにくいので、こちらの呪文にお呼びがかかる。 また、攻撃後は瞬間移動できるため、城壁の上や崖の向こう側に移動したり、牢屋に閉じ込められているときに看守を殺害しつつ脱獄できる。 ただし、敵に隣接して現れるのがウィザードとしてはいただけない。ブレードシンガーなどの近接系向けの呪文。 〈ドーン〉 【精神集中】 円柱形の光が降り注ぎ、呪文の発動時および、範囲内でターンを終了した場合に4d10の〔光輝〕ダメージを与える。 平均22ポイントのダメージを与える。ダメージ種別は抵抗されにくく優秀。 ただし、ダメージの発生するタイミングが難しい。「呪文の発動時」はともかく「範囲内でターンを終了した場合」は、自身のターンにおいて範囲外に移動するだけでダメージを回避することができる。身動きできないほど狭い場所で発動する、移動を封じる状態異常にする、移動することで何らかの不利益が発生する状況を作り出すなどの工夫が必要となる。 〈ネガティヴ・エナジー・フラッド〉XGtE 1体のクリーチャーに5d12の〔死霊〕ダメージを与え、殺したならば次のターンの開始時にアンデッドとして蘇らせる。 アンデッドは一番近くにいるクリーチャーを攻撃する。 目標がアンデッドなら、ダメージの代わりに5d12の一時的HPを与える。 ダメージを与えつつ、もし殺せたら手勢を増やすことができる。〈ダンス・マカブル〉を戦闘用に調整した効果と言えるかもしれない。〈ダンス・マカブル〉との違いは以下の通り。 呪文名 〈ダンス・マカブル〉 〈ネガティヴ・エナジー・フラッド〉 持続時間 精神集中、最大1時間 瞬間 目標 死体5体まで クリーチャー1体 アンデッド化するタイミング 発動時 目標を殺した、次のターン アンデッドの制御 できる できない 自分や味方を支援する(バフ) 〈スキル・エンパワーメント〉XGtE 【精神集中】 同意するクリーチャー1体の技能1つについての習熟ボーナスを2倍にする。 この呪文の習得時点では9レベルのため、その時点で習熟ボーナスは+4。「任意の技能の成功率を+4する」と考えてよいだろう。 シチュエーション上、絶対に失敗できない場面はある。シナリオボスを不意打ちするための【敏捷力】〈隠密〉判定や、〈インファーナル・コーリング〉で喚んだデヴィルに言うことをきかせる判定などで使おう。 〈ファー・ステップ〉XGtE 【精神集中】 持続時間中、ボーナス・アクションを用いて30フィートまでの瞬間移動を行える。 基本的には〈ミスティ・ステップ〉で十分だが、一度の遭遇で何度も瞬間移動を行いたい場合や、〈ミスティ・ステップ〉で届かない距離に移動したい場合は、こちらに軍配が上がる。 たとえば、ブレードシンガーが前線に出て敵を近接攻撃したあと、バーバリアンやパラディンなどの壁役の後ろまで瞬間移動で撤退する、という動きを毎ターン行うことができる。 敵を妨害する(デバフ) 〈ウォール・オヴ・ストーン〉 【精神集中】 巨大な石の壁を出現させる呪文。 厚さ6インチで10フィート四方のパネル10枚か、厚さ3インチで10×20フィートのパネル10枚を選択する。1インチあたりHP30もあるので、3インチではHP90となる。 パネル同士が接続していればよいので、屋根付きの箱型にすることも可能。 ただし、壁が敵を取り囲むように現れる場合、その敵が【敏捷力】セーヴに成功したならば、リアクションを使って移動速度の半分まで移動できる。〈ウォール・オヴ・フォース〉ならばセーヴなしで閉じ込められるうえ、特別な手段以外では突破不可能であるため、敵を閉じ込めたいならそちらを使おう。 いっぽう、この呪文にしかない長所として、呪文が10分持続した場合、壁が永続的な物体となり、解呪されることもない。この効果によって、一夜にして城壁を築いて、迫りくる敵に対して地の利を得ることができる。 〈ウォール・オヴ・フォース〉 【精神集中】 巨大な不可視の壁が現れる。 壁はあらゆる物理的侵入を防ぎ、〈ディスペル・マジック〉で解呪できず、エーテル界経由の侵入も許さない。〈ディスインテグレイト〉だけがこの壁を破壊できる。 非常に強固な防御壁であり、強敵を確実に戦場から隔離できる。 なお、公式デザイナーのTwitterでの回答によると、この壁は呪文も防ぐ。呪文の目標にするためには、術者から目標に向かって「遮るもののない目標までの直線」(PHBp204)を引ける必要があるので(たとえ透明であっても)壁の内から外、または外から内に向かって呪文を唱えることはできない。 例外的に、〈ミスティ・ステップ〉は目標が"自身"であるため、壁を通り抜けて移動することが可能。 〈ウォール・オヴ・ライト〉XGtE 【精神集中】 長さ60フィートの光の壁を出現させる。壁は以下の効果を持つ。 ①:壁は視線を遮るが、物理的には通過できる。 ②:発動時、壁の中にいるクリーチャーは【耐久力】セーヴ。失敗すると4d8〔光輝〕ダメージを受け、盲目状態になる。 ③:壁の中でターンを終了したクリーチャーは4d8の〔光輝〕ダメージを受ける。 ④:壁の長さを10フィート短くし、アクションを使って1体の見える目標に光線を撃つ。ヒットしたなら4d8〔光輝〕ダメージ。 ①の効果について:視線を遮るため、壁の中や向こう側を目標として攻撃ロールを行う場合は不利を受ける。しかしながら目標も攻撃者を見ることができないので、攻撃者の攻撃ロールには有利が適用され、結果として有利と不利で打ち消しとなる。また、「見る」ことが必要な呪文は、この壁の中や反対側を目標とすることはできない。しかしながらこの壁はあくまで「視線を遮る」だけであり、遮蔽を提供するわけではないので、目標を見なくても発動できる呪文、たとえば〈ファイアーボール〉などは問題なく使える。ただし、力術の学派の特徴である「呪文効果範囲操作」は「見る」ことができないので、爆発の効果範囲に味方がいたとしても除外することはできない。 ②の効果について:壁は直線なので、多くを巻き込みにくい。通路など敵が一直線に並んでいる状況であれば有用。 ③の効果について:セーヴなしでダメージが発生するのは強いが、「ターン終了時」のため、自身のターンにおいて移動するだけで簡単にダメージを回避できる。狭くて身動きのとれない場所で発動するか、別途何らかの手段で移動を妨害する必要がある。 ④の効果について:全長60フィートのため6発も撃てる。しかし、アクションを要するため攻撃のテンポは悪い。また、「見えている目標」に攻撃する必要があるが、光の壁が視線を遮るせいで反対側にある者を狙いにくい。 〈ギアス〉 クリーチャー1体を魅了し、30日命令に従わせる呪文。 目標は命令に背くと5d10の〔精神〕ダメージを受ける。 呪文の発動に1分を要するため、敵を魅了してから唱えることになる。 首尾よく魅了出来たら、スパイとして送り込んで情報を横流しにしてもらったり、敵の親玉のワインに毒を盛るように命令しよう。ただし、自殺的な命令には従わない、どの程度が自殺的であるかはDM次第だが、おおむね「結果として自分にダメージが発生する」ような命令は自殺的だと判断されるだろう。たとえば、「高所から飛び降りろ」「あのドラゴンと戦って財宝を奪ってこい」など。 持続時間は5レベルで30日で高レベルで発動すると持続時間が延びる。7レベルなら1年、9レベルなら解呪されるまで永続。しかし、一つのアドベンチャーの中で完結するような命令なら、30日もあれば十分だ。キャンペーン全体、あるいはそれ以降の物語にも影響するような命令を行うとき、7~9レベルのスロットを使うことになるだろう。たとえば「あの悪党を殺すその時まで、俺たちのパーティに同行しろ」とか「お前は二度と盗みや殺しをするな」など。 命令に背くと5d10(平均26.5ポイント)のダメージを受ける。君に魅了されている以上、目標は命令を無視したりはしないだろう。しかし、明らかに自分の正義や信仰に反する命令を受けた場合、家族や友人や、尊敬する人物を裏切るような命令を受けたならば、DMは「彼はこの命令に従うくらいなら死を選ぶ」と判断するかもしれない。また発生するダメージが26.5ポイントであることを考えると、十分なHPを持つクリーチャーならダメージを受けつつ命令を無視することも可能。(高レベルで発動しても、残念ながらダメージは増えない) 〈コントロール・ウィンズ〉XGtE 【精神集中】 100フィートの立方体内の空気を制御する。 以下の中から1つを選択し、持続時間中アクションで切り替えることができる。 ① 突風:範囲内を出入りしたり通過する遠隔武器攻撃は不利になり、逆風方向への移動は倍の移動速度を費やす。 ②下降気流:範囲内の目標に対する遠隔武器攻撃は不利になる。範囲内でターンを開始したクリーチャーは、セーヴ失敗で"伏せ"状態になる。 ③上昇気流:落下ダメージが半分になり、高跳び+10フィート。 ①の効果について:敵を逆風で足止めし、遠隔攻撃に不利を与えれば、こちらは呪文で一方的に攻撃できる。多くの敵を無力化する呪文は他にもあるが、この呪文の長所は、類を見ないほど射程の長さと範囲の広さ。戦争や城の防衛など、大軍での戦闘が予想されるシナリオで役立つだろう。広範囲に移動困難を作り出す呪文といえば〈アイス・ストーム〉があり、こちらは〈コントロール・ウィンズ〉より射程や範囲が狭い代わりにダメージが発生する。想定される戦場の広さや敵の数によって、良い方を選択すること。 ②の効果について:もっぱら、飛行クリーチャーを地面に落とす手段として使うことになるだろう。射程は300フィートもあるのでほぼ確実に落とせる。広範囲の敵を伏せ状態にする呪文と言えば〈スリート・ストーム〉があり、こちらは〈コントロール・ウィンズ〉より射程や範囲が狭い代わりに、"重度の隠蔽"を作り出したり、呪文の精神集中を解く効果がある。想定される戦場の広さや敵の数によって、良い方を選択すること。 ③の効果について:使いどころが少ない。閉鎖された空間で、近接タイプのキャラクターが飛行クリーチャーと戦うときは役立つかもしれないが、閉鎖空間では、この呪文の最大の強みである「範囲の広さ」が活かせない。【筋力】20のキャラクターが〈ジャンプ〉をかけて高跳びを行った場合、34フィートもの距離を跳ぶことができる。だから何だという話だが。 〈ドミネイト・パースン〉 【精神集中】 人型生物1体の精神を支配して操る。 この呪文を成功させ、かつ持続するのは中々難しい。第一に、呪文が成功するには、目標が【判断力】セーヴに失敗しなければならないが、戦闘中に発動した場合はセーヴに有利が付いてしまう。第二に、呪文が成功したとしても、目標がダメージを受けると再度セーヴが発生するし、術者の精神集中が切れても呪文は終了する。(一応、多くのデバフと違って、ターン終了ごとのセーヴはない。)せっかくこの呪文を当てても、早々と解けてしまうとこちらには何の利益もない。 したがって、戦闘が始まらないように上手く敵に取り入って、交渉中にこの呪文を唱えるのが理想的。「敵が突然仲間割れしたのが、心術のせいだとバレていない」という状況が最も望ましい。そこまでいかなくとも、「心術をかけたことはバレているが、術者がどこにいるのかはバレていない」とか、「君が術者だとバレているが、不可視化していたり隠れ身を行っているせいで発見できない」という状況を作っておきたい。うまく暗躍して、敵陣営を内部からズタボロにしてやろう。 持続時間は5レベルで1分、6レベルで10分、7レベルで1時間、8レベルで8時間持続する。突発的に同士討ちさせるだけなら1分で十分だろう。持続時間の長い心術には、〈サジェスチョン〉〈ギアス〉〈モディファイ・メモリー〉などがある。目的に合わせて選択しよう。 〈トランスミュート・ロック〉XGtE 岩を泥に変えたり、泥を岩に変える呪文。 ①岩を泥に:岩の地面を泥にする。範囲内は移動速度が1/4になり、クリーチャーは【筋力】セーヴに失敗すると拘束状態になる。また、天井を崩落させることもできる。下にいるクリーチャーは【敏捷力】セーヴに失敗すると4d8の〔殴打〕ダメージを受ける。 ②泥を岩に:泥の中にいたクリーチャーは【敏捷力】セーヴに失敗すると岩によって拘束状態になる。そのクリーチャー、または近接するクリーチャーは、アクションを使用して難易度20の【筋力】判定に成功するか、岩に25ポイント以上のダメージを与えれば破壊できる。 ①の効果について:地面を泥にする効果が強力で、こちらの命中が有利になるだけでなく【敏捷力】セーヴも不利になるので〈ファイアーボール〉などの呪文も当たりやすくなる。範囲外から一方的に攻撃しよう。また、「移動速度が1/4になる効果」は移動困難地形とは異なるので、両方の効果が重なると移動速度が1/8になる。持続時間が「瞬間」なので、一度発動すればずっと泥のままで、岩に戻ることはない。なお「岩を泥に」する効果なので、「土を泥に」することはできないと思われる。(DM次第。できるなら有用性がハネ上がる。)一方、天井を崩落させる効果のダメージは平均18ポイントであり、5レベル呪文としてはあまりに貧弱。天井が岩なら、たいてい床も岩だろう。前半の効果の方が強力だ。 ②の効果について:地面が砂や泥で出来ている場合しか使えない。①の効果で地面を泥にした後、もう一度唱えることで確実にこの効果を使えるが、移動速度が1/4になる効果がなくなってしまう上、得られる効果も拘束状態に変わりない。(難易度が多少上昇するが。)元々砂地や沼地である戦場で使うとよいだろう。 〈ホールド・モンスター〉 【精神集中】 1体のクリーチャーを麻痺状態にする。 クリーチャー種別問わず麻痺状態にする。麻痺状態は致命的な状態異常であり、「当たれば勝ち」と言っても過言ではない。("麻痺"の効果はPHBp292を参照してほしい) ターン終了毎に【判断力】セーヴで回復できるため、呪文が効いたら速やかにクリティカル・ヒットを当てて倒してしまおう。 クリーチャーを召喚する/生み出す 〈インファーナル・コーリング〉XGtE 【精神集中】 脅威度6以下のデヴィルを召喚する。 ただし、デヴィルに命令するには君の〈威圧/説得/ペテン〉とデヴィルの〈看破〉の対抗判定に勝つ必要がある。 君の精神集中が切れ、かつデヴィルが命令を無視した場合、デヴィルは暴れ出し、しばらく好き勝手に振舞った後地獄に帰る。 まず、デヴィルは前述の対抗判定に成功しないと言うことを聞いてくれない。判定に失敗すると、何も得られないどころか、襲われたり逆に騙されたりする可能性がある。召喚するデヴィルの本名を知っていれば、判定に不利を与えることができる。〈ディテクト・ソウツ〉を使えば心を読んで本名を知ることができるが、精神集中呪文ゆえ〈インファーナル・コーリング〉と同時に発動できない。術者をもう一人用意するか、「ポーション・オヴ・マインドリーディング」を飲もう。〈ディテクト・ソウツ〉が準備できない場合は、〈チャーム・モンスター〉や〈ドミネイト・モンスター〉でも代用可能。いざデヴィルとの交渉に臨むときは出来るだけのバフを貰うこと。〈ガイダンス〉〈ブレス〉〈エンハンス・アビリティ〉「バードの声援」などをフル活用しよう。 〈プレイナー・バインディング〉を使えば、面倒な交渉なしに無理やり従わせることができるうえ、長く従えることができる。詳しくは当該項目を参照。 〈カンジャー・エレメンタル〉 【精神集中】 脅威度5以下のエレメンタルを召喚する。 火、水、土、空気を目標として発動し、何に対して発動したかによって、出てくるエレメンタルが異なる(DMが判断する)。 持続時間中に精神集中が切れた場合は、好き勝手に暴れ出す。 エレメンタルの下僕を召喚する呪文である。召喚に際しては各種のエレメンタルに対応した物質要素を必要とするが、これは呪文焦点具や呪文構成要素ポーチで代用可能である。 ただし、目標として10フィート立方以上の火、水、土、空気が必要である。周囲に火や水があるとは限らないので、土や空気に対して発動することが多いだろう。空気や土に対して唱えた場合、「エア・エレメンタル」か「アース・エレメンタル」が出てくる。DMの判断によっては「アース・エレメンタル」の代わりに「ゾーン」が出てくるかもしれない。ダンジョンの中で「ゾーン」が出てきたらラッキーだ。宝石や金貨を探し当てる能力があるので、斥候として利用しよう。火のエレメンタルを召喚したい場合は事前に草木などを燃やして大きな火を作る必要がある。脅威度5のエレメンタルは「ファイアー・エレメンタル」と「サラマンダー」の二種類があるが、スペックはそれほど変わらない。水のエレメンタルを召喚したい場合は難しい。〈メイルシュトローム〉や〈ツナミ〉を唱えれば大量の水が出現するが、どちらも高レベルの呪文でありコストが重い。おとなしく海や水辺で唱えよう。「ウォーター・エレメンタル」は相手を拘束して窒息させる能力があり、味方が攻撃に有利を得るための手段として有用。 ちなみに、召喚されるエレメンタルは「脅威度5以下」なので、君がDMなら、メフィットなどの弱いエレメンタルを選ぶことも可能であるが、プレイヤーにダイスを投げつけられたくないなら、そんな意地悪はしない方がよい。 呪文の発動には1分を要するため、戦闘中に味方として召喚するのは難しい。ダンジョン突入前に唱えておこう。 精神集中を要するが、精神集中が切れても召喚されたエレメンタルは一時間底に滞在する。このようにして呼ばれたエレメンタルは召喚者やその仲間に対して敵対的であるので、味方増やしたつもりが敵が増えていた、という事態になる可能性がある。安全を期したいなら、敵のいる部屋に突撃させた後、ドアを閉めて逃げよう。この呪文の使用を検討する前に、モンスター・マニュアルの42ページをよく読んでおくことをお勧めする。 〈サモン・ドラコニック・スピリット〉FToD 【精神集中】 1体の「竜の霊」を召喚する。 竜の霊は君と同じイニシアチブ・カウントで行動し、君のターンの直後に自身のターンを行う。 ドラゴンのスペックは悪くないが、5レベルの召喚術の割には手数が少ない。 ウィザードには〈アニメイト・オブジェクト〉がある。単にダメージを与えたいだけならこちらの方がおすすめ。 ただし敵が物理的なダメージに完全耐性を持つなら、〈アニメイト・オブジェクト〉ではダメージを与えられないかもしれない。 このドラゴンのブレス攻撃が必要になるだろう。また、敵が特定のダメージ種別に脆弱性を持つ場合も、 この呪文が役立つだろう。 〈ダンス・マカブル〉XGtE 【精神集中】 5体までの死体をアンデッドにして操る。 それらはゾンビまたはスケルトンになり、その攻撃ロールとダメージロールに、君の呪文発動能力修正値に等しいボーナスを与える。 この呪文は発動のために死体を必要とする。しかし、つねに死体を持ち歩いていると荷物になるし、町に入るたびに大騒ぎになってしまう。腐敗すると匂いもひどそうだ。したがって、戦闘中に唱えてすでに倒した相手を利用するのがよいだろう。しかし、戦闘中に敵を5体も倒したのなら、ほぼ決着がついていると思われる。そこまで有利な状況で、あえて5レベルスロットを費やしてダメ押しをする必要性はあまりない。この呪文が役立つとすれば「大量に死体があって、かつまだ戦闘が続く」場合である。つまり、何十体ものゴブリンやノールが押し寄せてくる状況や、すでに大規模な戦争が起きてそこら中に死体がある場合などだ。また、敵のアジトに突入する場合、門番を殺害してアンデッド化してから内部に送り込むことができる。 生成されるアンデッドはゾンビやスケルトンであり、非常に貧弱。「死霊術の学派」なら、6レベル特徴「アンデッド使い」で多少強化できるものの、それを加味してもあまり強くない。もし君がDMで、この呪文が弱すぎると感じるなら、脅威度の高いクリーチャーは脅威度の高いアンデッドになることにしてもよいだろう。例えば、騎士や剣闘士のような強い戦士はワイトやソードレイスになる、など。クリーチャーのアンデッド版として適切なデータがないなら、オリジナルからHPやACを減らしたり、本来のダメージ種別の代わりに〔死霊〕ダメージを与えることにして、アンデッドっぽいデータ・ブロックを作るのも面白いだろう。なお、本気でやろうとするとモンスター・マニュアルと同じ厚さの「モンスターのアンデッド版マニュアル」を作る羽目になるので、ほどほどに。 クリーチャーを召喚したり作り出す呪文としては、ほかに〈カンジャー・マイナー・エレメンタル〉がある。発動に1分かかるのが欠点ではあるが、最大で8体のクリーチャーを従えることができる。また、特に物質要素を必要としない。〈サモン・グレーター・デーモン〉〈カンジャー・エレメンタル〉は、暴れ出すリスクがある代わりに、〈ダンス・マカブル〉よりもはるかに強力なクリーチャーを従えることができる。戦況、パーティ構成等によってより良いものを選択すること。 〈ビグビーズ・ハンド〉 【精神集中】 巨大な手を召喚し、持続時間中ボーナス・アクションで操ることができる。 以下の4つの効果のうち1つを選択する。 ①握り拳:近接呪文攻撃を行い、ヒットすると4d8の〔力場〕ダメージ。 ②力強き手:対抗判定に勝ったなら目標を押しやる。目標が中型以下なら、この判定は有利。 ③つかみかかる手:対抗判定に勝ったなら、超大型以下のクリーチャー1体をつかむ。目標が中型以下なら、この判定は有利。つかんでいる間、ボーナス・アクションを用いて、目標に2d6+【呪文発動能力】の〔殴打〕ダメージを与える。 ④立ちふさがる手:目標とあなたの間に手が立ちふさがり、1/2遮蔽を提供する。【筋力】26以下のクリーチャーはこの手を通り抜けられない。 "手"はクリーチャーではなく物体だが、手数が増えるという点では同じなのでこのカテゴリに入れた。 ①の効果について:平均ダメージは18ポイント。5レベル呪文としては低めで、この効果目的で唱えることはまれ。 ②の効果について:味方が発動した〈ウォール・オヴ・ファイアー〉や〈クラウドキル〉の中に引きずり込むことができる。また、足場から落としたり海に突き落とすのもよいだろう。他の強制移動系の呪文がセーヴに成功されるとどうしようもないのに対して、この呪文は持続時間中何度でも挑戦できるのが強み。 ③の効果について:相手を動けなくする呪文は他にもあるが、セーヴィングスローに成功されると呪文自体が終了してしまうものが多い。いっぽうこの呪文は、一度脱出されても再度つかみ直すことが可能。ダメージは大したことないので、移動を封じて敵を有害な効果の範囲の中に押しとどめる目的で使おう。 ④の効果について:敵が少数で近接攻撃が得意な場合に役立つだろう。一方で、四方八方から敵が押し寄せてくる場合や、範囲攻撃を行ってくる場合にはあまり役立たない。 その他 〈クリエイション〉 5フィート四方に収まる、非魔法の物質を創造する呪文。 物質は一時的なものであり、一定時間で消えてしまう。 植物は1日、石/クリスタルは12時間、貴金属は1時間、宝石は10分、アダマンティン/ミスラルは1分。 多くの場合、金銀財宝を偽造して哀れな商人を騙すのに使う。(1時間で消えてしまうため、商談は迅速に!) 他にも、抵抗や完全耐性を突破するために、アダマンティンの武器を作るのも良い。ただし、呪文の発動に1分かかるくせに1分で消えるので、戦闘で使うのはまず無理だ。アダマンティンでしか壊せない箱や扉を開けるために使うことになるだろう。 また、単に大きな石を作って通路を塞ぐのも良いだろう。 この呪文の長所は、工夫しだいでさまざまな問題を解決できることである。短所は、個々の問題はもっと低レベルの呪文で解決できることである。 〈コンタクト・アザー・プレイン〉 超次元の存在に5つの質問を投げかけ、YesかNoで答えてもらう呪文。 DMから直接ヒントを得ることができる占術の一つ。黒幕を教えてほしい時、次の目的地がわからないとき、今の自分たちの決断が正しいかどうか占いたいとき、シナリオ中に登場した謎解きについてDMにヒントをもらいたい時などに使おう。ただし、いくつかの欠点がある。 ① セーヴィング・スローに失敗すると一定時間狂気に陥る。:確実に成功できるよう、〈ガイダンス〉〈ブレス〉〈エンハンス・アビリティ〉「バードの声援」などで支援しよう。 ② 「知らない」と言われる可能性がある。:上位存在とはいえ、知らないことは知らない。物質界のすべてのクリーチャーの行動や意図を読めるわけでもないし、未来のことが確実にわかるわけではない。また、別の神格について質問しても分からないことが多いだろう。君がDMなら、PCがこの呪文を使ったときに現れる上位存在の種類と、彼(または彼女)がどこまでのことを知ってるかはあらかじめ決めておこう。〈レジェンド・ローア〉は、特定の人物や物品についてしか占えないが、その代わり「知らない」と言われる心配はない。(意味不明な答えが返ってくる可能性はあるが。)また、クレリック5レベルの〈ディヴィネーション〉なら、1つしか質問できない代わりに、正気を失うリスクがない。 〈スクライング〉 【精神集中】 知っているクリーチャーや場所を盗み見、盗み聞きする。 敵情視察を行ったり、秘密の会議を盗み聞きしたり、お風呂を覗くことができる。 術者が対象とかかわりが深いほど、対象はセーヴに失敗しやすくなる。とくに髪の毛や爪などの体の一部を持っていると、-10のペナルティを与えることができる。対象が寝た後のベッドから髪の毛を盗んだり、家から出たゴミ箱を漁るとよい……が、明らかに倫理に反するので、実際やるかどうかはPCの属性次第だ。より大きな善との板挟みになり葛藤するロールプレイをするのも良いだろう。 はるか遠くから呪文をかけられるため、目標が〈スクライング〉されたことに気付くことはない。キャラクターがこの呪文の対象になった場合、DMはシークレットダイスをロールして、「何かが起きた」と匂わせるのもよいだろう。 味方からこの呪文をかけられた場合は、「故意にセーヴに失敗できる」とあるが、味方が〈スクライング〉されたことに気付くすべはないので、あらかじめ「●時●分に〈スクライング〉するからね」と伝えて置いたり、〈センディング〉などで「今から〈スクライング〉するけど、いいよね?」とアポを取らなければならない。 〈シーミング〉 視界内の任意の数のクリーチャーの外見を変更する。 パーティ全員を変装させて、敵のアジトに潜入できる。〈ディスガイズ・セルフ〉が単独先行を余儀なくされるのに対し、この呪文は全員で行ける。 また、目標とできる数に制限がないため、何百人もの軍隊をまるまる無害な民間人や(敵にとっての)友軍に偽装して、敵軍の不意を突くことができる。 〈テレキネシス〉 【精神集中】 10分間、念動力を得る。クリーチャーを操る効果と物体を操る効果がある。 ①クリーチャー:超大型以下のクリーチャーと【呪文発動能力】と【筋力】で対抗判定を行い、勝ったならば"拘束"状態にしたうえで30フィートまで動かす。以降、アクションを使って上記の判定を行うことで、捕らえ続けることができる。 ②物体:1,000ポンド(=450kg)以下の物体を動かせる。それが他のクリーチャーによって運搬されているなら上記の判定を行う。 ①の効果について:敵を拘束したり動かしたいなら〈ビグビーズ・ハンド〉の方が低コストかつ、ボーナス・アクションで動かせる。 ②の効果について:たとえば、こんな活用がある。飛行する:パーティに〈フライ〉の使い手がいないなら、この呪文で代用できる。パーティ全員の合計体重が1,000ポンド以下なら荷車、絨毯、カヌー、テーブル、ソファーなどにこの呪文を唱えることで、即席の飛行船を作ることが可能。ただし持続時間は10分で、精神集中が解けると落下してしまう。 扉を開ける/閉める:パーティに〈ノック〉や〈アーケイン・ロック〉の使い手がいないなら、この呪文で代用できる。離れた場所から錠前を破壊して扉をこじ開けたり、バリケードを作って扉を塞ぐことができる。 穴を掘る:パーティに〈モールド・アース〉の使い手がいないなら、この呪文で代用できる。寛大なDMなら土を一つの物体として扱ってもよいと言うかもしれない。それが認められなかった場合は、大きなシャベルやスコップ状のものを用意する必要がある。 〈テレポーテーション・サークル〉 術者が知っている"魔法円"へつながるポータルが現れる呪文。ポータルは1ラウンドで消える。 1年の時間と18,000gpの費用を費やせば、永続的な魔法円を作ることもできる。 ドラゴンクエストで言うところのルーラのような効果。発動に1分かかるので、戦闘中に逃走することはできない。 この呪文を使うためには、目的地となる「永続的な魔法円の印形」を知っている必要がある。王宮、大手のギルド、寺院の総本山などには魔法円があるだろうが、おそらく印形は機密情報だろう。君がこの呪文を習得するまでにそれらの組織の信用を得ておく必要があるだろう。 自分で作ることもできるが、1年の時間と18,000gpの費用が掛かる。魔法円があることによって発生する利益は計り知れないだろうから、お金については領主や国王から融資してもらうことが可能かもしれない。「マネーの虎」並みのプレゼンをしよう。いっぽう時間については、冒険の合間に1年以上空いていないとどうにもならない。キャンペーンが終了してから、次のキャンペーンの開始までに作る時間があるかもしれない。 〈ドリーム〉 目標の夢の中に現れて、会話することができる。 目標に悪夢を見せることもできる。その場合、セーヴに失敗すると3d6の〔精神〕ダメージを受け、大休憩の利益を得られない。 味方の夢の中に現れる場合:確実な情報伝達手段として使える。3レベルの〈センディング〉と比較すると、文字数の制限も内容の制限もなく伝えられる。ただし、相手が寝ている必要があるので緊急の連絡には使えない。 敵の夢の中に現れる場合:相手のHPが18ポイント以下なら謎の変死を遂げさせることができる。そうでなくとも、毎日悪夢を見せて大休憩を防ぎ、魔力の回復などを妨害するのには使えるだろう。また、相手の信仰する神格や愛する者の姿で現れてウソの情報や任務を与えるのもよいだろう。(都合よく騙されてくれる可能性は低いが) 〈パスウォール〉 木、漆喰、石の壁に穴をあけて通ることができる呪文。 幅5フィート、高さ8フィート、奥行き20フィート。 壁に穴を開ける呪文と言えば〈ストーン・シェイプ〉がある。ただしあちらは、石造りのものにしか効果がないし、5フィート立方のものにしか効果がないので、壁がそれ以上に厚いと意味がない。一方、この呪文なら3種類のものに穴を開けることができるうえ、20フィートまでの穴を作れる。とはいえ、壁が鉄やアダマンティンで出来ている場合は無力。 〈プレイナー・バインディング〉 エレメンタル、セレスチャル、フィーンド、フェイを呪縛して術者のために働かせる呪文。 相手は【魅力】セーヴを行う。これに成功されると完全な無駄撃ちになるうえ、1,000gpの物質要素も無駄になる。〈ベイン〉などで【魅力】セーヴにペナルティを与え、確実に成功させたい。 発動時間が1時間なので、持続時間が1時間未満の召喚術には使えない。この点、DM次第ではあるものの、次元移動を阻害することで、異次元クリーチャーが帰還するのを防ぐことができるかもしれない。また、1時間以上持続する召喚術の場合でも、その間相手が大人してくれるとは限らない。相手を閉じ込める手段としては〈マジック・サークル〉が最も確実だが、君が召喚の形式にこだわらないなら、密室で召喚し、唯一の出入り口を〈ハロウ〉や〈レオムンズ・タイニィ・ハット〉で塞ぐのもよいだろう。 5レベルで24時間、6レベルで10日、7レベルで30日、8レベルで180日、9レベルで1年持続する。この呪文を発動する時点で「クリーチャーを召喚する」「召喚したクリーチャーを1時間捕まえる」というそれなりの手間をかけているはずであり、それだけ苦労したのだからできるだけ長く従えたいところだ。君の持っている最高レベルのスロットで発動しよう。しかし、そんな長い期間、あごで使われた相手は間違いなく怒り心頭に発するだろうから、奉仕期間が終わった後の身の振り方については考えた方がよい。〈モディファイ・メモリー〉で奉仕期間の記憶を消してしまうとか、〈ギアス〉でもう二度とキャラクターたちにか関りを持たないと誓わせるとか、あるいは、奉仕期間が終わる前に始末してしまうのが最も安全かもしれない。(どっちが悪魔だと言われそうだが。) 〈ミスリード〉 【精神集中】 術者そっくりの幻影を作り出し、自分は不可視化する。 敵地に分身を乗り込ませ、敵と交渉することができる。交渉が決裂して攻撃されても分身なので安全。 あえて敵を挑発して攻撃させ、その能力や攻撃方法を知ることもできる。 〈モディファイ・メモリー〉 【精神集中】 1体のクリーチャーの記憶を改ざんする。 この呪文を使えばどんな悪事を働いても隠蔽できる。君たちのパーティが悪属性のキャラクターばかりなら大喜びだろう。 そうでなくとも、国同士の情報戦が発生する戦争ものや、スパイもののシナリオなどでは常に必要になるだろう。敵軍の工作員に任務の内容を忘れさせたり、ウソの任務を与えたり、指揮官に嘘の記憶を植え付けて敵軍の指揮系統を混乱させることができる。 一方で、単純なダンジョン・アタックだと活躍の機会が少ない。 〈レアリーズ・テレパシック・ボンド〉 味方8体までの精神をテレパシーでつなぐ呪文。 メタ的には、PL同士は同じ卓を囲んでいるため、あるPLが知ったことは、ほかのPLも"なぜか"知ってしまう。しかし、リアリティを考えるなら、以下の状況では意思疎通が難しいはずだ。 あるPCが先行して部屋の中に入った場合、彼が中で何を目撃したのかは、他の者は知ることができない。 〈サイレンス〉や〈ウォーディング・ウィンド〉などの呪文の範囲内にいる者や、野獣に変身したドルイドなどは、会話によって意思疎通を行うことができない。 戦闘中に「お前は次のターン後ろに下がれ」とか「僕は次のターン、あいつを狙って〈ファイアーボール〉を撃つよ」などと会話した場合(相手が君たちの言語を理解できるなら)作戦が敵側に筒抜けになる。 この呪文は、そのような"面倒ごと"を一切省いている。そして君たちが(まるで卓を囲んでいるかのように)意思疎通を行うことに、ゲーム的な正当性を与えてくれる。リアル志向の卓ほど輝く呪文だ。 〈レジェンド・ローア〉 伝説的な人物、場所、アイテムについての情報を得る呪文。 DMから直接ヒントを得られる占術の一つ。〈コミューン〉や〈コンタクト・アザー・プレイン〉と異なり、「知らない」と言われることがない。(意味不明な返答をされる可能性はある) 君がDMなら、わかりやすく教えるのでは盛り上がりに欠けるため、暗喩を用いたり、迂遠な言い回しを使ってプレイヤーたちの想像力を刺激しよう。自力で思いつかない場合はノムリッシュ翻訳でも使うとよい。
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初心者おすすめ呪文ダメージを与える〈スピリット・ガーディアンズ〉 HPを回復する/状態を終了する〈オーラ・オヴ・ヴァイタリティ〉TCoE 〈ディスペル・マジック〉 〈マス・ヒーリング・ワード〉 〈リヴィヴィファイ〉 〈リムーヴ・カース〉 〈ライフ・トランスファランス〉XGtE 自分や味方を支援する(バフ)〈スピリット・シュラウド〉TCoE 〈ビーコン・オヴ・ホープ〉 〈プロテクション・フロム・エナジー〉 敵を妨害する(デバフ)〈ビストウ・カース〉 クリーチャーを召喚する/生み出す〈アニメイト・デッド〉 その他〈ウォーター・ウォーク〉 〈クリエイト・フード・アンド・ウォーター〉 〈クレアヴォイアンス〉 〈スピーク・ウィズ・デッド〉 〈センディング〉 〈タンズ〉 〈デイライト〉 〈フェイン・デス〉 〈マジック・サークル〉 〈メルド・イントゥ・ストーン〉 初心者おすすめ呪文 〈ディスペル・マジック〉は、戦闘や探索を問わず、幅広い局面で使われる呪文である。 〈マス・ヒーリング・ワード〉は、範囲攻撃などで複数の味方が倒れた時、彼らを同時に戦場に復帰させることができるという点で非常に有用。 〈リヴィヴィファイ〉は、キャラクターロストに対する確実な保険となるため、必ず準備しておきたい。 〈スピリット・ガーディアンズ〉は優秀な攻撃手段であり、狭い部屋の中で継続的にダメージを与えるのにも使えるし、通路で発動して敵が部屋の中に侵入するのを防ぐのにも使える。 ダメージを与える 〈スピリット・ガーディアンズ〉 【精神集中】 術者の周囲に守護霊を召喚し、範囲内に入るかターンを開始した敵に3d8の〔光輝〕または〔死霊〕ダメージを与える呪文。 狭い部屋の中で継続的にダメージを与えるのにも使えるし、通路で発動して敵が部屋の中に侵入するのを防ぐのにも使える。作用を受けるクリーチャーを選べるので、敵味方入り乱れる乱戦状態でも使えるのは長所。 ダメージを受けるタイミングは、呪文を発動した時ではなく、「クリーチャーが自分自身のターンにおいてこの効果範囲の中に入るか、この効果範囲内で自分のターンを開始した時」である。よって、敵クリーチャーの立っている場所にこの呪文を発動したとしても、そのクリーチャーのターンが来るまではダメージは発生しない。なお、効果範囲に入ることは、自発的である必要はない。したがって、〈サンダーウェイヴ〉のような呪文でクリーチャーをそのエリアに押しやることは可能。ただし、ダメ―ジを受けるのは、ターンで最初にその範囲に入ったときだけであることに注意。出し入れしても、複数回ダメージを受けることはない。詳しくは、セージ・アドバイスのp19を参照のこと。 範囲内では移動速度が半分になるが、「移動困難地形」を作るわけではない。したがって、この呪文の効果と移動困難地形が重なった場合は、移動速度は(実質的に)1/4にすることができる。 HPを回復する/状態を終了する 〈オーラ・オヴ・ヴァイタリティ〉TCoE 【精神集中】 持続時間中、半径30フィート内のクリーチャー1体を、ボーナス・アクションで2d6回復できる。 精神集中で1分間持続するので最大10回も回復が可能。とはいえ回復量は2d6と控えめなので、気絶したクリーチャーを起こす手段として考えるとよい。 戦闘終了後に安全を確保した状態で、10回発動すれば確実。 〈ディスペル・マジック〉 目標に作用している3レベル以下の呪文をすべて終了させる。 4レベル以上の呪文に対しては、呪文発動能力に対する能力値判定を行う。(難易度は10+呪文レベル) 戦闘や探索を問わず、幅広い局面で使われる呪文。 戦闘で使う:ウィザードやクレリックなどの呪文使いが敵に回るだけでなく、モンスターの中には生得呪文発動能力の特徴を有する個体もいる。これらのクリーチャーが呪文で自身の戦闘能力を強化したり、冒険者たちを直接傷つけるのではなく、何らかの妨害を仕掛けてくることはよくあるため、それらを打ち破るためにこの呪文が使われることになる。さて、ここで注意しなければならないことが幾つかある。第一に、相手がウィザードやソーサラー、ウォーロックであれば〈カウンタースペル〉でこちらの〈ディスペル・マジック〉を妨害してくることは予想しておく方がよい。〈カウンタースペル〉の射程は60フィートに対し、〈ディスペル・マジック〉は120フィートなので、射程外から撃ち込むことで完全に封殺できる。その他の〈カウンタースペル〉対策については当該項目を参照のこと。 第二に、解呪する対象の呪文が、この呪文のレベルを上回っていた場合、能力値判定を要求される。たとえば、5レベル呪文を対象とした際、5レベルで発動したならば確実に解呪できるが、3レベルや4レベルで発動すると、解呪できるかは能力判定となる。この場合、3レベルで発動しても4レベルで発動しても、成功確率が変わるわけではないことに注意すべし。とはいえ、「バードの声援」や〈ガイダンス〉、インスピレーションを用いて成功確率を上げることは可能である。強力な呪文で防御している相手には、それらのリソースを惜しみなくつぎ込んで解呪してやろう。味方の助力を得て強力な魔法の守りを打ち破るのは、一つの見せ場にもなるだろう。 戦闘以外で使う:ダンジョン内の魔法の罠を取り除いたり、魔法の装置を壊して黒幕の計画をくじくのに使える。しかし、シナリオの都合上、DMが解呪可能かどうか、あるいは難易度がいくつかを明かしてくれないこともあろうかと思う。呪文を打ち消すためにこちらも呪文スロットを消費するので、無駄打ちにならないよう確実に決めていきたいところである。占術呪文を使ったり、【知力】〈魔法学〉判定に成功すれば、DMが、解呪可能か、可能ならば難易度はいくつなのか、教えてくれるかもしれない。いろいろ提案してみよう。 また、この呪文にはいろいろな制約があるため、セージ・アドバイスを参考にしつつ、ディスペル・マジックに関するあれこれを記載したので、参考にされたし。 〈マス・ヒーリング・ワード〉 クリーチャー6体までのHPを1d4+【呪文発動能力】だけ回復する呪文。 範囲攻撃などで複数の味方が倒れた時、彼らを同時に戦場に復帰させることができるという点で非常に有用。 ただし、回復量は1レベルの〈ヒーリング・ワード〉と同じなので、敵から再び攻撃を受ければ、ほぼ確実に倒れる。とくに5レベルのクレリックは、3レベルスロットが2つしかないので、範囲攻撃を受けるたびにこの呪文を唱えていては、あっという間にスロットが尽きて押し負けること確実である。唱えるなら、短期決戦を狙っていきたい。 〈リヴィヴィファイ〉 死後1分以内の死体を蘇生する呪文。 キャラクターロストに対する確実な保険となるため、必ず準備しておきたい。物質要素として300gpのダイヤモンドを要求することに注意。 ちなみに、「失われた体の部位を修復することはできない」ので、巨大なモンスターに飲み込まれて消化されたり、触手のたくさんあるモンスターに脳みそを食べられたり、目玉のたくさんあるモンスターに体を分解されたときは再生することができない。 〈リムーヴ・カース〉 クリーチャーや物体にかかっている呪いを除去する。 物体が呪いのアイテムである場合、この呪文は"同調"を破るが、アイテムの呪いそのものを解く効果はない。 発動時間が1アクションなので、戦闘中であっても発動は容易。ただしこの呪文の射程は"接触"なので、君自身もある程度前に出られるようなビルドにする必要がある。 呪いをかけられている者が素直にこの呪文を受け入れるとは限らない。場合によっては組み伏せたり拘束したりといった、手荒な真似をする必要があるかもしれない。 また、この呪文が対象とする「呪い」の範囲は厳密には決まっていない。一部の呪文やウォーロックの妖術や特徴、一部のモンスターの特徴には「呪いをかける」と明記されているものあるし、呪いのような効果だが「呪いである」と書かれていないものもある。 君がDMなら、「〈リムーヴ・カース〉では解けないと書かれていない限り、呪いらしきものは何でも除去する」としてもよいし、「〈リムーヴ・カース〉が除去するのは『呪い』と明記されているものだけで、『呪いのような効果』には作用しない」としてもよい。態度が一貫しているならどちらでもよいだろう。 〈ライフ・トランスファランス〉XGtE 術者は4d8の〔死霊〕ダメージを受け、味方1体のHPを、そのダメージの2倍回復する。 単体を大量に回復させる手段として有用。 ダメージの平均は18ポイント、回復値の平均は36ポイントであり、これは4レベルのファイターやバーバリアンのHPを全回復させるに足る数値である。射程も30フィートあるので接触しなくても発動できる点が〈キュア・ウーンズ〉より便利。言うまでもないが、弱点は発動した術者もダメージを受ける点。使用の際の判断はくれぐれも慎重に。 クレリックの場合、相性がよいのは「生命の領域」であろう。「生命の使途」の効果で回復量が上がるし、「幸いなる癒し手」の効果で自分が受けたダメージを回復することもできる。 なお、エラッタにより、「このダメージはいかなる方法によっても減少させることはできない」ことになった。 自分や味方を支援する(バフ) 〈スピリット・シュラウド〉TCoE 【精神集中】 持続時間中、君の攻撃が君から10フィート以内のクリーチャーにヒットするたび、1d8の追加ダメージを与える。ダメージ種別は〔光輝〕〔死霊〕〔冷気〕から選ぶ。このダメージを受けたクリーチャーのHPは、君の次のターン開始時まで回復できない。 君から見えるクリーチャーが、君から10フィート以内でターンを開始するたび、そのクリーチャーの移動速度を10フィート低下させることができる。この効果は君の次のターン終了時まで持続する。 火力増強手段。ボーナス・アクションで使えるため攻撃のテンポを損なわない。 ただし、君から10フィートの範囲にしか作用しないのに精神集中が必要であり、殴られて即解除と言うこともあり得るのが難しいところ。 ダメージ種別は〔光輝〕〔死霊〕〔冷気〕から選べる。 特にこだわりがなければ 〔光輝〕がおすすめ。 ダメージを受けたクリーチャーは1ラウンドの間HPを回復できなくなる。トロルなどの自己再生能力のあるクリーチャーや、敵方にクレリックがいる場合などに役立つだろう。 〈ビーコン・オヴ・ホープ〉 【精神集中】 任意の数のクリーチャーに、3つの有益な効果を与える呪文。 ①【判断力】セーヴに有利を与える。 ②死亡セーヴに有利を得る。 ③HPを回復する効果が最大値になる。 ①の効果について:恐怖状態や、心術系統の呪文の多くが【判断力】セーヴを要求する。重要性は高い。 ②の効果について:キャラクターがロストするか否かに関わる判定である。重要性は言わずもがな。 ③の効果について:〈キュア・ウーンズ〉などの呪文だけでなく、ファイターの「底力」やポーションの効果など、すべての回復効果に対しても有効であり、汎用性の高い効果である。 このように効果じたいは強力だが、最大の欠点は、持続時間が1分しかないことである。ダンジョン突入前に唱えておくことができないし、だからといって、戦闘中にアクションを使ってこの呪文を唱えるのはテンポが悪い。敵のいる部屋に突入する時直前や、不意打ちのターンなどにチャンスがあれば唱えることになるだろう。 〈プロテクション・フロム・エナジー〉 【精神集中】 〔酸〕〔電撃〕〔火〕〔雷鳴〕〔冷気〕ダメージへの抵抗を付与する。 クロマティック・ドラゴンや一部のエレメンタルと戦う時にこの呪文があれば、被害を低減することができる。 呪文の持続時間が1時間なので、事前にこの呪文をかけてからカチコミに行くとよいだろう。 ただし精神集中を必要とする呪文であるので、ドラゴンのブレスのような範囲攻撃に術者が巻き込まれた際は精神集中を維持するための【耐久力】セーヴをロールすることになる。 敵を妨害する(デバフ) 〈ビストウ・カース〉 【精神集中】 クリーチャー1体に呪いをかける呪文。 呪いの内容はどれも強力かつ選択肢も多い。目標のターン終了時ごとに再度セーヴを行う呪文ではないので、精神集中が途切れるまで呪いは継続する点も強力。 くわえて、5レベル以上で発動するなら、その精神集中さえ不要となる。持続時間が8時間もあるので、逃げられても効果が持続するし、交渉事の事前の仕込みとして使うこともできる。たとえば、この呪文による呪いを解くことを条件に、相手に仕事を強要するなど、悪属性のロールプレイに活かせるだろう。 効果は基本的には4つの効果から選択となるが、DMの判断次第では他の効果を適用できるので提案してみてもいいだろう。移動力の減退や飛行の禁止、特定のアクションの制限などが考えられる。 単体の弱体化・無力化という意味では〈ホールド・パースン〉に近いが、こちらは人型生物以外にも使用でき、制約が多い代わりに与えられる効果の範囲に選択肢がある。ただしどれも効果としては麻痺より弱く、またこの呪文の発動は相手に接触する必要がある。 クリーチャーを召喚する/生み出す 〈アニメイト・デッド〉 ゾンビまたはスケルトンを創造する呪文。 大抵の文明圏において死者をアンデッド化するのは禁忌であり邪悪な行いとされているため、この呪文の使用によって術者がどのような目で見られるかは考慮しておいた方が良いだろう。開き直って悪を満喫することも可能であるし、禁忌と正義の間で揺れ動く葛藤を演じることも可能だ。そういった意味でこの呪文はロールプレイ的にも美味しい。この呪文を物語上どのように位置づけるか、プレイグループのメンバーで相談してみよう。 この呪文のルール上の注意点は以下の通り:① アンデッドは24時間しか術者の制御下に置くことができない。作り出せる数や制御下に置くことのできる数から考えて、アンデッドの大軍団を作るのは難しい。 ② 高レベル版で発動すれば、追加で2体のアンデッド・クリーチャーに自律行動能力を与えるか制御を延長できる。「アンデッド・クリーチャーに自律行動能力を与える」は、「アンデッド・クリーチャーを創造する」と読み替えてよい。(原文が"animate"であるため) ③ この呪文で作り出したアンデッドは〈ディスペル・マジック〉の対象にはならない。(この呪文の持続時間は「瞬間」であり、〈ディスペル・マジック〉を発動するときにはこの呪文は終了しているため) アンデッドがモンスター・マニュアルの通りの装備であるとは限らない。公式デザイナーのTwitterでの回答によると、プレイヤー側があらかじめ武器や防具を用意しておいて、新たに装備させることは可能とのこと。ただし、アンデッドがその装備に習熟しているかどうかについては意見が分かれる。(習熟しているとする回答はこちら/習熟していないとする回答はこちら)明確な答えを見つけることはできなかったので、判断はそれぞれの卓のDM諸氏に委ねたい。 その他 〈ウォーター・ウォーク〉 10体までのクリーチャーが、水上を歩けるようになる呪文。 海や川を横切るだけでなく、例えば、急流をこの呪文をかけた馬二頭で筏を牽引して遡行することも可能である。 性能面も破格であり、儀式発動ができ、持続時間が1時間もあり、最大10体までのクリーチャーを目標にすることができる。 ちなみに、液体に沈んでいるクリーチャーにかけた場合、そのクリーチャーは浮かび上がってくるが、これは水中に潜れなくなるということでもある。したがって、水中に撤退していった敵を追いかけるには、まずこの呪文を終了させなければならない。そのためには、(1)持続時間が終了するか、(2)〈ディスペル・マジック〉で解呪するかしかない。よって、この呪文をパーティ全体にかける時は注意されたし。 〈クリエイト・フード・アンド・ウォーター〉 人型生物15人分または馬5頭分の食べ物と水を作る呪文。 捕らえられた時、僻地で遭難した時、異次元に飛ばされた時などに役立つが、構成要素が音声・動作であるため、手が縛られていたり声を発せられない状況では発動できない。いっぽうで、物質要素を必要としないため、装備を奪われてしまったとしても発動は出来る。ただし水袋や樽などの容器がないとせっかく出した水が地面にこぼれてしまうので注意。 食糧はおいしくはないとのことなので、早くまともな食事を取れる環境を目指そう。 〈クレアヴォイアンス〉 【精神集中】 射程内に不可視のセンサーを作る。 見たり行ったことのある場所か、行ったことはないが明確に指定できる場所の様子を見聞きすることができる。 行ったことのある場所しか見聞きすることはできないが、あらかじめ会議室を訪れておいて、後に始まる作戦会議を盗み聞きしたり、ダンジョンから帰るときに入り口に敵が待ち伏せていないか確認するのには使える。 行ったことのない場所でも、明確に指定できるならセンサーを設置できるので、鍵のかかった扉の向こうや、隣の部屋の様子を探ることができる。しかし、この呪文自体が発動に10分かかる点に注意。敵地で発動するのは難しいだろう。 敵地の偵察に使う場合、そこが野外ならば、1マイル離れた場所から高台などに登って、上空にセンサーを出現させることができる。 上空からではあまり精度の高い情報を得られないかもしれないが、上空から大要を把握しつつ斥候を敵地に送り込んだり、むという補助的な使い方ならばできるはずだ。 (たとえば、鎖の契約のウォーロックと協力して不可視状態のインプを送り込み、必要に応じて撤退の指示を出すなど) DM次第であるが、術者が暗視やそれ以外の視覚を有している場合、センサー越しにも有効であるかもしれない。この考え方に立った場合、術者の感覚を強化することによって、はるか遠くから敵地を偵察したり、〈知覚〉判定に有利を得ることも可能であろう。 この呪文に関するルール上の注意点は以下の通り。センサーは見えないだけで存在しているので、〈シー・インヴィジビリティ〉や"超視覚"を持つクリーチャーには発見される。 センサーは不可視のため、〈ディテクト・マジック〉で探知することはできない。 センサーは〈ディスペル・マジック〉の対象となる。 呪文名は「クレアヴォイアンス」であるが、旧版で言う所の「クレアオーディエンス」の効果も併せ持っている。日本語訳は透視・透聴だが、イメージとしては盗み見と盗み聞きの方が近いだろう。 〈スピーク・ウィズ・デッド〉 死者に質問をする呪文。 制限事項はかなり多いが、冒険者であればダンジョンでもシティアドベンチャーでも死体を目にするタイミングは多く、使用できるタイミングはそれなりにあるだろう。 ただし、「この呪文には死体に真実を話すよう強いる力はない」というのが曲者で、敵対的なクリーチャーを起こしても意味がない。なお〈ゾーン・オヴ・トゥルース〉は「クリーチャーに真実を話すように強制する」呪文なので、死体に真実を話すことを強いることはできない。〈ディスガイズ・セルフ〉などと組み合わせれば敵対的クリーチャーからも情報を引き出せる可能性はあるが、貴重な呪文スロットを2つ消費する価値があるかは判断が難しいところだろう。 死体であればよいので、〈スピーク・ウィズ・アニマルズ〉などと組み合わせれば動物からも情報を聞き出すことは可能。 〈センディング〉 術者と目標との間で、75文字までのメッセージのやり取りをする呪文。 説明文中に75文字までとあるが、原文では「25words」となっている。したがって、おそらく「ひらがな/カタカナで75文字」という意味だろう。漢字を使ってよいとすると英語25単語に比べて情報量が多すぎる。 この呪文のいい所は、術者と目標同士が同一次元界にいるならば、必ずメッセージを伝達できるということである。それどころか、別の次元界にいても失敗確率5%で届く(ただし、魔法的に妨害されうる可能性や、目標が受信できない状況であることを除く)。 誰かから依頼を受けて長期間の探索任務に就いている冒険者が、依頼主に進捗状況や定時連絡を行ったり、生存確認として使うことが考えられる。また、依頼主から追加の任務を課されることもあるだろう。定時連絡にはうってつけの呪文だ。また、仲間が人質に取られたり誘拐された場合、トラップなどにより分断された場合などでも連絡を取ることができる。(まぁ往々にして分断されても「何故か」相手の状況がメタ的に分かってしまうこともあるが) 便利な呪文ではあるが、戦闘や探索にはたいして役立たない場面も多いので、遠距離でどうしても連絡を取り合いたい人が居る時に。 参考までに、75文字と言うのがどのくらいの情報量なのか、例文を書いてみた。 「ワレ ジャングルノ オクチニテ ウシナワレシミヤコヲ ハッケンセリ サレド ユアンティ ノ シュウゲキニヨリ ジンイン ナナメイヲ ソンモウセリ スミヤカニ ゾウエンヲ モトム」 君がDMなら、数文字の超過は多目に見てやっても良いだろう。あまり長いのは考え物だが。 〈タンズ〉 あらゆる言語の会話と聞き取りが可能になる呪文。 この呪文があれば確実に交渉や盗み聞きができる。D D世界では様々な種族が様々な言語を用いるので、キャラクターが習得してない言語が出てくる可能性は十分にある。その種族特有の特定の言語しか話さないクリーチャー相手に交渉するには必須の呪文だ。 もしDMがSCAG112ページ記載の「オプション・ルール ヒューマンの諸言語」を採用しているなら、地方によってヒューマンの用いる言葉も変わるので、この呪文の有用性も跳ね上がる事だろう。そうでなくとも、不慣れな言語や方言によって、聞き間違いや言い間違いで交渉が上手くいかない場合もあるかもしれない。逆に、キャラクターが言葉を流暢に話せるならば、相手方が警戒を解いたり、地元の人間だと信用してくれるかもしれない。 この呪文を用いる際の注意点は以下のとおり:読み書きはできないので、〈コンプリヘンド・ランゲージズ〉やウォーロックの妖術「ルーンの守り人の目」で補完しよう。 暗号や専門用語を理解できるようになるわけではない。英語の論文を読めたとて、その論文の内容を理解できるとは限らないのと同じだ。 1種類以上の言語を理解できるものでなければならないため、言語を持たないクリーチャーとは会話できない。 あくまで会話が可能になるというだけで、相手の文化的背景までわかるわけではない。白旗が徹底抗戦の意思表示である文化圏も存在するかもしれない。君がDMなら、わざとプレイヤーを誤解させるようなジャスチャーや慣用句を使って、文化のすれ違いを表現するのも良いだろう。上手くやれば、世界観に深みが出る。 〈デイライト〉 120フィートを照らす光源を作り出す呪文。 物体を光らせて持ち運ぶこともでき、その場合、物体を覆うことで光を隠すことができる。 精神集中無しで1時間持続し、〈ライト〉の3倍の照明範囲を持つ光を生み出せる。 洞窟や夜闇などを隅々まで照らし出せるので"薄暗い"ことによるデメリットを受けなくなる。 開けた場所では目立つので、光源の外から狙われる危険はあるだろう。 費用対効果は良くないが、現代兵器における照明弾のように、視界を確保するだけでなく信号弾として用いることもできる。 またこの呪文は、3レベル以下の魔法の暗闇を作り出す呪文と効果範囲が一部でも重なったら、即座にその呪文を解呪できる。特に、〈ダークネス〉呪文が発動できなくなる点が有用。 日本語訳では「陽光」だが、ルール上はこの光は日光ではない。(日光である場合は、呪文の説明文中に「日光」と明記されている)したがって、この呪文でドラウやコボルドの目を眩ませたり、ヴァンパイアにダメージを与えることはできない。ただしDMが特別な裁定を行う可能性はある。 〈フェイン・デス〉 死を偽装する呪文。 「状態を確認するような呪文に対しても、死んでいるように見える」ので、ペテンに用いることができそうである。死体のふりをすれば敵が拠点から放り捨ててくれるかもしれない。 また、目標が毒や病気に冒されていた場合、この呪文によって進行を止めることができる。ただし止まると言っても1時間が限度なので、その間に何らかの対策は必須である。 ただし注意しなければならないのは、呪文を途中で終了させるには、この呪文をかけた術者が直接触れねばならないということだ。今すぐにでも呪文の効果を終了させて自律行動させねばならぬという時に、この呪文をかけた術者が隣にいないと好き放題にされてしまう。 なお、時間さえあれば呪文スロットを消費せずに“儀式発動”が可能。 〈マジック・サークル〉 半径10フィートの魔法円を作り出し、円の中にいるクリーチャーを、アンデッド、エレメンタル、セレスチャル、フィーンド、フェイのうち任意のものから護る。 この呪文を逆方向に作用させ、中の者を閉じ込めるために使うこともできる。 〈インファーナル・コーリング〉〈カンジャー・エレメンタル〉〈カンジャー・フェイ〉などを使った召喚で、彼らとの交渉に失敗したり制御を失った時の保険として使うことができる。また、アドベンチャーの中で悪魔や天使、精霊と出会う時、彼らから情報を聞き出したり交渉する際、防壁として使える。(天使や精霊が善良であるとは限らないし、平和主義者である保証もない。) この呪文のイメージは、著名な魔導書(アブラメリン、ゴエティアなど)に見られる悪霊や天使、精霊などを呼び出して使役する魔導士たちが、自らの身を守るために描く魔法円や護符などであろう。「ザナサーの百科全書」(153ページ)の〈インファーナル・コーリング〉の挿絵や、「モルデンカイネンの敵対者大全」9ページと25ページに、魔法円のようなものが描かれている。ロールプレイや描写の際には参考にしてみよう。 この呪文を戦闘で活用するのであれば、狭い場所での防御戦闘で有効であろう。何しろ、指定されたクリーチャーはこの円の中に入ることがまったくできないので、これ以上有効な壁はない。ただし発動には1分かかるので、あらかじめ発動しておいて迎え撃つかたちになるだろう。 もっとも、瞬間移動や次元移動の能力を持っていて、かつ【魅力】セーヴに成功されると侵入されてしまう。また、呪文である以上〈ディスペル・マジック〉の対象となるので、敵方に呪文使いや生得呪文の使い手がいる場合は突破される可能性がある。 〈メルド・イントゥ・ストーン〉 8時間、石の中に潜伏する呪文。 あらかじめ敵のアジトに忍び込んでおけば、待ち伏せや盗み聞きのための潜伏手段として利用できる。ただし外の様子を聞き取るための〈知覚〉判定に不利が課される上、信仰系の術者はニガテな【知力】で行わなければならないので要注意。 基本的には儀式で発動することが多いが、逃走時に追っ手を撒くために使う場合は1アクションで急いで使うこともあるだろう。石の中にいることは非魔法的な手段で感知することはできないので安全地帯となる。また、石の中にいても自分を対象とした呪文を使うことは可能であるため、石の中で治療のための呪文を発動することもできる。小休憩や大休憩を取ることも可能かもしれない(DM次第)。 自分自身にしか発動できないので、パーティ全員を隠すことはできない。呪文の発動前や終了直後に単独である可能性が高い呪文であると言える。1人のときに敵と出くわしたり、待ち伏せされた敵に狙われたりしないようにしっかり対策しておきたい。
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おすすめ呪文ダメージを与える〈アームズ・オヴ・ハダル〉 〈ウィッチ・ボルト〉 〈ヘリッシュ・リビューク〉 自分や味方を支援する(バフ)〈アーマー・オヴ・アガテュス〉 〈エクスペディシャス・リトリート〉 〈プロテクション・フロム・イーヴル・アンド・グッド〉 敵を妨害する(デバフ)〈コーズ・フィアー〉XGtE 〈ヘクス〉 クリーチャーや物体を召喚する/生み出す〈アンシーン・サーヴァント〉 その他〈イリューソリィ・スクリプト〉 〈コンプリヘンド・ランゲージズ〉 〈チャーム・パースン〉 〈フェザー・フォール〉 おすすめ呪文 〈エルドリッチ・ブラスト〉の火力を上げられる〈へクス〉が最もおすすめ。 ウォーロックは呪文スロットが少ないため、リソース管理が比較的厳しい。 使う機会は少ないかもしれないが、〈チャーム・パースン〉などを入れておけば戦闘以外でも活躍できるだろう。 ダメージを与える 〈アームズ・オヴ・ハダル〉 周囲を闇の触手で攻撃し範囲内のクリーチャーに2d6〔死霊〕ダメージを与える。 さらに、次のターンまでリアクションを封じる。 ダメージは低く、追加効果はあまり強力ではない。 リアクションを防ぐ効果によって相手の機会攻撃を防いだうえで間合いから離れることができるが、確実性を求めるなら離脱アクションを取った方がよい。 ロールプレイ次第では、君が異形の存在と契約した、この世ならざる存在だということをアピールし、敵を威圧できるかもしれない。 〈ウィッチ・ボルト〉 【精神集中】 クリーチャー1体に1d12の〔電撃〕ダメージを与え、持続時間中、アクションを費やして同じ目標に〔電撃〕ダメージを与え続ける。 1レベル時点では1ラウンドで平均6.5ポイントのダメージしか出せないので、十分な量のダメージを出すのに時間がかかりすぎる。維持できるほど強い呪文ではあるが、射程外に逃げたり完全遮蔽に隠れるだけで呪文が終了するので、維持が難しい。 ウォーロックは妖術「苦悶の怪光線」で能力値ボーナスを上乗せした〈エルドリッチ・ブラスト〉で、リソースを使わずに十分なダメージを出すことができるため、有用性は低い。 高レベル帯でも、この呪文の威力が5d12で頭打ちになるのに対し、〈エルドリッチ・ブラスト〉の攻撃回数は最大4発に増え、ダメージは(1d10+【魅力】ボーナス)×4となるのでなおさらである。 〈ヘリッシュ・リビューク〉 敵が君にダメージを与えたとき、リアクションで2d10の〔火〕ダメージを与える呪文。 ダメージを与える効果ではあるが、他とは異なり受動的な効果。 後述の〈アーマー・オヴ・アガテュス〉と異なるのは、遠隔攻撃や範囲攻撃にも対応している代わりに、相手が【敏捷力】セーヴに失敗しないとダメージを与えられない点。また、ダメージを受けた後に発動するため、そのダメージで君が死んだ場合は使えない。 自分や味方を支援する(バフ) 〈アーマー・オヴ・アガテュス〉 一時的HP5点を得る。 一時的HPが残っている限り、君が敵から近接攻撃を受けるたび、その相手に5点の〔冷気〕ダメージを与える。 高レベルになると得られる一時的HPと与えるダメージも比例して増えるため、高レベル帯でも役立つ。 また、妖術の「影の鎧」と併せて持っておくことでさらなる防御性能の向上が見込める。 〈エクスペディシャス・リトリート〉 【精神集中】 この呪文を発動した時、および持続時間中のボーナス・アクションにおいて、早足を行うことができる。 低レベルで使うにはコストが重すぎる。一方、ウォーロックは必ず最高レベルで呪文を発動する必要があるため、高レベルスロットを使って1レベル呪文を唱えるのはコストパフォーマンスが悪い。 したがって、どのレベル帯でも使いにくい。 〈プロテクション・フロム・イーヴル・アンド・グッド〉 【精神集中】 アンデッド、エレメンタル、セレスチャル、フィーンド、フェイ、異形のうち一種類から身を護る。 効果は強力だが使用タイミングが限定的。アドベンチャーで該当するクリーチャーと遭遇するかどうかは分からない。ただし、アンデッドは種類が多いので、どのレベル帯でも比較的遭遇しやすい。 ウォーロックは必ず最高レベルで呪文を発動する必要があるため、高レベルで発動しても威力が向上しない呪文は総じて評価が低くなる。 ウォーロックが使うことはまれだろう。 このような「いつも必要なわけではないが、要るときは喉から手が出るほど欲しい」呪文は、巻物として持っておくと便利だ。DMGp128やXGtEp125の「魔法のアイテムの作成」ルールを採用している卓であれば、一本作っておき、大切に持っておきたい。 敵を妨害する(デバフ) 〈コーズ・フィアー〉XGtE 【精神集中】 クリーチャー1体を恐怖状態にする。 決まれば強力だが、ウォーロックは呪文スロットが少なく、無駄撃ちのリスクが他のクラスに比べて重い。 〈ヘクス〉 【精神集中】 この呪文をかけた相手に攻撃がヒットするたび、追加で1d6〔死霊〕ダメージを与える。 火力増強呪文。魅力修正値+3で「苦悶の怪光線」を覚えたウォーロックが、〈ヘクス〉をかけた相手に〈エルドリッチ・ブラスト〉を撃てば、ダメージは「1d10+3+1d6」で平均12ポイントにもなる。 ダメージを与えるたびに効果が発動するので、剣の契約の妖術「血に飢えた剣」や、ファゾムレスの特徴「深淵の触手」との相性が良い。 持続時間終了前に相手が死んだ場合、別の相手に目標を移せるため、呪文スロットの少ないウォーロックと嚙み合わせが良い。 クリーチャーや物体を召喚する/生み出す 〈アンシーン・サーヴァント〉 1時間、不可視の従者を召喚する呪文。 先の見えない扉を開けさせたり、罠がありそうな通路を歩かせたり、ランタンを持たせて通路を先行させたり、お皿を洗わせたり、洗濯物を畳ませることができる。 その他 〈イリューソリィ・スクリプト〉 許可した人にしか読めない、魔法の暗号文を書く呪文。 軍隊の伝令のシーンなどがあれば大いに役立つだろうが、冒険者にはあまり縁がなさそうである。 冒険者が使うなら、今どこにいるかわからない友好的なNPCに対して置き手紙を残したい場合や、敵地に送り込んだスパイと連絡を取りたい場合に使えるかもしれない。 ウォーロックは必ず最高レベルで呪文を発動する必要があるため、高レベルで発動しても威力が向上しない呪文は総じて評価が低い。使うことはまれ。 〈コンプリヘンド・ランゲージズ〉 未知の言語を聞き取ったり読み取ることができる。 アジトの中で交わされるゴブリン語や地下共通語の会議の内容や、古代の壁画の文字を読むことができる。 〈チャーム・パースン〉 1体の人型生物を"魅了"する呪文。 〈フレンズ〉との違いは主に持続時間。1時間あれば大抵の情報を引き出した上で立ち去るだけの余裕があるはず。 ただし欠点は、1レベルでは1体のクリーチャーしか"魅了"できないこと。さっきまで「このお宝は渡さない!」と強固な態度をとっていたマフィアのボスが、君がぶつぶつ呪文を唱えた瞬間コロッと意見を変えたら、"魅了"したのがバレバレである。高レベルで発動すれば複数を対象にすることができるが、全員がセーヴに失敗してくれる確率は低い。 どうにかして2人きりで話す場を設けるか、1人でいるところを不意を打って"魅了"する必要があるだろう。ロールプレイの工夫のしどころだ。 ちなみに、相手がセーヴに成功したか伝えるかどうかはDM次第。 〈フェザー・フォール〉 リアクションで、落下している人や物をゆっくり着地させる。 落下イベント対策。パーティのうちの誰かはこれを持っておくべきであるが、ウォーロックが覚える優先度は低い。 積極的に使うなら、崖から飛び降りて敵から逃亡する際に使うなどが考えられる。
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おすすめ呪文ダメージを与える〈クラウド・オヴ・ダガーズ〉 〈シャター〉 〈マインド・スパイク〉XGtE 自分や味方を支援する(バフ)〈インヴィジビリティ〉 〈シャドウ・ブレード〉XGtE 〈スパイダー・クライム〉 〈ミラー・イメージ〉 敵を妨害する(デバフ)〈アースバインド〉XGtE 〈エンスロール〉 〈クラウン・オヴ・マッドネス〉 〈サジェスチョン〉 〈ダークネス〉 〈ホールド・パースン〉 〈レイ・オブ・エンフィーブルメント〉 その他〈ミスティ・ステップ〉 おすすめ呪文 〈インヴィジビリティ〉は不可視状態になる呪文。不意打ち、偵察のお供に。 〈シャター〉は雷鳴ダメージを与える呪文。ただし音がでかいのが難点か。 〈ホールド・パースン〉は目標を金縛りにする。人型生物限定だが、決まれば戦局を有利に運べるだろう。 ダメージを与える 〈クラウド・オヴ・ダガーズ〉 【精神集中】 範囲内に渦巻くナイフを召喚し、4d4の[斬撃]ダメージを与え続ける。 効果範囲が、たった5フィートの立方体しかない。また、一度発動すると動かすことができないことに注意。 ダメージの平均値は10ポイント。セーヴィング・スローなしでこのダメージを与えることができること、継続的にダメージを与えることができることを考えると、2レベルとしては十分な性能。 ダメージ種別は〔斬撃〕。魔法による〔斬撃〕は、抵抗や完全耐性を持つクリーチャーがほとんどいないため優秀。ただし、呪文を使わなくても魔法の剣や斧で出すことができる種別であり、これを基準に採用する価値は低い。 ダメージの発生タイミングは、「そのクリーチャー自身のターンで効果範囲内に入るのが初めてか、その効果範囲内でターンを開始した時」。よって、敵クリーチャーの立っている場所にこの呪文を発動したとしても、そのクリーチャーのターンが来るまではダメージは発生しない。なお、効果範囲に入ることは、自発的である必要はない。したがって、〈サンダーウェイヴ〉のような呪文でクリーチャーをそのエリアに押しやることは可能。ただし、ダメ―ジを受けるのは、ターンで最初にその範囲に入ったときだけであることに注意。出し入れしても、複数回ダメージを受けることはない。詳しくは、セージ・アドバイスのp19を参照のこと。 範囲が狭く、動かすことができないため、敵をこの呪文の効果範囲内に押しとどめる工夫(移動妨害呪文、前衛による壁、地形等)が必要。たとえば、狭い道や戸口での戦闘、身動きがあまり取れない空間での大型生物との戦闘等では採用価値が上がる。 何らかの方法で、呪文の効果範囲を隠すのも良いだろう。たとえば初級呪文〈マイナー・イリュージョン〉や2レベル呪文〈ダークネス〉で隠すなどすれば、敵が気付かずに呪文の効果範囲内に入ってくれるかもしれない。 〈シャター〉 範囲内に3d6の[雷鳴]ダメージを与える呪文。鉄や石のように無機質な材質で出来たものは、このダメージに対するセーヴに不利を受ける。 3d6の平均値は10.5ポイントで、セーヴ成功で半減。そこまで大きくはないが、複数の相手を攻撃できる点が非常に有用。ダメージ種別も優秀で、抵抗されることが少ない。 ウォーロック呪文で初めて登場する、「射程が長く」「範囲を攻撃することができる」呪文。ウォーロックにとって、①距離をとってダメージを与えること、②範囲内の複数の敵を同時に攻撃する「面の制圧力」を持つことは共に重要であり、この呪文はその二要素をどちらも満たしている。 範囲は半径10フィートで、広範囲とは言えないが、2レベルでは一番広い。また、前衛に群がる敵は低レベルで多く、そうした際に味方を巻き込まずに打つには丁度いい広さともいえる。 【耐久力】セーヴなので、成功されやすいが、石、クリスタル、鉄などで構成されたクリーチャーに対してはセーヴに不利を課すことができる。 石像はもちろん、骨系(スケルトン等)や土・岩系(アースエレメンタル等)、鉄系(アニメイテッドアーマー等)に効く可能性がある。クリーチャーの材質についてはルールに明記されているわけではないので、いけるかなと思ったら積極的にDMに提案していこう。 特に音が聞こえる範囲の記載はないが、とにかく大きな音で攻撃することは間違いないので、隠密作戦には不向き。 逆に言えば、音を利用して敵をおびき出したり、遠くの味方に戦闘が始まったことを伝えるという使い方も考えられる。 貴重なアイテムのありそうな部屋では効果範囲を慎重に選ぶか、別の呪文を使わないと戦利品が台無しになる可能性がある。また、魔法のポーション等「内容物が魔法のアイテム」である物がこの呪文の範囲にあった際は、DMの判断次第だが、入れ物のガラス瓶などが壊れる可能性もある。 〈マインド・スパイク〉XGtE 【精神集中】 1体のクリーチャーに、3d8の〔精神〕ダメージを与え、隠れたり不可視になることができなくなる。 不可視状態を見破る呪文といえば〈シー・インヴィジリティ〉があるが、ダメージを与えられる点や、隠れ身アクションができなくなる点が異なる。 ゴブリンやローグ・クラスを持つキャラクターなど、"隠れ身"をボーナス・アクションとして行うクリーチャーに対して特に有効。だがそれだけではなく、遮蔽物や闇に隠れて逃げようとするクリーチャー相手を追跡することもできるだろう。追い詰めたら逃げ出ししそうな敵の重要人物などに撃っておくことでシナリオの展開を変えてしまうこともありえるだろう(DMが困ることになるが)。 持続時間も1時間と長めに設定されているのも長所。 この呪文自体は「君から見えるクリーチャー1体」が対象なため、すでに隠れていたり不可視状態の敵には撃ち込めないので注意。 なお、高レベル版ではダメージが1d6ずつ増加するとあるが、1d8の間違いである。詳しくはホビージャパンの公式にある正誤表を確認されたし。 自分や味方を支援する(バフ) 〈インヴィジビリティ〉 【精神集中】 不可視状態になる。ただし、攻撃や呪文の発動を行うと不可視状態は解ける。 持続時間は1時間あり、偵察や隠密行動にはもってこいの呪文である。他人にかけられるので、味方の斥候役を助けてあげよう。〈ファインド・ファミリアー〉で召喚した使い魔にかけることもできるので、隠密技能に長じたクリーチャーを不可視化すれば、実に優秀な斥候になる。敵陣に潜入し、内情や敵の配置を事前に調べよう。 高レベル版は目標を1体増やすことができるので、ウィザードやソ-サラーがパーティに複数いればパーティ全員を不可視化することも不可能ではない。 この呪文に〈ノンディテクション〉を組み合わせれば、呪文や魔法によって術者を発見することはほぼ不可能になる。 攻撃や呪文の発動を行うと、不可視化が即座に解除されることに注意。奇襲を行う場合、最初の1回限定だが、攻撃ロールに有利を得ることができる。 不可視は強力だが万能ではない。不可視化を破る方法は数々あるので、順に解説する。① 不可視化は視覚に基づく〈捜査〉や〈知覚〉をかいくぐることができるが、音や匂いで位置が露見することはあり得る。重い鎧や何種類もの武器、大きな背負い袋を運搬している冒険者が、何の物音も立てずに戦場を走り回るのは不可能だろう。もしくは殺した敵の返り血が鎧に付着して、ひどい匂いを放っているのかもしれない。これはゲーム的には、クリーチャーの受動知覚を使って判定される。君が隠密を行っていない場合や、行っていたとしてもその判定結果が相手の受動知覚を下回っていたなら、その所在が露見する。相手が「鋭敏嗅覚」や「鋭敏聴覚」を持つクリーチャーであれば、DMは受動知覚を用いずに、〈知覚〉判定を有利でロールする可能性もある。 ② 埃っぽい場所や煙の充満している場所などでは足跡や煙の軌跡から位置が露見する場合もあり得る。 ③ 視覚に基づかない知覚能力、たとえば「超知覚」、「疑似視覚」、「振動探知」などを持つクリーチャーは、君の隠密能力に関わらず知覚してくる。 ④ 〈フェアリー・ファイアー〉や〈シックニング・レイディアンス〉などの呪文は、不可視化を無効化することができる。 PHBp194「見えない攻撃者・見えない目標」に、「目標がいそうな位置をあてずっぽうで攻撃するのであれ、音はすれども見えないクリーチャーを目標として攻撃するのであれ、攻撃に不利を受けることに変わりはない」とあるので、少なくとも攻撃の目標にすることはできるようである。しかしその後に、「君が狙った位置に目標がいない場合、君の攻撃は自動的にミスする」とある。これが、5フィート単位で正確に目標の位置が分かっていないと攻撃できない、という意味なのか、大ざっぱに位置が分かっていれば攻撃できるのかはDMの裁定次第である。 機会攻撃は「見えている相手」にしか行えないので、確実に逃げられる。 また、一部の呪文や特徴は「見ることができる」クリーチャーにしか発動できないので、不可視化状態のクリーチャーを目標にできない。たとえば〈カウンタースペル〉は呪文の発動を見ていないと発動できないので、不可視化していれば妨害されずに呪文を発動することができる。 いっぽうで、〈ディスペル・マジック〉は目標が見えてなくても発動できるので、この呪文を解呪されてしまう。敵方に呪文使いがいる場合は要注意である。 〈シャドウ・ブレード〉XGtE 【精神集中】 ボーナス・アクションで、影の刃を作り出す。 この刃を用いた攻撃は2d8の〔精神〕ダメージを与え、薄暗い場所や暗闇では命中に有利を得る。 影の刃、という名前が何とも厨二心をくすぐる呪文。しかも、性能面でも名前負けしていない。 この呪文はボーナス・アクションを用いて発動するので、同一ターンにアクションを用いてこの影の刃による攻撃を行うことが可能。なお、影の刃は単純近接武器として扱うため、呪文攻撃ロールではなく武器攻撃ロールを行わねばならない。“妙技”武器であるため、用いる能力値は【筋力】または【敏捷力】である。ウォーロックの近接職といえばへクスブレードがあるが、へクスブレードは【魅力】で殴れるため相性は良くない。 ダメージ・ダイスは2d8で、グレートソードの2d6やグレートアックスの1d12を上回る威力。また、3レベルで3d8、5レベルで4d8、7レベルで5d8と強化されるので全レベル通して使える。 "薄暗い"または"暗闇"の中では、攻撃ロールが有利になる。妖術「悪魔の目」を使えば有利に立ち回れる。 ウォーロックがこの呪文を使うにあたり、気を付けるべきことは2つ。この呪文によって作り出された武器は、ウォーロックの契約武器にすることはできない。(契約武器にするために1時間の儀式を行う必要があるが、この呪文の持続時間は1分しかないため) ウォーロックの呪文スロットのレベルは最大5レベルなので、武器のダメージは4d8+能力値ボーナス以上にならない。 〈スパイダー・クライム〉 【精神集中】 同意するクリーチャー1体は、壁や天井を蜘蛛のように歩けるようになる。 ダンジョンの床はトラップを仕込む絶好の場所であるが、逆に天井に罠が仕掛けられている場合は少ない。また、人は天井への警戒は薄いものなので、敵の知覚をかいくぐれるかもしれない。高さのある室内や洞窟の偵察の際にこの呪文をかけてあげれば斥候役は喜ぶだろう。 屋内であれば天井を移動して相手の後方に回ったり、足元の移動困難地形を壁を移動することによって避けたりなど。屋外であっても崖を素早く登ったり、小舟から帆船に乗り移る時、船体の外側を歩いて登るなど、使い道は環境次第で変わってくる。特に狭い通路で前衛が詰まっている時は、この呪文をかけて壁や天井に移動して道を開けるなどの行動も可能になる。とにかく地形を理解することが大事な呪文なので、この呪文を覚えたときからDMに「壁と天井の様子を教えてくれ!」と要求する人が後を絶たないとかなんとか。 効果時間も長いが、両手が自由でないといけない都合上天井から弓を撃ったりはできない。呪文も動作が構成要素に入るものが使えるかどうかはDMに確認した方がよいだろう。 ウォーロックはレベルアップごとに呪文の入れ替えが可能なので、ダンジョンの探索に赴いたり壁を登る必要が見込まれる局面において事前に修得するなりしておくといいかもしれない。修得数に余裕が無ければ、呪文の巻き物を用意してそれで補う方法もある。幸いにしてこの呪文には高レベル版が存在しないので、呪文の巻き物から発動してもウォーロック自身のスロットを消費しても効果に違いはほとんどない。 〈ミラー・イメージ〉 自身と全く同じ幻影を三体作り出し、1/4の確率でしか攻撃が当たらなくなる呪文。 ACに頼ることなく幻影の数に応じて攻撃が外れることなど、ACの低くなりがちなウォーロックにとって優秀な防御呪文。 本体に当たった場合は普通にACで判定することになるので妖術:「影の鎧」や〈アーマー・オヴ・アガテュス〉があるとより心強い。 精神集中無しで1分間持続するので、他の呪文の精神集中を妨げないのは利点。また、術者がダメ―ジを受けても呪文が解ける恐れがない。幻の分身が攻撃を受けると一撃で破壊されてしまうが、3回も敵の攻撃を引き受けてくれるなら緊急時の自衛用としては十分だろう。 「君が攻撃の目標になった時」にしかこの呪文の効果は発揮されない。したがって、〈シャター〉や〈ファイアーボール〉などの範囲攻撃や、攻撃ロールを行わない〈マジック・ミサイル〉などの攻撃は普通に受けてしまう。(こちらを参照)逆に言えば、これらの攻撃を幻影が受けることはない。 幻術すべてに言えることだが、疑似視覚や超視覚などを持つクリーチャーには見破られてしまう。 敵を妨害する(デバフ) 〈アースバインド〉XGtE 【精神集中】 目標の飛行移動速度を0にする。 飛行クリーチャーは非常に厄介な存在であるため飛行を封じる手段はぜひ用意しておきたいが、ウォーロックにこの呪文を習得する余裕があるかは微妙。 この呪文には高レベル版が存在しないが、4レベル以上で発動した場合は〈ディスペル・マジック〉で解呪するために能力値判定が必要になる。したがって、高レベル発動する意味が全くないわけではない。 〈エンスロール〉 射程内の任意のクリーチャーは【判断力】セーヴを行い、失敗すると術者に釘付けになる。(戦闘中に使用すると、目標はセーヴに有利を得る。) この呪文の作用を受けた目標は【判断力】〈知覚〉判定に不利を受け、受動知覚が5下がる。 射程内の任意のクリーチャーを目標にできるので、大群衆を一度に釘付けにすることが可能。 〈サジェスチョン〉と異なり、目標が術者の話す言葉を理解できる必要はない。 この呪文を使うのは、術者が大衆の目を引いている隙に仲間がこっそりと何かを行いたい場合だろう。たとえば、地元の有力者の屋敷に忍び込む、群衆の一人のポケットから持ち物を奪う、往来に大規模な罠をしかける、奇襲をかける場合など。 精神集中は必要ないが、何らかの要因で喋れなくなったり無力状態になった時点で呪文が終了することに注意が必要である。 〈クラウン・オヴ・マッドネス〉 【精神集中】 目標の精神を狂気に陥れ、周囲のクリーチャーを敵味方問わず攻撃させる。 ウォーロックが初めて覚える「戦闘中に敵を支配する」呪文。戦闘中の支配は非常に強力な効果で、敵を1人減らし、味方の前衛を1人増やすようなものだ。上手くいけば、1.5体分くらいはこの呪文で無力化できる。 持続時間中、対象の頭にねじれた鉄製の冠が被さるオシャレ効果付きだが、逆に言えば呪文で操られていることがバレバレになる。 相手の言語能力に関係なく効果が発動するので、異界の敵や言語を理解する知能がない敵にも有効。〈ドミネイト・パースン〉などとは異なり、目標がダメージを受けても魅了状態が解けたりセーヴが行われることはない。いっぽう、この呪文は、術者にアクションを行わせないことによって呪文を解くことができる。たいていは、同レベル帯の〈ホールド・パースン〉との比較で選択することになるだろう。 相手は「移動の前に」「間合い内の対象に」「近接攻撃で」攻撃できなければ通常通り行動できる。低レベル呪文なだけあって制約は多く、闇雲に発動しても利益は少ない。 またこの呪文による支配は魅了状態として扱うので、エルフやフェイには効きにくい。 なお、「1回の近接攻撃を行う」とあるので、複数回攻撃が可能であったとしても適用されないことに注意が必要である。その際は術者がどの攻撃をするか選べてもよいだろう。 この呪文の欠点はいくつかある。第一に、精神集中を要するため、術者がダメージを受けたり"無力"状態になると終了する。第二に、目標の各ターン終了時に【判断力】セーヴで呪文を終了させられる。第三に、呪文を持続させたければ術者のアクションを用いなければいけない。 判定が【判断力】セーヴなので、知性の低そうな野獣クリーチャーや、ゴブリン族などに対して唱えよう。とくに狭い場所で使うと有用である。通路の先頭にいるクリーチャーや、部屋の唯一の扉の前に立っているクリーチャーにこの呪文を掛ければ、他の敵にとっては面倒なことこの上ない。 最後に残ったこの呪文の対象の敵をどうするかは考えておかないと余計な被弾を受ける事もある。効果時間中に使い潰してしまいたいところだ。 〈サジェスチョン〉 【精神集中】 1体のクリーチャーに1文か2文の命令を与える。 目標は【判断力】セーヴに失敗したなら、持続時間中その命令に従った行動をする。 相手を操る心術系統の呪文は応用範囲が広く、活用方法は山のようにある。下手をすると前提を飛ばしてボスまで一直線に進めるシナリオ破壊能力がある。(DMの許可する範囲で運用すること) ただし、制約もいくつかある。第一に「君から見えており、君の声を聴くことができ、君の言うことを理解できる」クリーチャーでなければ、そもそもこの呪文の対象にならない(対象としても自動的に失敗する)。たとえば、言語を持たないアウルベアや元素界の言葉しか知らないメフィットに共通語で〈サジェスチョン〉をかけても、首を傾げられるのがオチだ。 第二に、相手にとってあまりに理不尽だったり、自殺的な行動を強制することはできないので、自傷、同士討ち等は不可能。「いきなり理由もなく裏切れ」などというのは理不尽な指示の典型で、DMも認めてくれないことが多い。「どの程度までは妥当な指示か」はDMと相談しながら決めていく必要があるだろうが、「それはPCが知りえない情報だから、やってみるまで分からないよ」と突っぱねられる可能性もある。 第三に、命令は1文か2文以内でなければならない。「今すぐ本部に戻ってお前のボスに嘘の報告をせよ。そして次に云々」などべらべら喋った場合、DMはその命令の最初の1文か2文だけを抜粋して実行することにするとよいだろう。 PL諸氏の助けとなるよう、戦闘中やその直前にこの呪文を発動して目標を戦闘に関わらせないようにするにあたり、妥当と思われる例文を以下に記す。あくまで一例なので、実際の使い方は各自で工夫されたい。「その場で警戒を続けよ」 目標はその場にとどまり、呪文の持続時間中は知覚判定を行い続けるだろう。 「後方に回り、敵の奇襲に備えよ」 目標は前線を離脱していくだろう。 「本部に伝令に走れ」 目標は林を使って本部に急を知らせに行くだろう。 戦闘外であればこのような形だろうか。持続時間が8時間もあるので、本来は戦闘外での使用を想定していると思われる。「この道は誰も通すべきではない」:味方含め通行を制限し、増援を封じたり逃亡を封じたりする。 「○○を哨戒し、敵対生物を排除せよ」:ダンジョン内に敵対勢力が併存していることはままあるので、上手くいけばそれぞれの戦力を削ることができる。 「訪問者を歓待せよ」:事前に発動しておくことで交渉を有利に進めたり、しれっと屋敷に潜入できる可能性がある。 〈ダークネス〉 【精神集中】 半径15フィートの球形をした魔法的な暗闇を作り出す。 この暗闇は非魔法の明かりでは照らすことができず、2レベル以下の呪文による魔法の明かりを打ち消し、暗視でも見通すことができない。 この呪文を最もうまく活かせるのはウォーロックだ。妖術「悪魔の目」とのコンボによって、こちらだけが一方的に攻撃できる。ただし、いくつかの弱点がある。 ①デヴィルにこの戦術は通用しない。:彼らは、君と同じく「悪魔の目」を持っており、魔法の暗闇を見通すことができる。 ②疑似視覚、振動探知、超視覚などの感覚を持つクリーチャーにも通用しない。:特殊な感覚を持つクリーチャーは高レベルになるほど多くなる。 ③ほかの味方の視界も奪ってしまう。:最大の欠点。前衛に立つのは君一人ではないことが多い。暗闇で見えない目標に対しては攻撃ロールに不利を受けるし、呪文に至っては目標が見えないとそもそも発動できないものも多い。チームプレイの観点から考えると、敵味方の位置、地形などを考慮に入れ、味方の戦闘の邪魔にならない位置に発動しなければならない。うっかり発動してしまった結果、味方から孤立して倒されてしまうなどという事態は避けたいところだ。 ④3レベル以上の魔法の明かりによって照らされる。:この呪文に高レベル版は存在しないので、高レベルで発動しても2レベル以下の魔法の明かりを消すという特徴には何の変化もないことに留意されたし。 〈ホールド・パースン〉 【精神集中】 人型生物を麻痺状態にする。 対人金縛りという日本語訳のとおり、この呪文は人型生物を"麻痺"状態にする。麻痺状態は致命的な状態異常であり、「当たれば勝ち」と言っても過言ではない。("麻痺"の効果はPHBp292を参照してほしい) 判定は【判断力】セーヴだが、人型生物というのは(知性のない生物に比べて)【判断力】が高い傾向にある。したがって基本的に効きにくく、効いたとしても直ぐに立ち直ってくる可能性が高い。呪文が効いたら速やかにクリティカル・ヒットを当てて倒してしまおう。 ウォーロックはレベル上昇とともにスロットのレベルも自動的に上昇するので、5レベル以上のウォーロックは自動的に2体以上の目標にすることになる。ただし目標に取る人型生物がそれぞれ30フィート以内にいなければならないことに気を付けなければならない。ダンジョンなど狭い場所では問題ないが、野外など広大なフィールドでは、敵軍も範囲攻撃の目標にならないために分散して位置取ることが多いため、うまく目標のクリーチャーを選ぶのが難しくなる。とはいえ、「必ず複数の目標を対象に取らなければならない」と言うわけではない。 〈レイ・オブ・エンフィーブルメント〉 【精神集中】 筋力で振るう攻撃の威力を半減させる。 この呪文は目標に対して遠隔呪文攻撃で判定するため、発動の際には命中率を上げるような工夫がほしいところ。 命中すれば、筋力で攻撃してくる脳筋野郎にとても有効…ではあるのだが、結局半減させるだけなので食らうのは食らう。どちらにせよ戦闘終了後にクレリックやドルイドの回復呪文を使わせることが確定するくらいなら、この呪文を唱えずに別の呪文で足止めや攻撃をした方が結果的にHPを守れる、と言うこともありうる。 また【筋力】に基づいた攻撃を行うクリーチャーは【耐久力】も同様に高いことが多い。よって、早い段階であっさり呪文の効果を終了させられる事も多い。 くわえて、この呪文には高レベル版が存在せず、クラスレベルで勝手に呪文レベルが上がってしまうウォーロックとしては使い勝手が悪い。敵の力を奪うようなロールプレイはいかにも妖術使いらしく、キャラクターのイメージには合っているかもしれないが。 その他 〈ミスティ・ステップ〉 ボーナス・アクションで自分から目に見える30フィート以内の場所に瞬間移動できる呪文。 脱出手段として使うことが多い。敵から機会攻撃を受けずに離れたり、つかまれた状態や拘束状態から脱出することができる。捕まったときに牢屋の格子から脱出するのにも使える。 移動手段として使うこともできる。敵が高所にいるときに一瞬で接近したり、崖や川を渡ったり、壁に小さな穴をあけて覗き込み向こう側の部屋に移動する、などである。特にへクスブレードなどの近接系のキャラクターと相性が良い。 瞬間移動できる先は「自分が見ることができる」場所である必要があるため、閉ざされた扉や、壁の向こうなどに行くことはできない。 また、何ものにも占められていない場所である必要がある。瞬間移動先が人であれ物体であれ、なにかによって占められているならそこに出ることはできない。さらに、DMの判断として瞬間移動先が液体(=もの)によって占められているので、水中には出られないと裁定される場合もあり得る(DMに確認しておこう)。空中に出ることも可能であるが、飛行移動能力が無ければ落下する。 瞬間移動できる先は「自分が見ることができる」場所である必要があるため、閉ざされた扉や、壁の向こうなどに行くことはできない。 また、何ものにも占められていない場所である必要がある。瞬間移動先が人であれ物体であれ、なにかによって占められているならそこに出ることはできない。さらに、DMの判断として瞬間移動先が液体(=もの)によって占められているので、水中には出られないと裁定される場合もあり得る(DMに確認しておこう)。空中に出ることも可能であるが、飛行移動能力が無ければ落下してダメージを受けることもある。 本人を瞬間移動させる呪文であり、他者を伴えない。他者を伴った瞬間移動は、3レベル呪文の〈サンダー・ステップ〉まで待たねばならない。 ウォーロックは否応なく最高レベルで呪文を発動せざるを得ないが、この呪文には高レベル版が存在しない。5レベル以降は使用の優先度が低くなると思われる。
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初心者おすすめ呪文ダメージを与える〈クラウド・オヴ・ダガーズ〉 〈シャター〉 〈ヒート・メタル〉 HPや状態を回復する〈カーム・エモーションズ〉 〈レッサー・レストレーション〉 自分や味方を支援する(バフ)〈インヴィジビリティ〉 〈エイド〉TCoE 〈エンハンス・アビリティ〉 〈エンラージ/リデュース〉TcoE 〈シー・インヴィジビリティ〉 〈ミラー・イメージ〉TCoE 敵を妨害する(デバフ)〈ウォーディング・ウィンド〉XGtE 〈エンスロール〉〈クラウン・オヴ・マッドネス〉 〈サイレンス〉 〈サジェスチョン〉 〈ナーヘアズ・ミスチフ〉FToD 〈パイロテクニクス〉XGtE 〈ファンタズマル・フォース〉 〈ブラインドネス/デフネス〉 〈ホールド・パースン〉 その他〈アニマル・メッセンジャー〉 〈スカイライト〉XGtE 〈ゾーン・オヴ・トゥルース〉 〈ディテクト・ソウツ〉 〈ノック〉 〈マジック・マウス〉 〈ロケート・アニマルズ・オア・プランツ〉 〈ロケート・オブジェクト〉 初心者おすすめ呪文 〈インヴィジビリティ〉は、不可視になることで偵察にも戦闘にも逃走にも役立つ非常に有用な呪文。 〈サイレンス〉は、音声要素を封じることで様々な魔法を封じることができる魔法使い殺しの呪文。また、音が通り抜けることができない無音の空間を作ることができ、潜入にも大いに役に立つ。 〈シャター〉はバードが取得可能な貴重な範囲攻撃魔法であり、同レベル帯では範囲・威力ともに申し分ない。 〈ブラインドネス/デフネス〉や〈ホールド・パースン〉は、使える状況は限定されるが敵を一気に弱体化・無力化できる可能性がある。ただしバードには同系統の呪文(〈ターシャズ・ヒディアス・ラフター〉や〈クラウン・オヴ・マッドネス〉など)があるため、どれを取得するかは他の呪文やアドベンチャーの雰囲気との兼ね合いで決めよう。 ダメージを与える 〈クラウド・オヴ・ダガーズ〉 【精神集中】 渦巻くナイフを召喚し、範囲内に4d4の[斬撃]ダメージを与え続ける。 4d4ダメージの平均値は10ポイント。セーヴィング・スローなしでこのダメージを与えることができること、継続的にダメージを与えることができることを考えると、2レベルとしては十分な性能。 ダメージ種別は〔斬撃〕。魔法による〔斬撃〕は、抵抗や完全耐性を持つクリーチャーがほとんどいないため優秀。ただし、呪文を使わなくても魔法の剣や斧で出すことができる種別ではある。 そのクリーチャー自身のターンで効果範囲内に入るのが初めてか、その効果範囲内でターンを開始した時にダメージが発生する。よって、敵クリーチャーの立っている場所にこの呪文を発動したとしても、そのクリーチャーのターンが来るまではダメージは発生しない。なお、効果範囲に入ることは、自発的である必要はない。したがって、「翻弄の美技」などによって押しやることで、1ラウンドに何度も範囲内に押し込める可能性がある。ただし、ダメ―ジを受けるのは、ターンで最初にその範囲に入ったときだけであることに注意。出し入れしても、複数回ダメージを受けることはない。詳しくは、セージ・アドバイスのp19を参照のこと。 効果範囲がたった5フィートの立方体しかない。また、一度発動すると動かすことができないことに注意。 範囲が狭く、動かすことができないため、敵をこの呪文の効果範囲内に押しとどめる工夫(移動妨害呪文、前衛による壁、地形等)が必要。たとえば、狭い道や戸口での戦闘、身動きがあまり取れない空間での大型生物との戦闘等では採用価値が上がる。 何らかの方法で、呪文の効果範囲を隠すのも良いだろう。たとえば初級呪文〈マイナー・イリュージョン〉や2レベル呪文〈ダークネス〉で隠すなどすれば、敵が気付かずに呪文の効果範囲内に入ってくれるかもしれない。 〈シャター〉 範囲内に3d6の[雷鳴]ダメージを与える呪文。鉄や石のように無機質な材質で出来たものは、このダメージに対するセーヴに不利を受ける。 3d6の平均値は10.5ポイントで、セーヴ成功で半減。そこまで大きくはないが、複数の相手を攻撃できる点が非常に有用。ダメージ種別も優秀で、抵抗されることが少ない。 バードにとって貴重な「射程が長く」「範囲を攻撃することができる」呪文。範囲は半径10フィートで、広範囲とは言えないが、2レベルでは一番広い。また、前衛に群がる敵は低レベルで多く、そうした際に味方を巻き込まずに打つには丁度いい広さともいえる。 判定は【耐久力】セーヴなので成功されやすいが、石、クリスタル、鉄などで構成されたクリーチャーに対してはセーヴに不利を課すことができる。石像はもちろん、骨系(スケルトン等)や土・岩系(アースエレメンタル等)、鉄系(アニメイテッド・アーマー等)に効く可能性がある。クリーチャーの材質についてはルールに明記されているわけではないので、いけるかなと思ったら積極的にDMに提案していこう。 特に音が聞こえる範囲の記載はないが、とにかく大きな音で攻撃することは間違いないので、隠密作戦には不向き。 逆に言えば、音を利用して敵をおびき出したり、遠くの味方に戦闘が始まったことを伝えるという使い方も考えられる。 貴重なアイテムのありそうな部屋では効果範囲を慎重に選ぶか、別の呪文を使わないと戦利品が台無しになる可能性がある。また、魔法のポーション等「内容物が魔法のアイテム」である物がこの呪文の範囲にあった際は、DMの判断次第だが、入れ物のガラス瓶などが壊れる可能性もある。 〈ヒート・メタル〉 【精神集中】 金属製の人工物を赤熱させ、接触しているクリーチャーに2d8〔火〕ダメージを与える。 持続時間中、ボーナス・アクションを用いてこのダメージを再度与えることができる。 この呪文最大の特徴は、いっさいの判定なしで相手にダメージを与えることができる点。(呪文の説明文中にある【耐久力】セーヴは、あくまで握っている物を落とさないためのセーヴである) ダメージの平均値は9ポイントと、このレベル帯では十分な威力。ボーナス・アクションで毎ラウンドダメージを与えることができるので、アクションで味方を援護したり攻撃を行ったりとテンポを損なわない。ただし、バードは声援によりボーナスアクションが埋まりがちなクラスなため、過信は禁物。 特に人型生物や巨人等武器を装備する敵が頻出するアドベンチャーなどでは有用なのはもちろんのこと、小技としては馬具などを赤熱させて乗騎を暴走させたり、鍵などを赤熱させて落とさせ奪ったりもできる。 持続時間は1分だが、切れる前に大体敵の命の灯が消える。 HPや状態を回復する 〈カーム・エモーションズ〉 【精神集中】 自身から半径20フィートの人型生物の心を落ち着ける。 ①魅了や恐怖をもたらす効果を抑止する。 ②敵対的なクリーチャーを中立的に変える。 ①の効果について:戦闘中に使用することが多い効果。魅了・恐怖状態にする効果を持つクリーチャーは多く、かつ心術の中には〈ドミネイト・パースン〉など、致命的な効果も多い。この呪文は範囲も広くそのような効果をまとめて抑制できる。 ②の効果について:こちらの効果は戦闘が起こりそうな時に戦闘を未然に防ぐために使用することが多い。交渉のテーブルにつくことができたなら、あとは【魅力】の高いバードの腕の見せ所だ。 〈レッサー・レストレーション〉 触れたクリーチャー1体に影響を及ぼしている病気1種類、あるいは聴覚喪失状態、毒状態、麻痺状態、盲目状態のうち1種類を終了させる。 麻痺を治せる効果が強力。戦闘中に麻痺するとほぼ戦闘不能であるため確実に対策しておきたい。 病気に関しては、一部のモンスターの特殊攻撃で罹患することがある。種類によってはキャラクターロストに直結するような病気もある。また、稀なことだが、未開地の風土病や伝染病が登場するアドベンチャーもあるため、見知らぬ土地を歩く際には準備しておいた方がよい。 さらに、短期の狂気と長期の狂気(DMGp260)を治療することもできる。 くわえて、多分二日酔いにも効く。 自分や味方を支援する(バフ) 〈インヴィジビリティ〉 【精神集中】 不可視状態になる。ただし、攻撃や呪文の発動を行うと不可視状態は解ける。 持続時間は1時間あり、偵察や隠密行動にはもってこいの呪文である。他人にかけられるので、味方の斥候役を助けてあげよう。〈ファインド・ファミリアー〉で召喚した使い魔にかけることもできるので、隠密技能に長じたクリーチャーを不可視化すれば、実に優秀な斥候になる。敵陣に潜入し、内情や敵の配置を事前に調べよう。 高レベル版は目標を1体増やすことができるので、ウィザードやソ-サラーがパーティに複数いればパーティ全員を不可視化することも不可能ではない。 この呪文に〈ノンディテクション〉を組み合わせれば、呪文や魔法によって術者を発見することはほぼ不可能になる。 攻撃や呪文の発動を行うと、不可視化が即座に解除されることに注意。奇襲を行う場合、最初の1回限定だが、攻撃ロールに有利を得ることができる。 不可視は強力だが万能ではない。不可視化を破る方法は数々あるので、順に解説する。① 不可視化は視覚に基づく〈捜査〉や〈知覚〉をかいくぐることができるが、音や匂いで位置が露見することはあり得る。重い鎧や何種類もの武器、大きな背負い袋を運搬している冒険者が、何の物音も立てずに戦場を走り回るのは不可能だろう。もしくは殺した敵の返り血が鎧に付着して、ひどい匂いを放っているのかもしれない。これはゲーム的には、クリーチャーの受動知覚を使って判定される。君が隠密を行っていない場合や、行っていたとしてもその判定結果が相手の受動知覚を下回っていたなら、その所在が露見する。相手が「鋭敏嗅覚」や「鋭敏聴覚」を持つクリーチャーであれば、DMは受動知覚を用いずに、〈知覚〉判定を有利でロールする可能性もある。 ② 埃っぽい場所や煙の充満している場所などでは足跡や煙の軌跡から位置が露見する場合もあり得る。 ③ 視覚に基づかない知覚能力、たとえば「超知覚」、「疑似視覚」、「振動探知」などを持つクリーチャーは、君の隠密能力に関わらず知覚してくる。 ④ 〈フェアリー・ファイアー〉や〈シックニング・レイディアンス〉などの呪文は、不可視化を無効化することができる。 PHBp194「見えない攻撃者・見えない目標」に、「目標がいそうな位置をあてずっぽうで攻撃するのであれ、音はすれども見えないクリーチャーを目標として攻撃するのであれ、攻撃に不利を受けることに変わりはない」とあるので、少なくとも攻撃の目標にすることはできるようである。しかしその後に、「君が狙った位置に目標がいない場合、君の攻撃は自動的にミスする」とある。これが、5フィート単位で正確に目標の位置が分かっていないと攻撃できない、という意味なのか、大ざっぱに位置が分かっていれば攻撃できるのかはDMの裁定次第である。ただし、機会攻撃は「見えている相手」にしか行えない。 また、一部の呪文や特徴は「見ることができる」クリーチャーにしか発動できないので、不可視化状態のクリーチャーを目標にできない。たとえば〈カウンタースペル〉は呪文の発動を見ていないと発動できないので、不可視化していれば妨害されずに呪文を発動することができる。 いっぽうで、〈ディスペル・マジック〉は目標が見えてなくても発動できるので、この呪文を解呪されてしまう。敵方に呪文使いがいる場合は要注意である。 〈エイド〉TCoE 持続時間中、味方3人の最大HPと現在HPを5増加させる。 持続時間が8時間と長めなので、スロットに余裕があれば、毎朝かけて置きたい呪文。 また、複数を1アクションで回復できる唯一の2レベル呪文でもある。この呪文によって、気絶状態のクリーチャーも回復できる。(詳しくはこちら) 〈エンハンス・アビリティ〉 1体のクリーチャーの能力値判定を有利にする呪文。要精神集中。 戦闘だけでなくあらゆる局面で使いでがある。あらゆるシナリオで、冒険者は突発的に特定の能力値判定を求められることがあり、多くの場面で便利な呪文である。場面場面で柔軟に有利を与えられる汎用性が強みだが、2レベルスロットは決して安いコストという訳ではない。ここ一番という場面で使うのが良いだろう。おすすめは以下のとおり。 猫の敏捷力:イニシアチブ判定を有利にすることができる。また、ローグにこの呪文をかけた場合は、隠密判定に有利が得られるので、急所攻撃を命中させやすくなる。 熊の耐久力:〈フォールス・ライフ〉相当の一時的HPを得られるので全く腐ることはないだろう。 鷹の魅力:交渉事においては魅力判定を有利にできるので〈威圧〉〈説得〉〈ペテン〉が成功しやすくなる。 〈エンラージ/リデュース〉TcoE 対象を巨大化/矮小化させ、メリットデメリットを生み出す呪文。 エンラージ: 味方を大きくする呪文。 サイズが一段階大きくなる都合上、狭い通路などを塞いで敵の後方突破を防ぐのも有効。ただし視線を遮ったり遮蔽になる可能性もあるので、位置取りには注意。 【筋力】判定に有利もつくので"つかみ"や"突き飛ばし"を行う際にも効果が大きい。サイズ分類が一段階大きくなるので、中型クリーチャーを大型にすれば、超大型クリーチャーと組み合うことも可能になる。 DMの判断次第だが、武器のリーチが伸びるかもしれない。 リデュース: 相手を小さくする呪文で、残念ながらセーヴィング・スローで効果が無効になる。【耐久力】セーヴは高いクリーチャーが多く成功されやすい。 とはいえ、一度決まれば効果時間中はずっと小さくなるので、ほかの妨害呪文よりは効果時間が確実。 小型クリーチャーにかけて狭い隙間を通り抜けるなどの使い方もある。 〈シー・インヴィジビリティ〉 不可視を可視のように見ることができる呪文。 対象が自身のみなのが非常に惜しい。不可視の敵を発見したとして警告を発することはできるが、他の味方は結局見ることはできない。 とはいえ不可視は強力な状態であり、これを確実に見つけられる呪文としてはこれ以上なく優秀だ。ダンジョン探索の前にかけておいてもよいだろう。 また、エーテル界の存在も視ることができ、こちらもまれにエーテル界から奇襲したりする敵も居るため役立つことがある。 〈ミラー・イメージ〉TCoE 自身と全く同じ幻影を三体作り出し、1/4の確率でしか攻撃が当たらなくなる呪文。 ACに頼ることなく防御力を伸ばせる。前衛型のバードにとっては有用な呪文。 精神集中無しで1分間持続するので、他の呪文の精神集中を妨げないのも利点。 「君が攻撃の目標になった時」にしかこの呪文の効果は発揮されない。したがって、〈シャター〉や〈ファイアーボール〉などの範囲攻撃や、攻撃ロールを行わない〈マジック・ミサイル〉などの攻撃は普通に受けてしまう。(こちらを参照)逆に言えば、これらの攻撃を幻影が受けることはない。 幻術すべてに言えることだが、疑似視覚や超視覚などを持つクリーチャーには見破られてしまう。 敵を妨害する(デバフ) 〈ウォーディング・ウィンド〉XGtE 【精神集中】 自身を中心とした半径10フィートに強風を発生させる。 強風の中は聴覚喪失状態になり、移動困難になる。また、強風を出入りする遠隔攻撃は不利になる。 遠隔攻撃が不利になる効果について:撃つ方も撃たれる方も攻撃ロールに不利を受けるため、こちらが遠隔武器攻撃主体のときは使えない。前衛戦闘職が遠隔攻撃を防ぐために使うこともできるが、呪文を維持するのに精神集中が必要なため、主に魔法系キャラクターが身を守るために使う場面が多いだろう。最大10分と効果時間が長いのもありがたい。 聴覚喪失になる効果について:範囲内にいる時は聴覚喪失状態になるため、テレパシーなどの音声に頼らない意思疎通の手段が必要になる。 強風を発生させる効果について:〈フォッグ・クラウド〉〈スティンキング・クラウド〉〈クラウドキル〉〈インセンディエリ・クラウド〉などにカウンターすることができる。また、周囲の火を吹き消すので、松明などで視界を確保している場合は、吹き消されて見えなくなってしまうので注意。また、(めったにないことではあるが)〈プリズマティック・ウォール〉の第2層を破壊するためにも使用可能である。 〈エンスロール〉 射程内の任意のクリーチャーは【判断力】セーヴを行い、失敗すると術者に釘付けになる。(戦闘中に使用すると、目標はセーヴに有利を得る。) この呪文の作用を受けた目標は【判断力】 知覚 判定に不利を受け、受動知覚が5下がる。 バードらしく大衆の注目を集める呪文。射程内の任意のクリーチャーを目標にできるので、大群衆を一度に釘付けにすることが可能。 〈サジェスチョン〉と異なり、目標が術者の語る言葉を理解できる必要はない。 この呪文を使うのは、術者が大衆の目を引いている隙に仲間がこっそりと何かを行いたい場合だろう。たとえば、地元の有力者の屋敷に忍び込む、群衆の一人のポケットから持ち物を奪う、往来に大規模な罠をしかける、奇襲をかける場合など。 この呪文に精神集中は必要ないが、何らかの要因で喋れなくなったり無力状態になった時点で呪文が終了することに注意が必要である。 〈クラウン・オヴ・マッドネス〉 【精神集中】 目標の精神を狂気に陥れ、周囲のクリーチャーを敵味方問わず攻撃させる。 バードが初めて覚える「戦闘中に敵を支配する」呪文。戦闘中の支配は非常に強力な効果で、敵を1人減らし、味方の前衛を1人増やすようなものだ。上手くいけば、1.5体分くらいはこの呪文で無力化できる。 【判断力】セーヴなので、野獣やゴブリン族などに効きやすい。一方で魅了状態が発生する関係上、エルフやフェイには効きにくい。 相手の言語能力に関係なく効果が発動するので、異界の敵や言語を理解する知能がない敵にも有効。 〈ドミネイト・パースン〉などとは異なり、目標がダメージを受けても魅了状態が解けたりセーヴが行われることはない。 ただし、効果は強力なだけに制約も多い。以下順に解説する。① 精神集中を要するため、術者がダメージを受けたり無力状態になると終了するうえ、目標の各ターン終了毎に【判断力】セーヴ成功でも呪文を終了できる。早々に呪文が解けると本当になんの利益もない。 ② 呪文を持続させたければ術者のアクションを用いなければいけない。したがって、なんらかの事情でほかのアクションを行わなればならない場合は呪文を終了させなければならない。 ③ 持続時間中、対象の頭にねじれた鉄製の冠が被さる。見た目はオシャレだが、呪文で操られていることがバレバレになる。 ④ 相手は「移動の前に」「間合い内の対象に」「近接攻撃で」攻撃できなければ通常通り行動できる。 ⑤ 「1回の近接攻撃を行う」とあるので、複数回攻撃が可能であったとしても適用されない。攻撃手段が複数ある場合どうするかは明記がないが、術者がどの攻撃をするか選べてもよいだろう。 このように低レベル呪文なだけあって制約は多く、闇雲に発動しても利益は少ない。 相手を行動不能にする呪文には同レベルに〈ホールド・パースン〉などがあり、それぞれの効果を比較しつつ適切なものを選択しよう。 狭い場所で使う場合はこの呪文が有用であろう。通路の先頭にいるクリーチャーや、部屋の唯一の扉の前に立っているクリーチャーにこの呪文を掛ければ、他の敵にとっては面倒なことこの上ない。 ただし、最後に残ったこの呪文の対象の敵をどうするかは考えておかないと余計な被弾を受ける事もある。効果時間中に使い潰してしまいたいところだ。 〈サイレンス〉 【精神集中】 範囲内で発生した音や範囲内を通り抜ける音をシャットアウトする。 呪文の範囲内では音声要素を含む呪文を使えないため多くの呪文を封じることができる。(とはいえこの呪文の範囲がそこまで大きくはないため過信は禁物) 音を封じるため、鳴子のような罠を無力化したり、敵が増援を呼ぶことを阻止したり、潜入時に音を立てることをある程度気にせず戦闘したりと小回りが効く呪文である。 また儀式呪文であることも有用であり、余裕があれば事前に発動しておくことで敵を迎え撃つこともできる。 〈サジェスチョン〉 【精神集中】 1体のクリーチャーに1文か2文の命令を与える。 目標は【判断力】セーヴに失敗したなら、持続時間中その命令に従った行動をする。 相手を操る心術系統の呪文は応用範囲が広く、活用方法は山のようにある。下手をすると前提を飛ばしてボスまで一直線に進めるシナリオ破壊能力がある。(DMの許可する範囲で運用すること) ただし、制約もいくつかある。第一に「君から見えており、君の声を聴くことができ、君の言うことを理解できる」クリーチャーでなければ、そもそもこの呪文の対象にならない(対象としても自動的に失敗する)。たとえば、言語を持たないアウルベアや元素界の言葉しか知らないメフィットに共通語で〈サジェスチョン〉をかけても、首を傾げられるのがオチだ。 第二に、相手にとってあまりに理不尽だったり、自殺的な行動を強制することはできないので、自傷、同士討ち等は不可能。「いきなり理由もなく裏切れ」などというのは理不尽な指示の典型で、DMも認めてくれないことが多い。「どの程度までは妥当な指示か」はDMと相談しながら決めていく必要があるだろうが、「それはPCが知りえない情報だから、やってみるまで分からないよ」と突っぱねられる可能性もある。 第三に、命令は1文か2文以内でなければならない。「今すぐ本部に戻ってお前のボスに嘘の報告をせよ。そして次に云々」などべらべら喋った場合、DMはその命令の最初の1文か2文だけを抜粋して実行することにするとよいだろう。 PL諸氏の助けとなるよう、戦闘中やその直前にこの呪文を発動して目標を戦闘に関わらせないようにするにあたり、妥当と思われる例文を以下に記す。あくまで一例なので、実際の使い方は各自で工夫されたい。「その場で警戒を続けよ」 目標はその場にとどまり、呪文の持続時間中は知覚判定を行い続けるだろう。 「後方に回り、敵の奇襲に備えよ」 目標は前線を離脱していくだろう。 「本部に伝令に走れ」 目標は林を使って本部に急を知らせに行くだろう。 戦闘外であればこのような形だろうか。持続時間が8時間もあるので、本来は戦闘外での使用を想定していると思われる。「この道は誰も通すべきではない」:味方含め通行を制限し、増援を封じたり逃亡を封じたりする。 「○○を哨戒し、敵対生物を排除せよ」:ダンジョン内に敵対勢力が併存していることはままあるので、上手くいけばそれぞれの戦力を削ることができる。 「訪問者を歓待せよ」:事前に発動しておくことで交渉を有利に進めたり、しれっと屋敷に潜入できる可能性がある。 〈ナーヘアズ・ミスチフ〉FToD 一辺6m(20フィート)の立方体の範囲にフェイと竜の魔力が満たす。 1d4をロールしてランダムに効果を決定する。 1:範囲内のクリーチャーは【判断力】セーヴを行い、失敗すると君の次のターンの開始時まで君によって魅了状態になる。 2:範囲内のクリーチャーは【敏捷力】セーヴを行い、失敗すると君の次のターンの開始時まで盲目状態になる。 3:範囲内のクリーチャーは【判断力】セーヴを行い、失敗すると無力状態になり、自分の移動のすべてを使ってランダムな方向に移動する。 4:範囲内が移動困難地形になる。 君の各ターンの開始時毎に再度ロールを行う。ロールを行う前に、最大3m(10フィート)まで移動させることができる。 効果は悪くないが、 ランダムなので使いにくい。 この呪文を使うことで、 自身が妖精や竜にまつわる出自であることをアピールできるかもしれない。 相手がエルフやドラゴンなら一目置いてくれるだろう。 音声要素がないので、水中や〈サイレンス〉の範囲内でも呪文を発動できる。 説明文に「君から見える」 とあるので、 "重度の隠蔽"の中を目標にすることはできない。 また、君が盲目状態のときは呪文を唱えられない。 幻術の学派の14レベル特徴 「実体ある幻影」を使えば糖蜜やアップルパイの香りを実体化させることができるかもしれない。 「その物体は、他のものにダメージを与えることも、その他の方法で直接危害を与えることもできない」のあるので駄目かもしれない。(DM次第) 〈パイロテクニクス〉XGtE 60フィート以内にある一辺5フィートの立方体の範囲内の火を消すと同時に、眩い花火を飛び散らせるか、黒い煙を発生させる呪文。 “花火”は次のターンで解けるとはいえ広範囲版の〈ブラインドネス/デフネス〉のようなものであり、決まれば強力。 “煙”は〈フォッグ・クラウド〉とほぼ同一の性能だが、精神集中が不要な点で優れている。2レベル呪文でやることかと言われると立つ瀬が無いが……。 この呪文最大の問題は、火がないところにはかけられないこと。敵が持っている松明の火に対して唱えるのが最も一般的だが、D Dの世界には〈ライト〉というとても便利な呪文があり、多くの種族が活用している。またダンジョンに住む生物の多くは暗視を持つためなかなかこの状況にはならないのが悲しいところ。火の呪文を可燃物に撃ち込んで着火する手や、前衛キャラクターが火のついた松明を手に持っておき1ターン目に敵の近くに投擲するという手、火矢の作成をDMに認めてもらい、弓につがえて敵や敵の近くの地面に撃つなどの手も考えられる。また、10フィート間隔で松明が並んでいる通路などがあれば活躍できるかもしれない。 〈ファンタズマル・フォース〉 【精神集中】 相手の精神に根ざした幻術を発生させる。 幻は呪文をかけた目標1体にしか作用しないが、匂いや触覚を伴い、危険な幻ならダメージすら与える。 【知力】セーヴという珍しくかつモンスター相手に通りやすいセーヴを要求するのが特徴。他の幻術系呪文と毛色が違うのが、対象以外のクリーチャーはその幻を視ることができないが、対象は幻と関わった結果不合理な事象が発生しても信じこもうとする点。つまり他の幻術よりも幻だと気づきかれにくい。 もっともらしい理由さえあれば相手に行動を強制させることができるので、やれることは多岐に渡る。崖があれば足場があると思い込ませて転落させることができるし、障害物を作って侵入を諦めさせることもできる。敵対的なクリーチャーの幻影を見せたり、敵の見た目を変えて同士討ちを狙うこともできる。DM次第だが、 恐ろしいドラゴンの幻影を作り出せば「畏怖すべき存在」の能力によって、相手を恐怖状態にできるかもしれない。応用幅が広いので、DMやパーティにどのようなことがしたいかを打ち明けて、作成する幻術にアドバイスをしてもらおう。 この呪文は、「術者から幻を見せる相手までの距離」には制限があるが、「幻を出現させる場所」には制限がない。つまり、「すべての呪文の中でもっとも遠い場所に幻を出現させられる呪文」である(ただし騙せるのは一人限定)。 〈ブラインドネス/デフネス〉 クリーチャー1体を盲目状態または聴覚喪失状態にする呪文。 【耐久力】セーヴは比較的成功されやすいのが懸念点だが、特筆すべきは、なんといっても精神集中が不要な点。 そのため他の精神集中が必要な呪文とも併用できるし、前衛型バードでも精神集中の解除を恐れなくていいのは安心感がある。 盲目状態:状態異常の中でもかなり強力な部類であり、近接戦闘をするクリーチャーを機能不全に陥らせることができる。多くの呪文は見えている場所や対象を起点or目標にする関係上呪文の発動妨害にも使える。 聴覚喪失状態:あまり選択することは無いだろうが、一応コウモリなどの"疑似視覚"を聴覚によって有する敵にも有効。 〈ホールド・パースン〉 【精神集中】 人型生物を麻痺状態にする。 対人金縛りという日本語訳のとおり、この呪文は人型生物を麻痺状態にする。麻痺状態は致命的な状態異常であり、「当たれば勝ち」と言っても過言ではない。(麻痺の効果はPHBp292を参照してほしい) すべてのクリーチャーを対象にできる〈ホールド・モンスター〉が5レベルなことを考えると、対象がかなり限定化されたとはいえ強力な呪文。 判定は【判断力】セーヴだが、人型生物というのは(知性のない生物に比べて)【判断力】が高い傾向にある。したがって基本的に効きにくく、効いたとしても直ぐに立ち直ってくる可能性が高い。呪文が効いたら速やかにクリティカル・ヒットを当てて倒してしまおう。 スロット・レベルが1上がるごとに目標の数が1人増える。ただし目標に取る人型生物がそれぞれ30フィート以内にいなければならないことに気を付けなければならない。ダンジョンなど狭い場所では問題ないが、野外など広大なフィールドでは、敵軍も範囲攻撃の目標にならないために分散して位置取ることが多いため、うまく目標のクリーチャーを選ぶのが難しくなる。 1体を無力化するという点では〈ターシャズ・ヒディアス・ラフター〉があり、こちらは人型生物以外にも効く代わりに、ダメージを受けるたびに解除の可能性がある。また、〈ブラインドネス/デフネス〉は、対象にいっさいの制限がなく、くわえて精神集中が不要。どれも強力な呪文ではあるので、シナリオや現在の状況に合わせて採用しよう。 その他 〈アニマル・メッセンジャー〉 超小型サイズの野獣に75文字以内の伝言を託す呪文。 意志疎通手段はどの形態のセッションでも必要になる可能性がある。ただし、〈センディング〉などの即効性も無ければ返信も無いし、伝令である野獣が襲われて死ぬ可能性もある。しかしながら、〈センディング〉よりも低レベルであるうえ、儀式発動が可能なのでリソース消費もない点は長所。 ウィルダネスや辺境の人類圏でしか使えないイメージがあるが、例えばラットやレイヴンを使って友好NPCに伝令を送るなら、シティでも活躍する可能性を秘めた呪文であるとも言える。 バードにとっては、もし取得可能な枠が余っているなら取ってもよい、くらいの立ち位置。 〈スカイライト〉XGtE 【精神集中】 空に30文字以内の文を出現させる。 射程が「視界」なので、どれほど離れていようと、術者の視界内に収まるのであれば唱えることができる。また、通常の1アクションで発動することも"儀式"で10分かけて発動することもできるので、その時の時間的余裕によって切り替えよう。 使用例としては、奇襲が成功したことを味方陣営に伝えるため、上空に「奇襲成功」の文字を出現させて味方の行動を促す、などがある。「バットマン」に登場するバットサインのように使っても面白いだろう。 呪文の性能としては〈センディング〉にはるかに劣るものの、コストが安いため、後方と連絡を取り合う必要がある状況下であれば、安価な情報伝達手段として使えるかもしれない。 注意点は、強風の吹き荒れる日には使えないところ。 〈ゾーン・オヴ・トゥルース〉 嘘をつくことができない魔法の場を作り出す呪文。 主に尋問用。〈ディテクト・ソウツ〉と異なりエリアに対してかける呪文なので、複数人を一度にまとめてふるいにかけることができる。ただし相手も黙秘権を行使することは可能なので、別途口を割らせる手段を用意の上で利用する必要がある。捕らえた捕虜の発言の真偽を確かめたり、「私は正直に話しています」と周囲に対して証明するために使うイメージである。 〈ディテクト・ソウツ〉 【精神集中】 相手の思考を読み取る呪文。 主に捕虜にしたクリーチャーや嘘をついているNPCの尋問に使用する。捕らえた敵を尋問したいと言うシーンは多く、大抵は武器で脅すなりすれば情報を出してくれるものの、ウソが混じっている可能性や、相手が頑として情報を吐かない可能性はある。この呪文はそんな情報を嘘なく確実に手に入れることができる呪文であり、重要人物にかけたい呪文の上位にランクインする。 さて、思考を読むと言っても、詳しく言えば3つの効果がある。以下、順に解説する。 ① 1体のクリーチャーの思考を読み取る効果について:こちらから質問をすれば、相手がその答えを知っている限り「考えない」ことは難しいだろうから、確実に答えを知ることができる。しかし、思考は曖昧で漠然としたものかもしれないし、思い込みや勘違いが含まれるかもしれない。DMが「表層的な思考」でどこまでの情報が得られると裁定するかで使い勝手が大きく変わるだろう。 ② アクションとして対象の心を深く探る効果について:深く探ろうとした時点で相手には心を探っていることがバレてしまう。また、深く探ろうとした時点で対象は即座に【判断力】セーヴを行うことができ、成功すればこの呪文は終了する。また心を探られていることに気づいた対象は、1回のアクションとして術者と【知力】の能力値判定で対決できる。対象が勝つとこれまた呪文が終了しまう。深く探ろうとした時点で失敗のリスクが生まれるため、できるだけ①の効果で情報を集めたいところ。 ③ 30フィート以内にいる、思考力を持つクリーチャーの数を感知する効果について:不可視状態の敵や隠れている敵を探すのに使えるが、術者の周囲30フィートにいる敵しか感知できない。さらに、明確な座標を特定できるかどうか書いていないので、DMによっては位置まではわからないと判断される可能性もある。不可視を見破る呪文と言えば〈シー・インヴィジビリティ〉があるが、この呪文は他にも効果があるので潰しが効く。 まとめると、非常に有用な呪文であるが、いつでも使えるわけではない。バードにとっては、もし取得可能な枠が余っているなら取ってもよい、くらいの立ち位置。 〈ノック〉 封じられた扉等を開錠する呪文。 解錠呪文。普通の錠前や鍵穴はもちろん、魔法的な手段により開かない場所も開けることができる。また、鍵ではなく立て付けが悪かったり等により物理的に開かない場所も開けることができる。油でも差しているのか? 公式キャンペーンシナリオでも「〈ノック〉で開けることが可能」という記載もままあり、塞がれている場所、通れない場所に試す価値はある。また、遠距離から錠を開けられることも忘れてはならない。 大きな音が鳴ってしまうので隠密行動には不向きだが、〈サイレンス〉と組み合わせればデメリットは軽減できる。 〈マジック・マウス〉 物体に音声を録音し、特定のタイミングで喋らせる呪文。 10gpが必要なのはよいとしても効果が限定的すぎる。 「○○フィート以内に仲間以外のクリーチャーが近づいたら叫ぶ」等条件設定することで休憩時の警報や簡易的な見張り代わりにしたり、敵の注意を引くために使うこともできるが、〈アラーム〉や〈マイナー・イリュージョン〉で同じことができる。 また、バードであれば自分の歌声等を物体に込めて売ったり遺したりすることができる(75字までだが)。 〈ロケート・アニマルズ・オア・プランツ〉 特定の種類の動物、もしくは植物を探知する呪文。 「どのような使い道が?」と思うかもしれないが、状況や工夫次第では輝くかもしれない。 ①その動物や植物を探すこと自体が目的の場合:あまり頻繁に発生する状況ではないが、対象となる野獣もしくは植物が密猟の対象である場合や、特定の植物を入手する依頼があった場合に役立つ。また、名前を言えばそこまで導いてくれるため、似たような物品・動物の中から識別するために使うこともできる。 ②薬や毒の原料を探す:DMにかなりの無茶ぶりを強いることになるが、もし「薬草師道具」に習熟しているなら、この呪文を使って「ポーション・オヴ・ヒーリング」や「キオートムズ・オイントメント」の材料となる薬草を探し、調合できるかもしれない。あるいは「調毒道具」に習熟しているなら、この呪文を使って毒草や毒キノコを見つけ出し、DMGp258掲載の様々な毒薬を作れるかもしれない。君のDMが脱線大好きな人間なら、許可してくれるだろう。 ③その動物や植物に付随する何かを探す :例えば君たちが砂漠でオアシスを探していたり、荒野に新たな開拓地を作ることを計画しているなら、水源地を探すため、そこに生える水草の名前を指定してこの呪文を唱えるかもしれない。(〈自然〉判定や〈生存〉判定で事足りるだろうという意見もあるかもしれない)あるいは、町でネコを探し当てて、〈スピーク・ウィズ・アニマルズ〉で人では知りえないような情報を聞けるかもしれない。このように、秘境探検だけでなく、工夫すればシティでも活躍できる可能性はある。 ④強力な野獣を探す:〈アウェイクン〉によって作ることができる従者を探すために、この呪文を唱えることもあるだろう。南国のジャングル、極寒の極地、あるいはフェイワイルドやビーストランズなどを訪れたなら、この呪文を唱えてマンモス、ジャイアント・クロコダイル、ティラノサウルス・レックスなどの強力なクリーチャーを手に入れよう。 君のキャンペーンの部隊が上記のような僻地ではない場合でも、ブラウン・ベアやジャイアント・スパイダーくらいなら手に入るかもしれない。 〈ロケート・オブジェクト〉 【精神集中】 1,000フィート以内にあって、術者の見知ったものの位置を探る呪文。 シナリオ上の重要アイテムを探す使い方が想定されるが、射程が1000フィート(≒300m)しかないので、もし盗まれたものを探す場合、すぐに追いかけねば呪文の射程外に逃げられてしまう。その場合、対象の有るエリアを絞り込んだ上で発動するなど、ある程度の工夫は必要かもしれない。 いっぽう、こちらが重要なアイテムを持っている場合、敵に使われると厄介な呪文なので、持ち運ぶ際は鉛の箱などで隠し持つと良い。 また別の使い方として、金貨や銀貨を探知してダンジョン内の財宝を見つけることもできるかもしれない。ただし、ダンジョンにある財宝は、現代に流通していない古銭や、特定の地域でだけ使われる貨幣かもしれない。貨幣ではなく貴金属のインゴットや、宝石かもしれない。そういう場合は探知できないだろう。
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おすすめ呪文ダメージを与える〈アイス・ナイフ〉XGtE 〈アース・トレマー〉XGtE 〈ウィッチ・ボルト〉 〈カタパルト〉XGtE 〈クロマティック・オーブ〉 〈サンダーウェイヴ〉 〈ターシャズ・コースティック・ブリュー〉TCoE 〈バーニング・ハンズ〉 〈マジック・ミサイル〉 〈レイ・オヴ・シックネス〉 自分や味方を支援する(バフ)〈アブソーブ・エレメンツ〉XGtE 〈エクスペディシャス・リトリート〉 〈シールド〉 〈ジャンプ〉 〈フォールス・ライフ〉 〈プロテクション・フロム・イーヴル・アンド・グッド〉 〈メイジ・アーマー〉 〈ロングストライダー〉 敵を妨害する(デバフ)〈カラー・スプレー〉 〈グリース〉 〈コーズ・フィアー〉XGtE 〈スネア〉XGtE 〈スリープ〉 〈ターシャズ・ヒディアス・ラフター〉 クリーチャーや物体を召喚する/生み出す〈アンシーン・サーヴァント〉 〈ファインド・ファミリアー〉 その他〈アイデンティファイ〉 〈アラーム〉 〈イリューソリィ・スクリプト〉 〈コンプリヘンド・ランゲージズ〉 〈サイレント・イメージ〉 〈チャーム・パースン〉 〈ディスガイズ・セルフ〉 〈ディテクト・マジック〉 〈テンサーズ・フローティング・ディスク〉 〈フェザー・フォール〉 〈フォッグ・クラウド〉 おすすめ呪文 〈マジック・ミサイル〉は極めて安定性の高い攻撃手段である。 〈シールド〉は、ACの低くなりがちなウィザードにとって、信頼できる防御手段となる。 〈スリープ〉は敵の集団を一気に無力化できる。HPの低い雑魚の集団なら、この呪文一発で勝負が決まってしまうこともある。 〈ディテクト・マジック〉は、怪しい罠や珍しいアイテムを素早く見つけるのに役立つ。 〈ファインド・ファミリアー〉は、一度発動しておけば使い魔が死ぬまで存在し続けるため、準備呪文の枠も呪文スロットも消費することなく優秀な斥候と援護要因を提供してくれる。 ダメージを与える 〈アイス・ナイフ〉XGtE クリーチャー1体に1d10の〔刺突〕ダメージを与える。攻撃が当たっても外れても、その後氷が砕けて周囲に飛び散り、2d6の〔冷気〕ダメージを与える。 このレベル帯で範囲攻撃は貴重で、ダメージの確実性も高い。ただし、範囲が狭いので〈アシッド・スプラッシュ〉で同じ用が足りることもある。 〈アース・トレマー〉XGtE 周囲に地震を起こし1d6の〔殴打〕ダメージを与え、伏せ状態にする。 伏せ状態は移動速度を半分使えば立ち上がれるので、あまり強いデバフではない。 待機アクションを使って、目標が移動速度をすべて消費したタイミングで発動すれば、伏せ状態のままターンを終了させることができる。(※PCはそんなに正確に敵の移動速度を把握しているだろうか?という疑問はある。どこまでのメタ読みを許可するかはDM次第。) 一応、移動困難地形を作れるが、範囲が狭いので使い道は少ない。 〈ウィッチ・ボルト〉 【精神集中】 クリーチャー1体に1d12の〔電撃〕ダメージを与える。 持続時間中、アクションを費やして同じ目標に〔電撃〕ダメージを与え続ける。 1ラウンドで平均6.5ポイントのダメージしか出せないので、十分な量のダメージを出すのに時間がかかりすぎる。(参考:〈マジック・ミサイル〉なら10.5ポイント、〈クロマティック・オーブ〉や〈カタパルト〉なら13ポイント。) 維持できるほど強い呪文ではあるが、射程外に逃げたり完全遮蔽に隠れるだけで呪文が終了するので、維持が難しい。 〈カタパルト〉XGtE 5ポンド以内の物体を勢いよく発射し、当たれば3d8の〔殴打〕ダメージを与える呪文。 〈クロマティック・オーブ〉と同じダメージで、行う判定とダメージ種別が違う。 物体は何かにぶつかるまでは飛び続けるので、敵が【敏捷力】セーヴに成功した場合はそのまま後ろに飛んでいく(DM次第)。つまり、敵が直線上にたくさん並んでいるほど当たりやすい。 射程60フィートは飛ばす物体を選ぶ際の射程であり、物体自体は元あった場所から90フィートまで飛んでいく。つまり石がそこらじゅうに散らばっている戦場なら実質的な射程は150フィートある。物体の存在する位置次第では敵と自分の間にある1/2遮蔽や3/4遮蔽を無視した攻撃も可能。 重量1~5ポンド(454g~2270g)の範囲の物体しか目標に選べないため、石ならば野球ボールくらいの大きさは必要。 物体を移動させる手段としても使えるが、何かに衝突した場合その物体もダメージを受けてしまうため、壊すとまずい物には使えない。 毒の入った瓶や「錬金術師の火」を飛ばせるかどうかはDM次第。 〈クロマティック・オーブ〉 クリーチャー1体に〔火〕〔冷気〕〔電撃〕〔雷鳴〕〔酸〕〔毒〕のうち任意の3d8ダメージを与える呪文。 敵の抵抗を避けたり、脆弱性を狙って攻撃できる。普通に使っても強いが、特技「元素の達人」などで威力の底上げを図ることもできる。 〈サンダーウェイヴ〉 立方体形に電撃を放ち、範囲内のクリーチャーに2d8〔雷鳴〕ダメージを与える呪文。追加効果として目標を10フィート押しやる。 〈バーニング・ハンズ〉と比較するとダメージが小さいが、効果範囲が立方体のため多くの敵を巻き込みやすい。 使うと雷鳴が周囲に響き渡るので、隠密行動中には向かないことに注意。逆に言えば、音を利用して敵をおびき出したり、遠くの味方に戦闘が始まったことを伝えることもできる。 押しやり効果については、〈クラウド・オヴ・ダガーズ〉や〈ムーンビーム〉などの範囲内に入るとダメージを受ける効果の中に押し込むと強い。 〈ターシャズ・コースティック・ブリュー〉TCoE 直線状に酸を噴出し、【敏捷力】セーヴに失敗したクリーチャーは酸に覆われる。 酸に覆われているクリーチャーは自分のターン開始毎に2d4〔酸〕ダメージを受ける。 1レベルでは貴重な範囲攻撃。 毎ターンダメージが入るのも強み。酸を取り除くにはアクションが必要なので敵の攻撃の手も緩むだろう。 相手が呪文に精神集中している場合は、 何度もダメージが発生することにメリットが生まれる。 【敏捷力】セーヴを要求するため、拘束状態にしておくと当たりやすい。朦朧状態にすれば確実に当たる。 〈バーニング・ハンズ〉 円錐形の範囲に3d6〔火〕ダメージを与える呪文。 〈サンダーウェイヴ〉と並ぶ範囲火力。ただし円錐が15フィートしかないので敵にかなり近づく必要がある。 とはいえダメージはかなり良いのでリスクを取る価値はある。エルドリッチ・ナイトやブレードシンガーが範囲火力として採用するとよい。 〈マジック・ミサイル〉 1d4+1〔力場〕ダメージを与える矢を3発放つ呪文。必中。 「当たらなければどうしようもない」でお馴染み、D Dの戦闘において、絶大なる安心感と不動の地位を保つ呪文。基本的にはHPの少ない相手を確実に仕留める時に使う。 呪文に精神集中しているクリーチャーに当たると【耐久力】セーヴを3回行わせることができる。詳しくは公式デザイナーのTwitterによる回答を参照。 上の理屈では、気絶しているPCが〈マジック・ミサイル〉を受けると、即座にダメージが3カウントを数えて死ぬことになるが、あまりに理不尽なので、DMがこのルールを悪用してPCを虐殺するのはやめた方がよい。 〈シールド〉を使うと、この呪文を無効化できる。そのため、ウィザード同士が戦うとお互いの〈マジック・ミサイル〉を〈シールド〉で防ぎ合う様子がよく見られる。 〈レイ・オヴ・シックネス〉 クリーチャー1体に2d8の〔毒〕ダメージを与える。 目標は【耐久力】セーヴに失敗すると、君の次のターン終了時まで毒状態になる。 火力が低く、ダメージ種別も強くない。毒状態にする判定が【耐久力】セーヴなのも欠点。 自分や味方を支援する(バフ) 〈アブソーブ・エレメンツ〉XGtE リアクションで、火、冷気、電撃、雷鳴、酸ダメージを半減し、次の近接攻撃のダメージに加える呪文。 1レベルウィザードは範囲攻撃一撃で死ぬので対策は必至。前半の効果だけも十分役立つが、後半の武器攻撃の威力が上がる効果は、特にブレードシンガーやエルドリッチ・ナイトで活きる。 この呪文は動作要素を必要としながら物質要素を必要としないため、セージ・アドバイスのp16(※"Components"の項目、3個目のQ A)に厳密に従うなら少なくとも片手が空いていないと発動できない。この問題を解決するには特技「戦場の術者」を修得する必要がある。 〈エクスペディシャス・リトリート〉 【精神集中】 この呪文を発動した時および持続時間中のボーナス・アクションにおいて、早足を行うことができる。 ウィザードに機動力が必要になる場面はあまりない。 1レベルPCがこれを準備する優先度は低い。1レベルスロットを気軽に切れるようになる高レベルになって、なおかつボーナス・アクションが余る時には習得しても良いかもしれない。 〈シールド〉 リアクションで発動し、1ラウンドの間、ACを+5する呪文。また、〈マジック・ミサイル〉を防ぐ効果もある。 太古の昔、マジック・ユーザーをプレイする際「シューティング・ゲームのようだ」と揶揄されたらしい。なぜなら1発でも攻撃を受けると死ぬからである。今のD Dはさすがにそこまで尖ったゲームバランスではないが、ウィザードが死にやすいことには変わりない。 〈メイジ・アーマー〉や〈フォールス・ライフ〉と併せて準備しておくことでより安全性が増す。 この呪文は動作要素を必要としながら物質要素を必要としないため、セージ・アドバイスのp16(※"Components"の項目、3個目のQ A)に厳密に従うなら少なくとも片手が空いていないと発動できない。ブレード・シンガーやエルドリッチ・ナイトの場合、両手が塞がる可能性が高いため、問題となる。この問題を解決するには特技「戦場の術者」を修得する必要がある。 〈シールド〉対策として、術者の次のターン開始時まで待機し、効果が切れたタイミングで攻撃するという対策法がある。ただし、攻撃回数が1回かつ、1レベルスロットが貴重な、低レベル帯でのみ有効。 〈ジャンプ〉 味方1体の跳躍力を3倍にする。 廉価版の〈スパイダー・クライム〉や〈フライ〉としての活用が可能で、高所に陣取れば、敵によっては遠隔攻撃で一方的に攻撃できる。 長所としては1レベル呪文でコストが安い点、精神集中が不要な点、足場がない空中にも(通り過ぎるだけなら)移動できる点、などが挙げられる。 セージ・アドバイスののp19("jump spell"に関するQ A)によると、移動と早足アクションを組み合わせることで1回の跳躍で自身の最大移動速度を越えて跳躍ができるため、【筋力】値が16のPCが助走して早足アクションをとった場合、48フィートもの幅跳びが可能になる。これは戦闘マップとして登場するほとんどの落とし穴や谷間を飛び越えるのに十分な距離である。 さらに助走ありの高跳びをした場合、18フィート(手が届く高さで言うなら25フィート前後)もの高さまで到達することができ、登攀移動なしで低めの建物の屋根の上に移動したり、高跳びしてからつかみを行うことで低空を飛ぶ敵や低めの天井に張り付いている敵を自分もろとも地上に落下させることも可能である。3次元戦闘を行うことの多い卓ならば有用性はあるだろう。 〈フォールス・ライフ〉 一時的HP1d4+4を得る呪文。 低レベルで特に役立つ。 〈メイジ・アーマー〉と組み合わせると強力。ただし両方発動していても死ぬときは死ぬ。 〈プロテクション・フロム・イーヴル・アンド・グッド〉 【精神集中】 アンデッド、エレメンタル、セレスチャル、フィーンド、フェイ、異形のうち一種類から身を護る。 効果は強力だが使用タイミングが限定的。アドベンチャーで該当するクリーチャーと遭遇するかどうかは分からない。 フェイワイルド、シャドウフェル、元素界、九層地獄、アビス、彼方の領域に行くなら準備しておきたい。 このような「いつも必要なわけではないが、要るときは喉から手が出るほど欲しい」呪文は、巻物として持っておくと便利だ。DMGp128やXGtEp125の「魔法のアイテムの作成」ルールを採用している卓であれば、一本作っておき、大切に持っておきたい。 物質要素として「聖水または銀と鉄の粉」が消費されるが、価格が書かれていないので、無視できるほど少量でよいものと思われる。また、この物質要素は聖印などの焦点具で代用することはできない。この問題に関する議論は公式デザイナーのTwitterでの回答を参照のこと。なお、明確な結論は出ていないので、最終的にはDMが判断すること。 〈メイジ・アーマー〉 ACを「13+敏捷力」にする呪文。 盾にも鎧にも習熟していないウィザードがACを上げる唯一の手段。また、着たまま寝ることができる。 〈ロングストライダー〉 移動速度が10フィート増加する呪文。 1レベルPCがこれを習得する優先度は低い。1レベルスロットを気軽に切れるようになる高レベルになってから使い出が生まれる呪文。 精神集中不要で1時間持続するので、事前準備でかけておきたいところ。 こと戦闘中においては、移動速度が25フィートのキャラクターの移動速度を向上させて足並みをそろえさせることも可能であるし、逃げ足を強化することもできる。また、増加するのは歩行移動速度に限らないため、例えば、この呪文をジャイアント・イーグルにかけると、飛行移動速度においてドラゴンを振り切ることが可能。 敵を妨害する(デバフ) 〈カラー・スプレー〉 円錐形に閃光を放ち、HPが低い順に盲目状態にする呪文。 範囲が狭いのと、HPの低い相手にしか使えないのが盲目の効果とミスマッチ。1レベルのデバフ呪文ならば〈スリープ〉を勧める。 ドラウなど〈スリープ〉の効かない相手には有用。アンダーダークに行くときは習得を考えよう。 なお、エラッタにより、効果時間が「この呪文が終了するまで」ではなく「次の君のターンの終了時まで」となった。 〈グリース〉 油を召喚し、範囲内のクリーチャーを伏せ状態にする。 伏せ状態になっても移動速度を半分使えば立ち上がれるので、それほど強力なデバフではない。 待機アクションを使って、目標が移動速度を消費したタイミングで発動すれば、攻撃を妨害した上に伏せ状態のままターンを終了させることができる。(※PCはそんなに正確に敵の移動速度を把握しているだろうか?という疑問はある。どこまでのメタ読みを許可するかはDM次第。) 〈コーズ・フィアー〉XGtE 【精神集中】 クリーチャー1体を恐怖状態にする。 効果は〈ターシャズ・ヒディアス・ラフター〉の方が強い。 ただしあちらは【知力】の低すぎる相手には効かないとか、ダメージを与えると解除されるなどの制約がある。こちらの呪文の方が効く相手は多い。 〈スネア〉XGtE 5フィート四方に罠を設置する。踏むと罠にかかって拘束状態になる。 休憩時に唱えるための呪文。廊下や部屋の入り口などにかけておくとよいが、相手が罠にかかってくれるかが運次第なのが辛い。 〈スリープ〉 範囲内のクリーチャーを、HPの低い順に眠らせる呪文。眠った相手はだれかにアクションで起こされない限りは1分間眠り続ける。 非常に強力な呪文。「複数の相手を」「確実に」行動不能にすることができる。 セーヴィング・スローを要求する呪文と異なり、相手のHPが低ければ確実に命中するため、非常に信頼性が高い。もっぱら、HPの少ない相手を確実に仕留める際に使う。 〈ターシャズ・ヒディアス・ラフター〉 【精神集中】 クリーチャー1体を笑わせて、無力状態、かつ伏せ状態にする。 敵を完全に無力化できる呪文であり、決まればほぼ勝ち。同じレベル帯の〈コーズ・フィアー〉とは選択。 クリーチャーや物体を召喚する/生み出す 〈アンシーン・サーヴァント〉 1時間、不可視の従者を召喚する呪文。 先の見えない扉を開けさせたり、罠がありそうな通路を歩かせたり、ランタンを持たせて通路を先行させたり、お皿を洗わせたり、洗濯物を畳ませることができる。 時間をかければスロットを消費せずに“儀式発動”が可能で、その場合は準備している必要はない。 〈ファインド・ファミリアー〉 使い魔の動物を召喚する呪文。使い魔は攻撃できないが、独立したイニシアチブを持つ。 もっぱら偵察に使うが、通常のアクションとして援護をさせることで、戦闘中のサポートにもなる。HPが少ないのですぐ死んでしまうのが難点だが、金貨10枚を使って再度発動すれば復活できる。おすすめファミリアは以下の通り: アウル(フクロウ):暗視、かすめ飛び(機会攻撃無効)、知覚鋭敏(知覚判定に有利)の3点セット。斥候として非常に優秀。 バット(コウモリ):疑似視覚と知覚鋭敏(知覚判定に有利)。かすめ飛びがない点はアウルに劣るが、疑似視覚によって煙幕や〈ダークネス〉の中でも物を見ることができるのは利点。 キャット(ネコ):隠密技能が最も高い。 時間をかければスロットを消費せずに“儀式発動”が可能で、その場合は準備している必要はない。 その他 〈アイデンティファイ〉 魔法のアイテムや、人や物にかかった呪文を鑑定する。 基本ルールでは、小休憩すればアイテムを鑑定することは可能。 マジック・アイテムだけでなくクリーチャーや物体にかかった呪文も鑑定できる。敵に掛けられた謎の呪いの詳細を知ることができるかもしれない(DM次第)。 「ダンジョン・マスターズ・ガイド」p136には、〈アイデンティファイ〉でないとマジックアイテムを識別できない選択ルールがある。そのルール下では有用。 時間をかければスロットを消費せずに“儀式発動”が可能で、その場合は準備している必要はない。 〈アラーム〉 不可視の警報機を設置して、許可していない者が入ると警報を鳴らす呪文。 夜襲イベント回避用呪文。(メタな話、D Dでは、就寝のシーンがあったら、80%くらいの確率で夜襲される) 「許可していない者が入ると警報を鳴らす」という効果の詳しい処理はDM次第だが、友好NPCに変身した偽物や、存在しない名前を偽名で名乗っている者を暴き出すのにも使えるかもしれない。 時間をかければスロットを消費せずに“儀式発動”が可能で、その場合は準備している必要はない。 〈イリューソリィ・スクリプト〉 許可した人にしか読めない、魔法の暗号文を書く。 PCが使うことは少ない。 友軍に手紙を送りたい場合や、置き手紙を残したい場合、敵地に送り込んだスパイと連絡を取りたい場合などは使えるだろう。 ウィザードは呪文書を暗号文で書いておくことで、敵に呪文書を盗まれても中身を読まれない。 時間をかければスロットを消費せずに“儀式発動”が可能で、その場合は準備している必要はない。 〈コンプリヘンド・ランゲージズ〉 未知の言語を聞き取ったり読み取ることができる。 敵対種族の会話を盗み聞きしたり、古代の壁画の文字を読むことができる。 時間をかければスロットを消費せずに“儀式発動”が可能で、その場合は準備している必要はない。 〈サイレント・イメージ〉 【精神集中】 15フィート以内の幻影を作り出し、自由に動かす。 〈マイナー・イリュージョン〉との相違点はなんと言っても動かせること。(動かすのにアクションが必要なので戦闘中は役に立たない) 恐ろしいトロルや凶暴なドラゴンの幻影を作って、不要な戦闘を避けることも可能。 音が出せない欠点は〈マイナー・イリュージョン〉〈プレスティディジテイション〉〈ソーマタージ―〉などで補完可能。 〈チャーム・パースン〉 1体の人型生物を"魅了"する呪文。 持続時間が1時間もある。それだけあれば相手を言いくるめた上で立ち去るだけの余裕がある。 欠点は、1レベルでは1体のクリーチャーしか魅了できないこと。さっきまで「このお宝は渡さない!」と強固な態度をとっていたマフィアのボスが、君がぶつぶつ呪文を唱えた瞬間コロッと意見を変えたら、魅了したのがバレバレである。高レベルで発動すれば複数を対象にすることができるが、全員がセーヴに失敗してくれる確率は低い。 どうにかして2人きりで話す場を設けるか、1人でいるところを不意を打って魅了する必要があるだろう。ロールプレイの工夫のしどころだ。 相手がセーヴに成功したか伝えるかどうかはDM次第。 〈ディスガイズ・セルフ〉 1時間、別人に変装する呪文。術者にしか効果はない。 他人になりすまして家に入ったり、悪党をだましてアジトの入り口から遠ざける時などに使える。 変装道具に習熟している人がいるなら役割が被るので不要か。 声は変えることができないので注意。 〈ディテクト・マジック〉 【精神集中】 周囲の魔法の気配を感知する。 怪しいものを見つけた時だけでなく、怪しいものを発見するためにも使う。 常に唱えておきたいところだが、10分しか持続しないので高確率で探索中に切れてしまう。 儀式で発動することが可能なので、時間さえあれば常にこの呪文をかけておくことができるが、その暇があるかはシナリオ次第。 なお、エラッタにより、不可視のものを探知できなくなった。 〈テンサーズ・フローティング・ディスク〉 浮遊する円盤を作り出し、500ポンド(≒250kg)までのものを運ぶ。 持ち運べないほどの宝物、あるいは気絶した味方を運ぶのに使う。どちらの用途が多いかは言うまでもない。 時間をかければスロットを消費せずに“儀式発動”が可能で、その場合は準備している必要はない。 〈フェザー・フォール〉 リアクションで、落下している人や物をゆっくり着地させる。 がけ崩れや落とし穴への対策。パーティのうちの誰かはこれを持っておくべきである。 崖や建物の屋上から飛び降りて逃亡するのにも使える。 〈フォッグ・クラウド〉 【精神集中】 範囲内に濃霧を発生させ、”重度の隠蔽”を作り出す。 自分をこの霧で隠し、霧から出て攻撃→再び霧に隠れるという行動を繰り返すことで一方的な攻撃が可能になる。 また、機会攻撃を受けずに大勢の仲間を敵の間合いから離脱させる手段として使うこともできる(機会攻撃の条件に「君から見えるクリーチャー」というものがあるため)。どうしても勝てない相手が出てきたときの逃走用の目くらましや、パーティ全員が霧の中に隠れて籠城作戦を行う時なども使える。
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おすすめ呪文ダメージを与える〈インセクト・プレイグ〉 〈ドーン〉XGtE 〈フレイム・ストライク〉 HPや状態を回復する〈グレーター・レストレーション〉 〈マス・キュア・ウーンズ〉 〈レイズ・デッド〉 自分や味方を支援する(バフ)〈ホーリー・ウェポン〉XGtE 敵を妨害する(デバフ)〈ギアス〉 〈コンテイジョン〉 〈ディスペル・イーヴル・アンド・グッド〉 クリーチャーを召喚する/生み出す〈サモン・セレスチャル〉TCoE その他〈コミューン〉 〈スクライング〉 〈ハロウ〉 〈プレイナー・バインディング〉 〈レジェンド・ローア〉 おすすめ呪文 〈グレーター・レストレーション〉は必ず入れておきたい。 〈レイズ・デッド〉は死亡に対する確実な保険になるが、毎日準備する必要はない。 〈ホーリー・ウェポン〉は前衛のダメージ効率を大幅に伸ばすことができる。 ダメージを与える 〈インセクト・プレイグ〉 【精神集中】 虫の群れを召喚し、範囲内を移動困難かつ軽度の隠蔽にする。 呪文の発動時および、範囲内にターン中はじめて入ったり、ターンを終了したクリーチャーに4d10の〔刺突〕ダメージを与える。 ダメージの発生タイミングが多いので、うまくいけば1ラウンドで何度でもダメージを与えられる。うまく相手を範囲内に押しとどめる工夫をしたいところ。 ① 閉所で発動し、出口を塞ぐ:もっとも一般的な作戦。閉所でじわじわと死に至らしめよう。ただし、出口がたくさんある部屋ではそこから逃げられる。出口を押さえつけて開かなくする、扉や窓に〈アーケイン・ロック〉を掛けるなどの事前準備が必要。 ② 呪文の壁で閉じ込める:味方に〈ウォール・オヴ・フォース〉、〈ウォール・オヴ・アイス〉、〈フォースケージ〉などを待機してもらい、君が〈インセクト・プレイグ〉を唱えると同時に発動させよう。ただし、どの呪文も精神集中が必要であるため術者が2人必要になる。また、2人のどちらか片方でも精神集中が切れると作戦が崩壊する。 ③ 毎ターン範囲内に引きずりこむ:〈ビグビーズ・ハンド〉を使って敵を毎ターン範囲内に引きずりこんでやろう。 〈ドーン〉XGtE 【精神集中】 円柱形の光が降り注ぎ、呪文の発動時および、範囲内でターンを終了した場合に4d10の〔光輝〕ダメージを与える呪文。 平均22ポイントのダメージを与える。ダメージ種別は抵抗されにくく優秀。 ダメージは〈インセクト・プレイグ〉と同じだが、発生するタイミングが難しい。「呪文の発動時」はともかく「範囲内でターンを終了した場合」は、自身のターンにおいて範囲外に移動するだけでダメージを回避することができる。身動きできないほど狭い場所で発動する、移動を封じる状態異常にする、移動することで何らかの不利益が発生する状況を作り出すなどの工夫が必要となる。 〈フレイム・ストライク〉 神の火が降り注ぎ、円柱形の範囲内のクリーチャーに4d6の〔火〕および4d6の〔光輝〕ダメージを与える。 ダメージの平均値は35ポイント。2種類のダメージ種別があり抵抗されにくく、範囲が円柱なので飛んでいる相手にも当たる。 光の領域のクレリックならば〈ファイアーボール〉で事足りる。それ以外の領域のクレリックが瞬間的な範囲火力が欲しい場合に採用するイメージである。 HPや状態を回復する 〈グレーター・レストレーション〉 さまざまな悪い状態を治す呪文。 ①:消耗状態を1段階減らす。 ②:"魅了"と"石化"を治す。 ③:能力の減少を治す。 ④:最大HPの減少を元に戻す。 パーティのうち、誰かはこれを持っておくべきである。 〈レッサー・レストレーション〉と対応範囲が異なるため、できれば両方持っておきたい。 〈マス・キュア・ウーンズ〉 射程内の任意のクリーチャーのHPを3d8+【呪文発動能力】だけ回復する呪文。 範囲攻撃などで複数の味方が倒れた時、彼らを同時に戦場に復帰させることができるという点で非常に有用。 ただし、回復量は概ね20点に満たない程度なので、敵から再び攻撃を受ければ、ほぼ確実に倒れる。範囲攻撃を受けるたびにこの呪文を唱えていては、あっという間にスロットが尽きて押し負けること確実である。唱えるなら、短期決戦を狙っていきたい。 〈レイズ・デッド〉 死後10日以内の死者を蘇生する。 ただし魔法の病気や呪いは治癒せず、失われた体の部位も再生しない。アンデッドクリーチャーを蘇らせることもない。 復活した者は、すべての攻撃ロール、能力判定、セーヴィング・スローに-4のペナルティを受け、大休憩毎に1ずつペナルティが減少する。 発動に1時間かかるため、戦闘中に使うことはない。 また、死んでから10日以内に準備すれば間に合うので、毎日準備する必要はない。 物質要素として500gpのダイヤモンドを要するので、死亡時に備えて購入し、常に所持しておきたい。 なお「失われた体の部位を修復することはできない」ので、巨大なモンスターに飲み込まれて消化されたり、触手のたくさんあるモンスターに脳みそを食べられたり、目玉のたくさんあるモンスターに体を分解されたときは再生することができない。 自分や味方を支援する(バフ) 〈ホーリー・ウェポン〉XGtE 【精神集中】 武器1つを魔法の武器化し、2d8〔光輝〕ダメージを追加する。 呪文を早期に終了させることで光の爆発を起こせる。範囲内の任意のクリーチャーに4d8の〔光輝〕ダメージを与え盲目状態にする。 攻撃回数の多いキャラクターに対して唱えよう。 多くの前衛職がこのレベル帯ですでに「追加攻撃」の特徴を得ているはずだ。特技「クロスボウの使い手」「二刀の使い手」「長柄の使い手」などを持つキャラクターや〈ヘイスト〉の使い手がいればより有用性が上がる。 後半の光を爆発させる効果は、他の精神集中呪文を唱える必要が出てきて、この呪文を維持できない場合に使おう。 敵を妨害する(デバフ) 〈ギアス〉 クリーチャー1体を魅了し、30日命令に従わせる呪文。 目標は命令に背くと5d10の〔精神〕ダメージを受ける。 呪文の発動に1分を要するため、敵を魅了してから唱えることになる。 首尾よく魅了出来たら、スパイとして送り込んで情報を横流しにしてもらったり、敵の親玉のワインに毒を盛るように命令しよう。 なお、自殺的な命令には従わない、どの程度が自殺的であるかはDM次第だが、おおむね「結果として自分にダメージが発生する」ような命令は自殺的だと判断されるだろう。たとえば、「高所から飛び降りろ」「あのドラゴンと戦って財宝を奪ってこい」などの命令は聞いてもらえない可能性が高い。 5レベルで30日で高レベルで発動すると持続時間が延びる。7レベルなら1年、9レベルなら解呪されるまで永続。しかし、一つのアドベンチャーの中で完結するような命令なら、30日もあれば十分だ。キャンペーン全体、あるいはそれ以降の物語にも影響するような命令を行うとき、7~9レベルのスロットを使うことになるだろう。たとえば「あの悪党を殺すその時まで、俺たちのパーティに同行しろ」とか「お前は二度と盗みや殺しをするな」など。 命令に背くと5d10(平均26.5ポイント)のダメージを受ける。君に魅了されている以上、目標は命令を無視したりはしないだろう。しかし、明らかに自分の正義や信仰に反する命令を受けた場合、家族や友人や、尊敬する人物を裏切るような命令を受けたならば、DMは「彼はこの命令に従うくらいなら死を選ぶ」と判断するかもしれない。また発生するダメージが26.5ポイントであることを考えると、十分なHPを持つクリーチャーならダメージを受けつつ命令を無視することも可能。(高レベルで発動しても、残念ながらダメージは増えない) 〈コンテイジョン〉 接触した1体のクリーチャーを病気に冒す呪文。 攻撃がヒットすると、相手はまず"毒"状態になり、それからターン毎の【耐久力】セーヴに合計3回失敗すると、7日間、選択した1種類の病気になる。 ヒットしてから最低でも3ラウンド経たないと発病しないため、戦闘で使うのには向かない。 逆に持続時間は7日間もある。逃走する敵を"盲目"にして逃げられないようにしたり、逆にこの呪文を唱えてからこちらは全力逃走し、病気が発症したころに戻ってきて戦うのもよいだろう。 敵の元へ現れて、「治してほしければ俺の要求を聞け」と脅すのもいい。君が邪神に仕える悪のクレリックならばロールプレイも捗るに違いない。 おすすめ病気は以下の通り:失明病:"盲目"効果により、逃走を防いだり、こちらを追ってくるのを防げる。 肉腐症:あらゆるダメージに脆弱性を持つので、実質的にHPが半分になる。 溶死病:ダメージを受けるたびに"朦朧"状態になるので、ほとんど行動できなくなる。 〈ディスペル・イーヴル・アンド・グッド〉 【精神集中】 持続時間中、アンデッド、エレメンタル、セレスチャル、フィーンド、フェイは君に対する攻撃に不利を受ける。 呪文を早期に終了させることで、以下の2つの中からどちらかの効果を使用できる。 ①上記のクリーチャーによって魅了されたり恐怖したり憑依されているクリーチャー1体の状態を終了させる。 ②上記のクリーチャーを出身次元に送り返す。 最初の効果はあまり強くない。〈プロテクション・フロム・イーヴル・アンド・グッド〉と同じ効果だが、プロテクションが10分持続するのに対してディスペルは1分しか持続しない。また、プロテクションが味方を目標にできるのに対し、ディスペルは術者しか対象にできない。 ①の効果に関しては、判定もセーブもなしで状態を終了させることができる。しかし、プロテクションは"魅了"や"恐怖"や憑依になることがなく、すでにその状態なら復帰するためのセーヴに有利を得る。戦闘中であれば、状態を一度だけ治すディスペルよりも、持続時間中ずっと状態を予防し、セーヴに有利を得るプロテクションの方が有用だろう。 いっぽうディスペルは、ヴァンパイアの魅了や、ゴーストの憑依など、一度セーヴに失敗してしまうと半永久的に状態が継続する場合に対応できる。 まとめると、これからアンデッドや悪魔と戦うときはプロテクション、すでに眷属になってしまったり憑依されているのを治すのがディスペルというイメージである。 ②の効果は、即効性のある〈バニッシュメント〉のような効果。〈バニッシュメント〉が呪文を1分継続させなければ相手を完全に追放できないのに対して、この呪文は成功すればその瞬間に相手を追放できる。 しかし、その分成功率は低く、近接呪文攻撃をヒットさせた上に、さらに相手が【魅力】セーヴに失敗するという二重の門を突破する必要がある。また、呪文の発動に1アクション、②の効果を使うのに1アクション、合計で2アクションかかってしまうのもテンポが悪い。 したがって、戦闘の直前に唱えておき、1ラウンド目で宝くじ感覚で使うことになる。もし首尾よく追放できれば万々歳で、一瞬で戦闘を終わらせることができる。 クリーチャーを召喚する/生み出す 〈サモン・セレスチャル〉TCoE 1体の「セレスチャルの霊」を召喚する。 霊は君のターンの直後に行動する。 応報の天使:遠隔武器を持つ。召喚クリーチャーをいちいち回復するのは勿体ないので、そもそもダメージを受けない位置にいてくれるのは嬉しい。 守護の天使:近接武器しか持たないが、 攻撃力が高く、かつ攻撃のヒット時に一時的HPをくれる。 数ラウンドで使い捨てるつもりならこちらの方が良いだろう。 両方に共通の能力として、 飛行移動速度、光輝に対する抵抗、 魅了、 恐怖に対する完全耐性、 「治癒の接触」 がある。 「治癒の接触」の回復量はそれほど多くないが、戦闘中に気絶した味方を起こすのには使える。 発動には500gpの黄金櫃が必要なので、忘れずにご用意を。 (消費はしない) その他 〈コミューン〉 自身の信仰する神格に3つの質問をする呪文。 〈コンタクト・アザー・プレイン〉と比較すると質問数が少ない代わりに、狂気に陥る心配がない。 TRPGにおいては、PLが(悪気なく)DMの想定外の行動をすることがよくあるので、DMにとっても大変ありがたい呪文である。君がGMなら、例えばこんな助言を与えてあげよう。PCたちが次にどこに行くべきかわからないとき、目的地を示す。 謎解きが解けなくて困っているとき、ヒントを与える。 黒幕の正体について誤った推理をしているとき、訂正する。 〈スクライング〉 【精神集中】 知っているクリーチャーを盗み見、盗み聞きする。 敵情視察を行ったり、秘密の会議を盗み聞きしたり、お風呂を覗くことができる。 術者が対象とかかわりが深いほど、対象はセーヴに失敗しやすくなる。とくに髪の毛や爪などの体の一部を持っていると、-10のペナルティを与えることができる。対象が寝た後のベッドから髪の毛を盗んだり、家から出たゴミ箱を漁るとよい……が、明らかに倫理に反するので、実際やるかどうかはPCの属性次第だ。より大きな善との板挟みになり葛藤するロールプレイをするのも良いだろう。 はるか遠くから呪文をかけられるため、目標が〈スクライング〉されたことに気付くことはない。キャラクターがこの呪文の対象になった場合、DMはシークレットダイスをロールして、「何かが起きた」と匂わせるのもよいだろう。 味方からこの呪文をかけられた場合は、「故意にセーヴに失敗できる」とあるが、味方が〈スクライング〉されたことに気付くすべはないので、あらかじめ「●時●分に〈スクライング〉するからね」と伝えて置いたり、〈センディング〉などで「今から〈スクライング〉するけど、いいよね?」とアポを取らなければならない。 〈ハロウ〉 範囲内に聖なる(あるいは邪な)結界を張る。 ①:アンデッド、エレメンタル、セレスチャル、フィーンド、フェイはこの結界に入れない。また、中のクリーチャーを"魅了"したり"恐怖"させたり憑依することができないし、その状態になっているクリーチャーは結界に入ると状態が終了する。 ②:結界に追加の効果を与える。(「永遠の安息」「エネルギーに対する脆弱性」「エネルギーに対する抵抗」「恐怖」「暗闇」「言語会話」「次元移動妨害」「沈黙」「結城」「陽光」あるいはDMが許可した効果1つ。)PLは、DMと相談して、この効果を受ける条件を自由に決める。 発動に24時間もかかるので、戦闘中に使うのには向かない。ただし〈ウィッシュ〉を使えばこの条件を無視できる。 物質要素として1,000gpが必要。ただし発動してしまえば、解呪されるまで持続する。 特性上、防御戦や拠点のセキュリティを守るために用いられることが多い。PCは防衛するより攻撃することのほうが多いので、使い出は少ない。 とはいえ、PCも高レベルになれば領土や拠点を持つことがあるだろう。君たちが、デヴィルやデーモンの軍勢から砦を守らなければならなくなった時や、ダンジョンの主を倒して新たな主となったときなどには、この呪文の存在を思い出そう。 〈プレイナー・バインディング〉 エレメンタル、セレスチャル、フィーンド、フェイを呪縛して術者のために働かせる呪文。 相手は【魅力】セーヴを行う。これに成功されると完全な無駄撃ちになるうえ、1,000gpの物質要素も無駄になる。〈ベイン〉などで【魅力】セーヴにペナルティを与え、確実に成功させたい。 この呪文の発動時間が1時間なので、持続時間が1時間未満の召喚術には使えない。この点、DM次第ではあるものの、次元移動を阻害することで、異次元クリーチャーが帰還するのを防ぐことができるかもしれない。 また、1時間以上持続する召喚術の場合でも、その間相手が大人してくれるとは限らない。相手を閉じ込める手段としては〈マジック・サークル〉が最も確実だが、君が召喚の形式にこだわらないなら、密室で召喚し、唯一の出入り口を〈ハロウ〉や〈レオムンズ・タイニィ・ハット〉で塞ぐのもよいだろう。 5レベルで24時間、6レベルで10日、7レベルで30日、8レベルで180日、9レベルで1年持続する。この呪文を発動する時点で「クリーチャーを召喚する」「召喚したクリーチャーを1時間捕まえる」というそれなりの手間をかけているはずであり、それだけ苦労したのだからできるだけ長く従えたいところだ。君の持っている最高レベルのスロットで発動しよう。しかし、そんな長い期間、あごで使われた相手は間違いなく怒り心頭に発するだろうから、奉仕期間が終わった後の身の振り方については考えた方がよい。〈モディファイ・メモリー〉で奉仕期間の記憶を消してしまうとか、〈ギアス〉でもう二度とキャラクターたちに関りを持たないと誓わせるとか、あるいは、奉仕期間が終わる前に始末してしまうのが最も安全かもしれない。(どっちが悪魔だと言われそうだが。) 〈レジェンド・ローア〉 伝説的な人物、場所、アイテムについての情報を得る呪文。 DMから直接ヒントを得られる占術の一つ。 〈コミューン〉や〈コンタクト・アザー・プレイン〉と異なり、「知らない」と言われることがない。(意味不明な返答をされる可能性はある) 君がDMなら、わかりやすく教えるのでは盛り上がりに欠けるため、暗喩を用いたり、迂遠な言い回しを使ってプレイヤーたちの想像力を刺激しよう。自力で思いつかない場合はノムリッシュ翻訳でも使うとよい。